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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

安保条約違反の沖縄米軍基地での英海兵隊合同訓練

2016年08月19日 | 平和憲法
 ◆ 沖縄・米軍基地英海兵隊員が訓練 (東京新聞)
 沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブなどで米英海兵隊の合同訓練が実施され、英海兵隊の中尉2人が参加していたことが分かった。英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が英政府に情報公開請求したところ、英国防省が参加を認めた。(鈴木伸幸)
 ◆ 第三国軍想定せず 安保条約に違反
 在日米軍基地で第三国の軍人が訓練していた事実を政府機関が認めたのは初めて。
 英国防省がミッチェル氏に回答した文書によると、合同訓練は米英海兵隊の司令官の合意に基づき、二〇一五年一月にキャンプ・シュワブと隣接する米軍キャンプ・ハンセン(金武町など)で始まった。
 英海兵隊の中尉二人は、射撃訓練と密林地帯での野外訓練に参加。米海兵隊が一六~一七年に計画している訓練では英海兵隊員の派遣は予定していない。
 合同訓練をめぐっては、昨年八月に米軍の準機関紙「星条旗」が、参加していた英海兵隊の中尉二人のうち一人を匿名で特集している。約十八カ月間、米海兵隊の小隊の一員として加わったという。
 同紙は、合同訓練の目的を「米英海兵隊の相互理解を深め、将来の合同作戦を円滑にするため」と論評した。
 ◆ 日本政府過去に禁止 見解問われる対応
 日米安保条約では、在日米軍での第三国軍の訓練を想定していない
 日本政府は、一九七一年十二月に参院本会議で福田赴夫外相(当時)が「安保条約はわが国の施設・区域を米軍に提供するもので、第三国の人に対して提供するものではない」「第三国の人の訓練をわが国において行うということは許されない」と答弁していた。
 例外はある。朝鮮戦争が法的にはあくまでも休戦中であることを前提に、七カ所の在日米軍基地が「国運軍基地」に指定され、その枠組みであれば英国軍が使用することはできる。だが、沖縄県内の国連軍基地は嘉手納基地、普天間飛行場、ホワイトビーチの三カ所だけで、シュワブとハンセンは該当しない
 米英合同訓練は過去の政府答弁と矛盾するが、防衛省報道室「在日米軍による施設、区域の使用は日米地位協定に基づき行われていると認識している」とコメント。
 外務省日米地位協定室は担当者の不在を理由に回答しなかった

 ミッチェル氏は「ベトナム戦争が激化した六〇年代後半には、第三国の軍隊を訓練することは普通だった」と指摘する。安保闘争などで国民の反発が強まる中、七一年の政府答弁で歯止めがかかったはずだったが、その後も、しばしば第三国の軍人訓練の疑惑が浮上。その都度、政府は否定していた。
 それが今回、疑惑が疑惑でなくなった。ミッチェル氏は「今回の情報公開で、否定できなくなった。明らかな安保条約違反。『たった二人の英海兵隊員』と思っているかもしれないが、黙認すればあしき前例になる」と強調する。
 米本土と比べると、日米地位協定に守られる在日米軍の方が、軍事訓練に対する住民監視が届きにくいという実情もある。
 この点、ミッチェル氏は「日米両政府は『沖縄の負担軽減』と言うが、合同訓練が見逃されれば、沖縄が各国との合同訓練の場ともなりかねない。それは負担軽減と真逆だ」と警鐘を鳴らす。
 軍事ジャーナリストの前田哲男氏は、日本政府に毅然とした対応を求める
 「日本政府の承諾なしに、米英で合同訓練を決めたのなら外交問題だ。日本政府には報告があったのか、それとも全く蚊帳の外で知らなかったのか分からないが、いずれにしても安保条約に抵触する。明らかになった以上、日本政府は筋を通すべきだ」
『東京新聞』(2016年8月13日)【ニュースの追跡】


 ◆ イギリス兵が沖縄の米軍基地で訓練 法的に問題 (沖縄タイムス)
 ≪9秒でまるわかり!≫
   英国海兵隊の将校が在沖米海兵隊の訓練に参加していたことが判明
   日本国内の基地で第三国の軍人を訓練していた事実を認めたのは
   訓練は国連と無関係で、国連軍施設以外で行われ、法的な問題がある

 【ジョン・ミッチェル特約通信員】 英国海兵隊の将校が、キャンプ・シュワブやハンセンで米海兵隊の訓練に参加していることが、本紙による英政府への情報公開請求で分かった。英国防省海軍司令部は、訓練が双方の合意に基づき2015年1月に始まったと説明。これまでに中尉2人が「ジャングル戦闘訓練と射撃訓練」に参加したと明らかにした。
 米軍が日本国内の基地で第三国の軍人を訓練していた事実を、政府機関が公式に認めたのは初めて。こうした訓練は日米安保条約で想定されておらず、日本政府も禁じられているとの見解を過去に示している(1971年12月1日、参院本会議)。
 朝鮮戦争で編成された「国連軍」が使用できる米軍基地は日本国内に7カ所あり、沖縄県内では嘉手納基地、普天間飛行場、ホワイト・ビーチの3カ所。法的には英国軍も使用できる。
 一方、シュワブやハンセンは国連軍施設ではない。今回の訓練自体も国連とは無関係に実施されており、法的な問題がある。
 英国海兵隊は「精鋭部隊」とされ、米海兵隊と行動を共にすることが多い。イラクやアフガニスタンの戦闘にも参加している。
 米軍準機関紙「星条旗」が昨年8月、県内での訓練について報道した。「将来の共同作戦に向けて統合運用性を高める」ため、英国海兵隊の将校を1年半にわたって米海兵隊に従軍させる新たな取り組みの一環だという。
 記事は今後、従軍は拡大する予定だと指摘した。
 しかし、英国防省は本紙の情報公開請求に16年と17年の従軍予定はないと回答し、見解が食い違っている。
『沖縄タイムス』(2016年7月18日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/54456
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