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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

世界最先端の研究水準は「国威発揚」のためではない

2018年02月25日 | 平和憲法
 ◆ 研究力の低下 (東京新聞【本音のコラム】)
河村小百合(日本総研上席主任研究員)

 一位米国、二位英国、三位ドイツ、四位日本-これは世界で質が極めて高いとされる研究論文の生産本数の、二十年前、十年前の不動の順位だ。
 ところが、文部科学省科学技術・学術政策研究所のデータが示す最近年(二〇一五年までの三年平均)の順位は、一位米国、二位中国、三位英国、四位ドイツ。その後は仏・豪・加・伊と続き、日本はやっと九位で顔を出す。
 科学技術立国で戦後の高度経済成長を達成し、その後も世界屈指の経済大国の地位を守ってきた日本の研究力が近年、目に見えて低下している。
 研究力は論文の生産数だけでなく、他の論文にどれだけ引用されたかという質で評価するのが世界の共通の尺度
 実際の被引用数をくまなくカウントする民間機関がある。冒頭の順位は、被引用数が世界で上位1%に入る極めて質の高い論文の生産数にかかるものだ。
 日本が順位を落とすなか、近年は中国を筆頭にアジア主要国の躍進ぶりが目覚ましい。それを迎え撃つ欧米主要国も高水準をキープしている。
 世界の主要国がなぜ、質の高い論文生産にこれほど注力するのか。国威発揚のためだけではないだろう。
 世界最先端の研究で技術革新をリードすることが、自国の五年、十年先の経済成長力を大きく左右する。トリクルダウン効果が極めて大きいことをどの国もよく知っているからだ。
『東京新聞』(2018年2月22日)

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