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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「神宮外苑再開発」は厳しい歴史の審判を受けるであろう

2022年02月24日 | 平和憲法
 ◆ 神宮の森の大伐採 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 神宮の森の大伐採計画が、都の都市計画審議会で可決された。先週もこの欄で書いたが、辛うじて都心に残されてきた、歴史的で貴重、広大な緑のオアシスが、あまりにも露骨な儲(もう)け主義の餌食にされようとしている。
 樹齢百年以上の老木もふくめ「開発予定地」にある樹木の半分以上が大虐殺され、高さ百九十メートル、百八十五メートルなどと、空を制圧するコンクリートの巨大なオフィスビルが建て並べられるという。
 東京五輪にむけて、建築基準の緩和策で国立競技場の建て替えなどが実施された。その間隙(かんげき)を縫った巨大開発計画が、三井不動産伊藤忠商事などが狙った千載一遇のビジネスチャンスだ。
 しかし、東京の地形が日比谷公園から皇居、神宮の森、新宿御苑へと森と緑地が続いているからこそ、やわらかな風が流れ、花が咲き、潤いのある首都となっている。
 森の伐採は、その繋(つな)がりの要(かなめ)を破壊する。

 地方の工業開発の時代は終わった。いま都心のオフィスとマンション建設で、あらたな需要をつくりだそうとしているのが、金融業、不動産業、建築産業の欲望である。
 かつて土地に柵を立てた囲い込み政策が今後、コンクリートの塔を天に突き刺し、空を包囲し地上に冷たい暴力的な風を巻き起こす。
 極限の一極集中計画というべき「神宮外苑再開発」は厳しい歴史の審判を受けるであろう。
『東京新聞』(2022年1月1日【本音のコラム】)


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