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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

トランプ発言は無知な相対主義の典型

2017年08月23日 | 平和憲法
 ◆ 相対主義という罪 (東京新聞【本音のコラム】)
山口二郎(やまぐちじろう 法政大教授)

 米国のトランプ大統領が窮地に陥っている。白人至上主義者の挑発に対する市民の反対運動について、両方を非難したことに対して、共和党の政治家を含む各方面から批判の声が上がっている。
 トランプ発言は無知な相対主義の典型である。
 民主主義社会において言論は自由であり、意見は多様でなければならない。しかし、異なった意見を持つ人々は、人間の尊厳を守るという前提を共有しなければならない
 この前提を否定する者は、民主主義社会に居場所を持たない。これがアメリカの常識である。
 これに対して、トランプ大統領はリングの上でフエアプレーをする選手と、リングの外で反則を繰り返すならず者を同列に扱った。アメリカ政治の指導者としては失格である。
 同じ構図は日本にもある。日本でも、差別を公然と唱道する動きが続いている。
 安倍首相は、基本的人権の尊重という基本的価値を欧米と共有するとしばしば言うが、行動が伴っていない。
 排外主義者によるヘイトスピーチに対して、わが国の指導者が厳しく批判したり、人権を否定されている少数者の側に寄り添う発言をしたりしたという例を、私は寡聞にして知らない。
 人間の尊厳を守ることについて、私たちは妥協してはならない。この原則については、不倶戴天の敵がいることもやむを得ない。
『東京新聞』(2017年8月20日【本音のコラム】)

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