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2004年12月5日(日曜日) 電話
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テレビに顔と名前が出た。翌朝、新聞にも名前が出た。困ったことになった。静かに生きていたのに。一時ですぐ忘れ去られると思うが。
知らない人から電話が掛かってきた。掲示板には悪し様に言う人の投稿が入り出した。と思ったら、M君から電話だ。50年ぶりである。小学校の同級生、いや懐かしい。去年からクラス会を始めたという。ずっと探していたんだが、やっと分ったという。テレビのお蔭である。あれとこれとという。クラス、一人、二人しか覚えていない。愕然たる感がする。小学校時代、何していたのだろう。記憶力に欠陥があるのか。
暫くして、担任だったN氏より電話。ご健在であった。何と20歳で、小学校3年生のわれわれの担任になったのだという。仲間で戦死した者も多いという。N氏、当時、三国同盟、英語が駄目でドイツ語を学んだ。或る日、勤労動員の休憩時間にドイツ語の本を読んでいたら密告され、特高に捕まった。彼等には、ドイツ語も英語と同様横文字だ。しょっ引かれて散々殴られたという。
「日の丸・君が代については・・・」 N氏、「戦後にきちんとしとくべき問題だった」
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2004年12月4日(土曜日) 天国
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「お上のいうことを聞けない奴は、不逞の輩だ」、「お上に逆らう不逞の輩」、「言うこと聞かんか、おめえら」、こんな感覚なのであろう。
新聞記事で、面白いのがあった。「五回もの呼び出しに応じなかった」、「来ても、黙秘であった」、「地検の呼び出しも拒否した」、という記事である。つまり、「警察、検察の言うことを聞かない奴は、ただじゃおかねえ」、という意味になる。
任意の出頭要請は、実は任意ではないのだ。「呼んだら来るのがあたりまえじゃあねえか」、「素直に従え」、「頭が高い」、ということである。分りやすく言えば、「なめたら承知しねえぞ」、ということである。
起訴理由の中に堂々と鎮座している。こんな異様なことが、そのまま通用する社会である。新聞記者も批判しない。そのまま地検の言い分を、記事に垂れ流している。考えてみりゃ、妙な話だ。任意は、任意ではないか。「黙秘」は市民に保証されている自己を守る最高の権利ではないか。
かって小林多喜二は、築地警察で足に釘を打ち込まれて殺された。多喜二がこの記事を読んだら、何と言うであろうか。「昔に比べりゃ天国よ」、か否か。
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2004年12月3日(金曜日) 撹乱
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今日、一時半過ぎに起訴されたことを知った。新聞記者からの電話で。自宅には何らの連絡もない。後で聞くと、本日、起訴状を郵送したのだという。
本人が知る前に、新聞記者らには通知するらしい。司法クラブの各社の箱に、紙が放り込まれていたということのようだ。起訴状の要旨なるものが書かれている。それをもとに、各社は記事を作る。ゆえに、当局発表がそのまま記事となって、世間に流布されていく。恐ろしいことである。逮捕されていたら、記者会見など出来ない。事前に新聞記者らに十分な説明をしていないと、そのまま流れる。起訴する側にとって都合好く脚色された情報が垂れ流される。人々はそれを読む。「そうか、そんなに悪い奴か」、ということである。
午後5時半に記者会見なるものを設定した。結構集まってくれた。「産経さん、いますか」、と聞いたら、小さく手が上がった。「書く前に、本人と連絡とって」、と言ったら恐縮していた。卒業式の翌朝、でっかく「元教員、卒業式撹乱」、と書いた新聞社である。始まる前のハプニングを、式撹乱にすり替えてしまった。 世間への刷り込み広報紙である。
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2004年12月2日(木曜日) 強盗
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珠洲の原発が、ついに断念された。反対住民の完全勝利である。30年にわたる闘いであった。その間に、1979年のスリーマイル島、1986年のチェルノブイリがあった。今も苦しんでいる人が沢山いる。
珠洲は、能登半島の先端、素晴らしい自然に恵まれた土地である。一旦放射能に汚染されたら、何十年もそれ以上も駄目になってしまう。最終処理まで考えれば、経済的にも割が合わない。
何故、多くの原発が作られたのか。一言で言えば、膨大な金が動くからである。巨額の金が動くところに、権力者が群がり甘い汁を吸うという構造である。
戦後の対外補償、援助も同じである。北との国交回復で仮に1兆円動くとすれば、その5パーセントがリベートであろう。なんと500億円である。
政治家、官僚は何を目的として動くか。言うまでもなく、利権を求めてである。金である。国民より収奪した税金を、企業の収益の一部を如何にして自分の懐に還流させるか、すべてはそれに尽きる。
金がすべてである。強盗が、「おい、金を出せ」、という方がまだ真っ正直である。すました顔してるだけに、強盗よりたちが悪い。
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2004年12月1日(水曜日) 英雄
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マッカーサーが厚木に降り立って、ジープで東京に向かったという。恐かったろうなあ。神風残党、何処から弾が飛んでくるか分らない。なんと一発の銃声もなし。鬼畜米兵、無事にお堀端へ。
意味のない戦であったということ。戦う意義がなかったことを如実に示した出来事であった。相手が憎いのではなく、命令にただ従って多くの兵が死んでいった。死ぬことを美化することは、最悪の思想だ。
硫黄島で米軍は拡声器で呼びかけたという。「バロン・西、投降せよ」、と。誰かが作った話かもしれぬ。10年ほど前のロサンゼルス、閉会式直前の10万人の観衆に見守られて、西竹一は馬術・障害で優勝した。暴れ馬、ウラヌスに騎乗して。多くの選手が失格する厳しい障害の設定であった。バロン・西は一躍、世界の英雄となった。
戦争は、個人を抹殺する。人間を、消耗品として扱う。西竹一は、お守りのウラヌスのたてがみを懐中にして自決。2万2000の日本兵が戦死する。
今は、誰も住まない島だ。戦後4年経った1949年、同じロサンゼルスで古橋広之進が世界の英雄となった。翌日、立派なホテルに泊まれた。
2004年12月5日(日曜日) 電話
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テレビに顔と名前が出た。翌朝、新聞にも名前が出た。困ったことになった。静かに生きていたのに。一時ですぐ忘れ去られると思うが。
知らない人から電話が掛かってきた。掲示板には悪し様に言う人の投稿が入り出した。と思ったら、M君から電話だ。50年ぶりである。小学校の同級生、いや懐かしい。去年からクラス会を始めたという。ずっと探していたんだが、やっと分ったという。テレビのお蔭である。あれとこれとという。クラス、一人、二人しか覚えていない。愕然たる感がする。小学校時代、何していたのだろう。記憶力に欠陥があるのか。
暫くして、担任だったN氏より電話。ご健在であった。何と20歳で、小学校3年生のわれわれの担任になったのだという。仲間で戦死した者も多いという。N氏、当時、三国同盟、英語が駄目でドイツ語を学んだ。或る日、勤労動員の休憩時間にドイツ語の本を読んでいたら密告され、特高に捕まった。彼等には、ドイツ語も英語と同様横文字だ。しょっ引かれて散々殴られたという。
「日の丸・君が代については・・・」 N氏、「戦後にきちんとしとくべき問題だった」
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2004年12月4日(土曜日) 天国
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「お上のいうことを聞けない奴は、不逞の輩だ」、「お上に逆らう不逞の輩」、「言うこと聞かんか、おめえら」、こんな感覚なのであろう。
新聞記事で、面白いのがあった。「五回もの呼び出しに応じなかった」、「来ても、黙秘であった」、「地検の呼び出しも拒否した」、という記事である。つまり、「警察、検察の言うことを聞かない奴は、ただじゃおかねえ」、という意味になる。
任意の出頭要請は、実は任意ではないのだ。「呼んだら来るのがあたりまえじゃあねえか」、「素直に従え」、「頭が高い」、ということである。分りやすく言えば、「なめたら承知しねえぞ」、ということである。
起訴理由の中に堂々と鎮座している。こんな異様なことが、そのまま通用する社会である。新聞記者も批判しない。そのまま地検の言い分を、記事に垂れ流している。考えてみりゃ、妙な話だ。任意は、任意ではないか。「黙秘」は市民に保証されている自己を守る最高の権利ではないか。
かって小林多喜二は、築地警察で足に釘を打ち込まれて殺された。多喜二がこの記事を読んだら、何と言うであろうか。「昔に比べりゃ天国よ」、か否か。
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2004年12月3日(金曜日) 撹乱
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今日、一時半過ぎに起訴されたことを知った。新聞記者からの電話で。自宅には何らの連絡もない。後で聞くと、本日、起訴状を郵送したのだという。
本人が知る前に、新聞記者らには通知するらしい。司法クラブの各社の箱に、紙が放り込まれていたということのようだ。起訴状の要旨なるものが書かれている。それをもとに、各社は記事を作る。ゆえに、当局発表がそのまま記事となって、世間に流布されていく。恐ろしいことである。逮捕されていたら、記者会見など出来ない。事前に新聞記者らに十分な説明をしていないと、そのまま流れる。起訴する側にとって都合好く脚色された情報が垂れ流される。人々はそれを読む。「そうか、そんなに悪い奴か」、ということである。
午後5時半に記者会見なるものを設定した。結構集まってくれた。「産経さん、いますか」、と聞いたら、小さく手が上がった。「書く前に、本人と連絡とって」、と言ったら恐縮していた。卒業式の翌朝、でっかく「元教員、卒業式撹乱」、と書いた新聞社である。始まる前のハプニングを、式撹乱にすり替えてしまった。 世間への刷り込み広報紙である。
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2004年12月2日(木曜日) 強盗
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珠洲の原発が、ついに断念された。反対住民の完全勝利である。30年にわたる闘いであった。その間に、1979年のスリーマイル島、1986年のチェルノブイリがあった。今も苦しんでいる人が沢山いる。
珠洲は、能登半島の先端、素晴らしい自然に恵まれた土地である。一旦放射能に汚染されたら、何十年もそれ以上も駄目になってしまう。最終処理まで考えれば、経済的にも割が合わない。
何故、多くの原発が作られたのか。一言で言えば、膨大な金が動くからである。巨額の金が動くところに、権力者が群がり甘い汁を吸うという構造である。
戦後の対外補償、援助も同じである。北との国交回復で仮に1兆円動くとすれば、その5パーセントがリベートであろう。なんと500億円である。
政治家、官僚は何を目的として動くか。言うまでもなく、利権を求めてである。金である。国民より収奪した税金を、企業の収益の一部を如何にして自分の懐に還流させるか、すべてはそれに尽きる。
金がすべてである。強盗が、「おい、金を出せ」、という方がまだ真っ正直である。すました顔してるだけに、強盗よりたちが悪い。
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2004年12月1日(水曜日) 英雄
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マッカーサーが厚木に降り立って、ジープで東京に向かったという。恐かったろうなあ。神風残党、何処から弾が飛んでくるか分らない。なんと一発の銃声もなし。鬼畜米兵、無事にお堀端へ。
意味のない戦であったということ。戦う意義がなかったことを如実に示した出来事であった。相手が憎いのではなく、命令にただ従って多くの兵が死んでいった。死ぬことを美化することは、最悪の思想だ。
硫黄島で米軍は拡声器で呼びかけたという。「バロン・西、投降せよ」、と。誰かが作った話かもしれぬ。10年ほど前のロサンゼルス、閉会式直前の10万人の観衆に見守られて、西竹一は馬術・障害で優勝した。暴れ馬、ウラヌスに騎乗して。多くの選手が失格する厳しい障害の設定であった。バロン・西は一躍、世界の英雄となった。
戦争は、個人を抹殺する。人間を、消耗品として扱う。西竹一は、お守りのウラヌスのたてがみを懐中にして自決。2万2000の日本兵が戦死する。
今は、誰も住まない島だ。戦後4年経った1949年、同じロサンゼルスで古橋広之進が世界の英雄となった。翌日、立派なホテルに泊まれた。
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