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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

日本の礼儀作法や言語文化に反する「日本人でよかった」ポスター

2017年05月28日 | 平和憲法
 ◆ 日本の礼儀 (東京新聞【本音のコラム】)
師岡カリーマ(アナウンサー)

 外国人を対象とした日本語教育では、言葉の節々に表れる伝統文化や礼儀作法も紹介し、それに倣うよう促す。代表的なものが、謙遜の美徳だ。
 褒められても「ありがとう」ではなく「それほどでも」「まだまだです」と言おう。
 高価な贈り物でも「つまらないものですが」と言おう。

 となると、観光客が集まる京都各地に「日本人でよかった」というポスターを貼るのは、右だ左だの議論を通り越して、日本の礼儀作法や言語文化に反すると思われる。
 伝統再生をうたう団体主導なら、違和感もひとしおだ。

 「日本人でよかった」は外国人が聞くと「あなたの国じゃなくてよかった」と言われるようなものだが、その国はたとえばどこだろう。
 中国?製紙や印刷などの発明を生み、私たちに文字をくれたあの中国?誇れる伝統は、どの国にもある。
 そういう私も、日本でよかったと思う。
 たとえば、日本は(一応)非戦国で職業に貴賎のない平等社会だと海外の友人に話す時。
 たとえ自己責任となじられても、弱者を助け、真実を伝えるために戦地にも赴く立派な市民がいるおかげで、同じ日本人の私まで敬意を示される時。
 国家権力に内心を(今のところは)裁かれない人権先進国であることを思う時。
 憲法がうたう個人の尊厳を実感する時

 そんな日本人の誇りを切り崩そうとする人々ほど、日本を誇れと言う。

『東京新聞』(2017年5月27日【本音のコラム】)

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