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♪ 「矢切の渡し」と
映画「たそがれの東京タワー」と
「憲法24条」
替え詞:T.T.0594(ひょうたん島研究会)
趣味というわけでもないのだが、たぶん2015年の戦争法反対闘争以降、替え歌をつくってきた。
今回の「安倍国葬騒ぎ」の中でも、「国葬」そのものをテーマにした替え歌を、4曲ほどつくった。
つくった順番にその4曲の替え歌を紹介すると、
①「わたし怒ってます」
②「葬儀委員長の私」
③「素っ頓狂・コクソウ」
④「国葬のあと」。
元歌の題名についてはクイズにするので考えてほしいが、それぞれの歌い手と発表年については、ヒントとして書いておく。
①敏いとうとハッピー&ブルー、1974年
②ちあきなおみ、1976年
③平山三紀、1970年
④吉田拓郎、1972年
ここで取り上げたいのは替え歌のほうではなく元歌、それも4曲全部ではなく1曲だけ、ちあきなおみの--というより細川たかしのほうが有名かもしれないが、「矢切の渡し」の歌詞のことである。
作詞は石本美由起、作曲は船村徹、演歌界の大御所コンビである。
一番だけ紹介すると--。
「つれて逃げてよ...」/「ついておいでよ...」/
夕ぐれの雨が降る 矢切の渡し/
親のこころに そむいてまでも/恋に生きたい 二人です
読んでもらえば分かるとおり、「駆け落ち」の歌である。
「親」が「父」なのか「母」なのかはこの歌詞では分からないが、「家父長制」の匂いがする。ぼく、この部分、日本国憲法違反だと思う。
第24条〈個人の尊厳と両性の平等〉
婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、・・・
ぼくはお茶の水駅から歩くけど、神保町シアターという映画館がある。基本的に、日本の古い映画を上映する映画館である。
その映画館がこの10月から11月にかけて「大映の女優たち」という特集を組み、その1本『たそがれの東京タワー』(1959年、監督:阿部毅)を、10月16日(日)に観た。
映画の内容を上映プログラムから引用すると--。
銀座の洋裁店のお針子の娘が、店の販売品のコートを着て東京タワーへ。そこで一人の男性と出会い・・・。
完成直後の東京タワーを背景に描く都会の恋物語。
丸の内ビル群、神宮外苑、銀座など当時の東京の風景が映し出される。
東京タワー建立に合わせた企画モノで、1時間3分の小品。「日本映画史に残る名作」ではないと思う。
タイトルバックに流れる主題歌?がフランク永井の『東京タワー』で、ただし実際には「電波塔」と歌ってるのもご愛敬か。
主人公の若い女性は親を早くに亡くし、「施設」には18歳までしかいられず、「施設」の紹介で洋裁店に住み込みで働き始めた。
彼女、お金もないので、着ているセーター?は穴が空いたまま。東京タワーに遊びになど行けないが・・・ふと周りを見ると、きれいな売り物のコートが・・・。悪いこととは知りながらそれを着て東京タワーの展望台に行ったら・・・。
そこで出会った青年は自動車整備士で、実は自動車工場の社長の息子。階級違いの恋の行方は?
この父親社長を演じるのが、たぶん見明凡太朗というオジサン俳優。
当然「家父長制の匂い」がするいけすかない親父--と思いきや、あに図らんや。この社長、憲法24条の趣旨を理解し「本人たちが望むなら・・・」と温かく見守るのであった。
ぼく、「日本国憲法万能論」みたいな立場は取らないけど、こういう戦後民主主義を体現したような映画を観ると、「帝国憲法に比べりゃ、日本国憲法は断然いい」とは思っている。
憲法24条と書いて思い出すのは、当然、ベアテ・シロタ・ゴードン。実はぼく、ベアテと直接話をしたことがある。
彼女が講演で千葉に来た時、主催者の人たちにくっついて、ベアテと一緒に喫茶店に行った。
そこで、「I'm a mathematical high school teacher」と自己紹介した。英語として正しいかどうかは知らんが、そこそこ意味は通じたと思う。(22/11/04早朝)
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