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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

2.9再雇用拒否2次裁判結審 原告陳述(1)

2015年02月14日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◎ 立たなかったという一点のみで1000万円不利益の不公正
原告 A

 1、起立出来なかった理由
 原告のAと申します。体育の教員として37年間、授業はもちろん学級担任、教務主任、学年主任そして部活動指導と精一杯頑張ってきました。2007年3月、都立B高校を定年退職し、再雇用を希望しましたが、その3年前の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったことで、不採用となりました
 私は国旗としての「日の丸」、国歌としての「君が代」を一概に否定するものではありません。しかし、「日の丸」に正対して起立し、「君が代」を斉唱する事を義務付け、従わない者は処分までして強制する都教委の姿勢に、私は同調することが出来ず、起立することが出来ませんでした。
 また、都教委が全ての都立学校に職員を派遣して、卒業式を監視するに至っては、まるで戦時中の学校に戻ったような感じすらしました。
 問題は、教職員に対する強制だけではありません。生徒の自主的活動にも影響が出ています。
 私が担任だった学年の卒業式においては、生徒たちがスライド上映を企画し、3カ月かけて完成させた力作も、上映するときに「日の丸」がスクリーンに隠れると言うだけの理由で、都教委の許可がおりませんでした。
 これが10.23通達後の卒業式です。誰のための卒業式なのでしょうか。

 2、不採用が許されないこと
 私は、2004年3月の卒業式において、「君が代」斉唱時に座ったままでいたため、戒告処分を受けました。その後再発防止研修も受けました。
 再発防止研修のとき講師の方が「『君が代』斉唱時に起立しない行為を3回繰り返すと懲戒免職になる可能性がある」と言いました。起立しなかっただけで懲戒免職になるとは、信じられない発言でしたが、それを聴いて大変不安な気持ちになりました。懲戒免職になれば30年以上勤めた実績がゼロになり、退職金も出ません。それでは退職後の生活は成り立ちませんので、立つしかありませんでした
 そして、再発防止研修後は退職までの3年間、周年行事を含め、7度の職務命令にすべて従い、起立しました。しかしながら、再雇用は不採用でした。再発防止研修を受けた事実や、再発防止研修後、7度の職務命令にすべて従った実績は考慮されなかったのです。
 この事から、「君が代」斉唱時に起立しなかったことが一度でもあると、その後、職務命令に全て従って起立しても、不採用になることが明らかになりました。
 業績評価や校長の推薦書も、無視されています。私は業績評価も推薦書の評価も共に総合Aの評価を受けています。校長は再雇用職員として十分勤まる人材として、私を推薦してくれました。しかし、それらも考慮されることはありませんでした。
 また、同じ戒告処分でありながら、「君が代」斉唱時の不起立以外の理由で戒告処分を受けた者との間に、公平性を欠いています。他の理由による戒告処分者は、ほぼ全員が採用されているのに対し、「君が代」を理由とする戒告処分者は、全員不採用になっています。
 「君が代」斉唱時に座っていたことは、戒告処分を受けた上に、さらに再雇用までも不採用にされなければならないほどの行為なのでしょうか。再雇用や非常勤の採否については、業績評価、推薦書、面接、などなどを総合的に判断して決めるのが、本来の姿であると思います。
 都教委はこれらの審査要件を全て無視して、立たなかったという一点のみで、不採用を決めました。この事は採用手続きにおける適正さ・公正さを著しく欠いており、許されることではないと思います。
 3、不採用による損害
 私は再雇用される事を期待していました。時間的ゆとりのある再雇用職員の利点や、長い教員生活の経験を生かし、教材研究のほか教育相談や進路相談などにも取り組む気持ちでいました。しかし、不採用となり、その希望は叶えられませんでした。その空虚感による精神的苦痛は非常に大きなものでした。
 また経済的にも大きな損害を受けています。再雇用されて5年間勤務すると、1,000万円以上の収入が得られたはずでした。たった一度「君が代」斉唱時に、立たなかっただけでそれが全て失われました。卒業式の進行に何ら影響を与えることもなく、静かに座っていただけの行為が、1,000万円という代償に見合うものなのでしょうか。
 再雇用や非常勤の制度は、年金受給開始年齢が65歳まで引き上げられることを受けて、年金受給までの間の生活を守るための制度です。都教委はこの制度の目的や必要性を無視し、公正とは思えない理由によって、私たちを不採用としました。都教委の姿勢は、再雇用や非常勤制度の趣旨に反するものであると共に、時代の要請にも逆行していると思います。
 私たち原告は、採用されなかったことにより、多大な精神的苦痛や経済的損害を受けています。都教委の再雇用、非常勤の選考方法は著しく公正さを欠いており、私たちは全く納得出来ません。裁判所におかれましては、これらの事実を深く検証し公正なる判断を下して頂けるものと期待しております。宜しくお願い致します。
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