先日気温が25℃を越える日があって、エアコンを入れたところ全く冷風が出てこないことに気がついて慌ててしまった。そこで車のボンネットを開けてエアコンガスの量をサイトグラス(下写真)で確認したところ白い泡だらけで、ひと目でガス不足と判った。
ガス漏れ(スローリーク)の大半の原因は冬場にエアコンを使わないことにある。エアコンガスにはコンプレッサーオイルが混入されていてガスと一緒に循環している。このオイルはパイプの接続部等に使われているOリングのシール剤の役割も兼ねていて、オイルが循環していないとシール効果が低下してスローリークを起こす。冬場もオートエアコンを付けっ放しにしておけばこの問題は解決するのだが、燃費は確実に落ちる。二週間に一度、5分くらいつけることで効果はある。私の場合はブータンに行っている間にオイルが落ちてリークしたものと思う。
ガスの補充をすれば解決するのは判ったがガソリンスタンドや修理工場に持って行くと5-6千円は取られるし、ガス漏れの原因を解決しないと入れても無駄だといって4-5万円のエアコンクリーニングをやりたがって煩いことこの上ない。そこでキットをヤフオクで購入して自分でガス注入をすることにした。購入したのはこれ(下写真)。フロンガスと追加オイルと注入ホースでしめて2150円
このコストの大半は注入ホースでフロンガス(HFC-134a)は390円、オイルは430円と安いものです。ホースはもちろん何回でも使用できる。スタンドで6000円もボッタクるガスが実は390円とはひどい話だ。
注入は実に簡単でボンネットを開けエアコン配管の低圧バルブ(L)にホースを繋いでシューと入れるだけです。
ここでの若干の注意点はホース内のガスパージ(繫いであるガスボンベを少し緩めてガスで空気を追い出す)と、絶対に高圧側に繋がないこと。注入量はサイトグラスで泡がチョロチョロになったらOKで、入れすぎは禁物ということぐらいです。あと、穴あけニードルは貫通した後戻さないとガスは出てきませんよ。
なお、多くのWEB記事ではエアコンガス補充には真空引きが必須で専門店しか出来ない、などと書いてあります。もちろん、ガスがスッカラカンで配管に水分を含んだ空気が入ってしまった場合には真空引きが必要ですが、普通はそこまで空になることは無く残留ガスが残っています。ガスが少しでも残っていれば大気圧に対して与圧になり、外部から空気が侵入する事はありません。まあ、普通は真空引きをしなくてガス補充をしても、問題ないと思います。
オイルは神経質に入れなくても問題は無いようですが、なんせ古い車なので念のため補充した。この車、平成10年型で古いのですが水平対向ターボ(250馬力)四駆のマニュアル・ミッションで、痛快な運動性能を持っているのに、女房殿は買い換えるならオAT・ノンターボだと強く主張しているので、とてもその気になれないで乗り続けている。
今回エアコンガスを補充したらキンキンに冷えた冷気が出てきたので、まだまだ現役でいけそうです。ああ、それと蛇足ですがガス交換のついでにエアコンフィルターも確認したほうが良いですよ。以前、5年ほどほっといたらゴミと埃にカビがびっしり取り付いて凄いことになっていました。フィルターが詰まると当然エアコンの効きは悪くなります。フィルターはAmazonで1600円位で売ってますので気軽に交換できます。
追記 :
オイル切れによるガスリークの詳細情報が書いてあったので下記に追加します。年間10gというリーク量は、オイル切れが無いという前提での数値だと思います。エアコン不使用でオイルが切れるとリーク量はもっと増えます。
以下転載
エアコン用コンプレッサには、エンジンの駆動力を伝えるための回転軸があります。この軸には、通常、リップシールという回転シール機構が使われています。ここからの漏れ量が約6g/年程度、またいくつかの継手から漏れ量をあわせると、年間平均約10g程度漏れます。