徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

英語力について

2010年10月30日 | 海外ボランティア
JICAの海外ボランティアに参加するには英語の試験がある。今回の22年秋募集からはそれがTOEICに統一された。私自身は数年前、業務上の関係でTOEICを受験していたので、その結果を提出することで試験が免除されていて、仮に一次にパスした場合でも英語試験は無いので気が楽である。

私は理系のせいもあり、はっきり言って英語が苦手である。しかし、外国で拙い英語でコミニュケーションをとる事は大好きで、どちらかと言うと日本人と会話するより饒舌になる面がある。これには私のある貴重な教育経験が関係している。
今から25年以上も前の事であるが、企業教育の一環として3日間の英語特訓コースに参加を命じられた。普通なら3日ほど英語を詰め込んでもどうにもならない。如何せん、中学、高校、大学と10年にもわたる英語教育でどうにも為らなかった会話能力が3日でどうにも為るわけがない、と....、 ところが、である。3日間で私は華麗な変身をとげてしまった。
この教育コースの内容はかなりユニークで、最初に、部下に無理な残業の指示を英語で出すという事を自分で演じビデオ撮影し、其れをレビューすることから始まる。これから始まり3日間、徹底的に追及されるテーマは”コンテクスト;文脈”或いは"バーバル、ノンバーバル"という言葉によるコミニュケーションに関する文化的背景、特に日本人の特殊性に関するものであった。
その主旨を要約すると、日本人は相手が”YES"と言った場合でも、その背景にあるコンテクストを探ろうとする。たとえば相手があくびをしながら言ったか、足をデスクの上に乗っけたまま言ったかで、これはモシカシタラ”YES"と言っているが実はそうではないのでは無いか? などと考える傾向が有る。しかし、アメリカ人、ドイツ人、中国人etc.etc.に於いてはそれは関係なく”YES"は”YES"なのである。なぜ、日本人がコンテクストを重要視してノンバーバル・コミニュケーションを行うかだが、これには島国という閉鎖的な環境が影響している。例えば、米国のように人種のるつぼのような場所では、それぞれの民族の文脈の意味するところがさまざまでそれに立脚したコミニュケーションなど取りようが無い。日本は長い間、島国で単一民族として文化を育ててきており暗黙のルールを共有することが出来る故にコンテクストが成り立つ。しかしこの様な例は極めて珍しく、世界の普遍的なあり方とはかけ離れていることを理解すべきであろう。
私はこの講義を受けるまで英会話がほとんど出来なかった。なぜなら外国人の振る舞いに含まれているコンテクストを読めない状況でニヤニヤ笑ってこちらに敵意が無いことをわからせる以上に踏み込む事が出来なかった。ところがである、この教育コースで日本人を除く世界の大多数の人間は、コンテクストは無視して言葉・バーバルなコミニュケーションに100%依存している、と言うことに目覚めたわけである。しゃべらなければ意思は通じない、これがエッセンスである。
以降、私はこれを肝に銘じ、恥も外聞もなく英語でしゃべり捲くり、今でもとても上品で知的な英語とは言えないがそれを続けている。ついでに言うと、コンテクストを無視するという事は実に気が軽くなる、いらぬ気を使う必要が無いからしゃべった言葉だけを信じて相対することが出来るわけで日本語より饒舌になる理由はここらに有るのであろう。

本多勝一 極限の民族について

2010年10月23日 | 海外ボランティア
私がなぜ海外ボランティアをやろうと思ったのか、と言うことであるが、これには長い長い背景がある。確か高校生の頃だと思うが朝日新聞の本多勝一が北極エスキモー、ニューギニア高地人、アラビア・ベドゥインの集落に半年ほど入り込んでその文化、生活を伝える、というルポルタージュがあった。あの当時はまだベトナムでどんぱちやっていたし、若者は書を捨てて町に出ていた時代だ。ヒッピー文化、世界放浪、繋がった世界、今時の若者が観光旅行で気軽に海外に出かけるのとは違い、自分の人生を探しに旅に出る、そんな雰囲気があった。そんな時代背景のなか、多感な高校生の私は本多勝一にめぐり合った。これは一種の突撃ルポで彼とカメラマンはエスキモーのイグルー(氷の家)にもぐり込み、生肉を食べ、エスキモーと同じ生活をする。白夜の夏と暗黒の冬、日本とは異質の世界だ。ところがエスキモーとは不思議に心が通じ友情が育まれてくる。(最後にお別れの記念に5円玉を渡したら、金と勘違いしたエスキモーの親父がそうではないと判ってかんかんに怒るくだりはあるが。)つぎのニューギニアでも、高地人が口で噛んで柔らかくした竹の子を食べろと言われ、仕方無しに貰って飲み込んだり、の苦労はあったが心はエスキモー以上に通じ合った。しかし、砂漠の民、ベドゥインとは最初から最後まで喧嘩、価値観が全く違うのである。そこで本多は言う、砂漠の論理はイスラムの論理であり同時にキリスト教の論理でも有る。この論理が世界のスタンダードであり、むしろ日本人あるいはニューギニア高地人が異質なのだ、と。この3部作は極限の民族として今でもアマゾンで手に入る。これにぐぐっと引かれた私は大学で山岳部の戸をたたき、ネパールにトレッキングに行き、最後はエクスペディションで登頂するという経緯を辿ることになった。その後、結婚して仕事や子育てなどの世事に追われ、この世界から遠ざかっていたが色々あって会社を早期退職し、暇な頭によみがえったのが海外への思いであった、と言うわけである。

健康診断結果について

2010年10月23日 | 海外ボランティア
JICAに送った健康診断結果で、私のLDLコレステロール値が144で139以下という基準値を超えていたことを書いたが、日本脂質栄養学会というレッキとしたオーソリティーが下記のような声明を最近出していることを見つけた。LDLコレステロールは悪玉とされていたが、なんと多いほうが寿命が長いらしい。私にとっては結構なことだが、医者の言うこともあてにならない物だ。ウエスト93cmも長生き出来ると言ってくれないかな。
日本脂質栄養学会
コレステロール ガイドライン策定委員会 (2010年度版)
序文
高脂血症のガイドラインはすでに動脈硬化学会などから出ており、例えば
コレステロールを例に取れば、いわゆる悪玉といわれるLDL-コレステロー
ルを140mg/dL 以下にすることが目標としてかかげられている(総コレステ
ロールなら220mg/dL 以下)。しかし、これまでのガイドラインにはいくつ
もの大きな問題点があったため、ガイドラインとして成立していない。一般
の人達のみならず医療関係者も、総コレステロール値が高いと総死亡率がど
うなるかをきっと知りたいと思うはずだ。しかし、これまでのガイドライン
には、その総死亡率のデータが全く表示されていなかった。もしも想像とは
逆に、コレステロールが高い人達の総死亡率が低いのであれば、今まで常識
だったコレステロール害悪説を考え直す必要が出てくる。
我々のガイドラインでエビデンスを示したように、総コレステロール値あ
るいはLDL-コレステロール値が高いと、日本では何と総死亡率が低下する。
つまり、総コレステロール値は高い方が長生きなのである。このことは専門
家の間では10 年以上前から分かっていた。なぜこのような単純で重要なこ
とが一般には知らされていなかったのだろうか。

海水魚と十円玉と鉄くぎ

2010年10月22日 | 海水魚・水草
海水魚飼育の基本課題は餌のタンパク質から生成される硝酸および燐酸の処理、その前段階のアンモニア処理、病気対策の四つである。アンモニア対策は良く知られている通りバイオ・リアクター(濾過器ともいう)によるアンモニアー>亜硝酸ー>硝酸反応で解決する。海水の場合これが安定稼動するには半年はかかる。しかしこの硝酸が蓄積するとpHが下がるし敏感な魚や無脊椎は飼えない。よってこれを除去する必要がある。従来の硝酸除去はひたすらの水換えであった。しかしここに来て嫌気性細菌による硝酸還元で窒素(N2)にして大気中に放出する方法が実用化されてきた。というとかなり大げさだが実際は穴のあいたタッパーにスポンジを入れ、中央に外部海水と直接触れないよう(嫌気性)にしたところに生分解性バイオ・プラスチックを詰めるだけでOKである。バイオ・プラスチックはバクテリアの餌となり硝酸をせっせとN2還元し硝酸濃度を下げてくれる。
一方、燐酸の処理もある。これも悩みの種だが思わぬ方法でしかも低コストで処理できる。鉄釘だ。こうなると眉唾ものと思われるかも知れないが水溶性の2価鉄が燐酸に反応すると燐酸鉄となる。燐酸鉄は水に不溶性。つまり鉄釘ー>2価鉄溶出(微量)->燐酸反応ー>燐酸鉄が起こる。不溶性の燐酸は濾過槽に蓄積するので半年に一回ほどドレイン除去する。
さて、次なる問題は病気の発生だ。実は私の水槽は長年病気が発生したことが無かった。ところがイソギンチャクだとかサンゴとか貝、えび等々の無脊椎動物を入れると数日で悶絶、死亡してしまう。長年その原因が判らなくて悩んでいたが、ある時ふと配管に真鍮部品を使っていることに気がついた。ははあ、これだなと思い部品をSUSに交換し銅吸着を行ったところ無脊椎の死亡は無くなった。ところが、である。その真鍮部品を取り去ったあとしばらくして白点病の大発生に襲われてしまった。無脊椎動物である白点原虫も銅イオンがなくなったせいで元気になってしまったようだ。いかんせん私の魚たちは長年白点病にかかったことが無く免疫耐性が無いため、ばたばたと死亡し水槽崩壊に至ってしまった。しかし、この経験からほんの微量の銅イオンが白点病予防になることがわかった。以来、水槽を再立ち上げし無脊椎は諦め十円玉を5枚ほど水槽に投げ込んで飼育を続けているが白点病は一切再発していない。以上、私のずぼら水槽は鉄釘と十円玉とバイオ・プラスチックで維持しているわけだ。
下の写真は記事とは全く関係ありません。ただのビーバー赤ちゃんです。

JICA シニア・海外・ボランティア秋募集応募

2010年10月21日 | 海外ボランティア
本日、応募書類をJICAに提出した。提出書類は応募調書、応募書類2件、語学調書、健康診断書の5通。応募調書は住所、経歴、家族構成等のデータを記入したもの。応募書類は応募の動機、抱負、要請に対する自分の技術適合性などをA4二枚に文章で書いたもの。語学調書はJICAの4段階分類の英語能力レベルとその根拠となるTOEIC等のエビデンス書類。問題は健康診断書でJICA指定の書類に応募期間内に検診を受けて医師に記入してもらったものを提出する必要がある。

自慢では無いが長年の飲酒癖で肝機能インデックス、特にγーGTPの値はこの20年間正常値に入ったことが無く、常に120あたりを、うろうろしていた。ちなみにJICA規定の正常範囲は100以下である。この応募に際しては少なくとも一次選考は必ず通ってやろうと心に決めているので検診の一ヶ月前から完全な断酒と積極的な飲水および肝臓サプリの摂取を開始した。飲水は以前、台湾に赴任していた際にどういうわけか尿酸値が10.0を超えて危険ゾーンに入った事があるのでそれを下げるためであった。肝臓サプリはWEBで調べた結果、マリアアザミ・エキスというのが利くという情報があり其れを含んだDHCの乾杯パワーという、何ともふざけた名前のサプリメントを購入して飲み続けた。ちなみにマリアアザミは古くから肝臓細胞の賦活、再生に効果があると認められておりドイツでは現在、薬剤認定されている。また体力トレーニングは5Kgのダンベル運動と近所の400mほどの山への登りをほぼ毎日続けた。 さてその効果の程であるが健康診断の結果が昨日届いたところγーGTPが57、尿酸値4.7、Hb-A1cに至っては4.1と下限値(4.3-5.4)を割ってしまった。ただしBMI(肥満度)が惜しいことに25.1で正常限界の25を若干超えてしまっているのと、腰周りが93.2cmと完全にメタボ体型である。あとLDL悪玉コレステロールが139以下に対して144であった。その他の肝機能、糖尿病、血圧、貧血、脂質等に関するインデックスは完全に近い結果でザマーミロという気分だ。さてさて、12月9日の結果発表を待つことにしよう。

水辺における人類の発生

2010年10月14日 | 進化
人類に最も近縁な動物はチンパンジー(ボノボ)と言われており、DNAレベルで98%以上一致しているらしい。そのチンパンジーと人とを並べて見たとき外見上大きな違いがあるのが判る。人は直立しているが、チンプは背中が丸い。しかしそれ以上に違う部分が有る。チンパンジーは毛むくじゃらで、人はつるっとしてる。(チンプなみの奴もいるという突っ込みはなし) そう、人には哺乳類特有の毛皮が無いのである。これは人類発生史上の謎であり、従来の学説では説明がつかない。サバンナ説が現在最も有力な人類発生説とされているが、森から隔離された類人猿が乾燥・灼熱のサバンナで毛皮を脱いだ、などと言うことはマトモナ頭が付いていれば到底言えないだろう。毛皮は有効な断熱材であり、サバンナで毛皮のない哺乳類など存在しない。また人類は発汗による体温調整メカニズムを採用しており、乾燥サバンナではすぐに干上がってしまう。
人類は水辺で発生したという説がある。(W水生類人猿説) 人類には毛が無いが皮下脂肪がある。(しばしば、有りすぎる。) かたや、チンパンジーには、ほとんど皮下脂肪は無い。毛がなくて皮下脂肪で体温保持をするのは水棲哺乳類の場合である。人類水棲説を支持する理由を挙げると、チンプは全く泳げない、水を怖がる、人はよく泳ぐ、生まれたばかりの赤ん坊は全員良く泳ぐ。人は息を止めて潜ることが出来る、チンプは心臓を停止できないと同様に呼吸を停止できない。人には水かきがある、貴方の親指と人差し指の間にあるのがそれだ。水泳平泳ぎの北島は練習を続けると、水かきがかなり大きくなるらしい。あなたの鼻の下にすじがあるだろう。これは潜水中捲くりあげて鼻を塞ぐためのものです。以前、TVでインドネシアの水上生活民族のドキュメンタリーを放映していたが、彼らは潜水の際、見事に上唇のすじを鼻に当てていた。その他、対面sexは水生動物だけだ、とか頭髪は泳ぐ際に直射日光から保護する為だとか水棲説の傍証は多くある。
数年前、愛知万博が開催され目玉展示として、世界最古(700万年前)の人類化石トゥーマイが展示された。この化石が発見されたのはチャド湖の近くで、一緒に見つかった動物化石から当時の生息環境は水の多い現在のオカバンゴ・デルタの様な環境であったことが確認されている。これは人類学上、衝撃的な発見でサバンナ説の見直しが迫られている。
水辺に住むサルのメリットは、ライオンなどの肉食獣に襲われた場合、水中に逃げ込むことで逃れる事が出来る。また水辺には貝などの食料が豊富に有る。そして深みに進もうとすると自然に二足歩行になる。
もう一つ、重要な点がある。人類が文明を持つことが出来た大きな理由に言語がある。アメリカの言語学者の夫婦が、チンパンジーの赤ん坊を人間と同じように育てて言葉を教えようとしたことがある。しかし、チンパンジーは最後まで言語をしゃべることは無かった。ところが、このチンプは手話を覚えて、手話による高度なコミニュケーションをとることが出来た。つまり、言語概念を習得する能力はあったが発声が出来なかった、と言うことになる。 なぜか? 答えは呼吸制御にある。上でも書いたとおり、チンプは息を止めることが出来ない。人は自由に息が止められる、だから、しゃべることが出来る。
人類は水辺で二足歩行を可能にし、毛皮を脱ぎ捨て、しゃべる能力を得た。 私はそう信ずる。
補足
人間は水中出産が可能で,生まれたての赤ん坊も水から取り出すまで産声(肺呼吸開始)をあげないらしい。 以下、水中出産したお母さんの感想 
"私は1人目は病院で出産したのですが、水中出産を経験してしまったらもう他の方法では生みたくない、というくらい本当によかったです。 "

ミトコンドリアと真核生物

2010年10月13日 | 生命
引き続き生命進化の話である。先に述べた生命発生は普遍的な話で、水と紫外線と熱水噴出があれば地球以外の惑星でも容易に起こりそうな現象である。特に温度に着目すると4℃以上の海水と300℃以下の熱水が硫化鉄の泡を介して触れ合えばよいので、20℃前後の生ぬるい環境が必要という訳ではなく、生命の発生条件は拡大する。
さて、問題はその後である。真菌たる原核生物はATPを生成するプロトンポンプをその細胞膜上に持っており、その細胞膜に穴が開くと電位差の維持が出来なくなり即死する。よって、それを細胞壁で頑丈に守る必要がある。また幾何学の基礎では、球の表面積は直径の二乗に比例し、体積は三乗に比例する。細胞膜上にプロトンポンプを持つ原核生物はその幾何学上の制限により大きくなれないのである。直径が大きくなると体積に相対して表面積が少なくなり細胞を維持するエネルギー生成が出来なくなるのである。また頑丈な細胞壁は捕食を不可能にする。原核生物の生存戦略は、大きくなって敵を捕食する弱肉強食原理ではなく、小さいまま早く増殖しリソースを奪う事である。早く増殖するには単純なDNAである必要があり、生命の複雑化という道筋は辿れない。原核生物は進化の袋小路で行き止まるのである。
リン・マーギュリスは1967年6月に有名な細胞内共生説を発表した。我々の細胞内の組織であるミトコンドリアや植物の葉緑体は、元来は別の生命であったのが捕食の際に取り込まれ共生を始め、今に至っているという説である。現にミトコンドリアは細胞核とは別の独自のDNAを持っており母系遺伝をすることは良く知られている。
ミトコンドリアは数ミクロンの大きさで、ひだひだの二重壁を持ち、非常に効率的にATPを生成する組織であり、これは元々独立した原核生物であった。我々の細胞内にはこのミトコンドリアが細胞あたり100-数千個存在しており、全部で体重の約10%を占める。原核生物と真核生物の違いは字義からくる核の違いより、このミトコンドリアによる差が大きい。
ミトコンドリアを持つ真核生物はそのエネルギー代謝を細胞膜ではなくミトコンドリアが受け持つことで幾何学的2/3乗則の呪縛から解き放たれ、硬い細胞壁も不要とした。ここに細胞の巨大化、捕食及び多細胞化の道が開けたのだ。つまり弱肉強食の進化への道がミトコンドリアにより開始したのである。そしてこの共生というイベントが偶々起こったことで知的生命への可能性が開けたが、これは必然的な事象ではなく奇跡的な偶然と捕らえたほうが良い。恐らく地球外生命探査を続けると原核生物様の生命体はある確率で見つかるであろうが、真核生物タイプが見つかるかどうかは疑わしい、この件は地球外知的生命体探査(SETI)問題であるフェルミ・パラドックスの結論とも関わる問題である。

生命の発生

2010年10月13日 | 生命
原初問題への疑問が私の知的興味の主なものである。宇宙の始まり、生命の始まり、人類の始まり、文明の始まり、日本人の始まり等々...
宇宙の始まりの次は生命の始まりの謎であろう。実は生命は比較的簡単に発生するのである。ところがそこから我々にいたる道筋で奇跡に近いような偶然が働いている。
生物の分類で最も基本的なものは界・ドメインである。全ての地球上の生物は、真菌界(原核生物)、真核生物界、古細菌界の3ドメインに分類される。古細菌(アーキア)は最近になって見つかったドメインで以前は真菌とごっちゃになっていた。
この3ドメインの生物に共通する機構がDNAとプロトンポンプによるATP代謝である。すべての生物はDNAを持つ。実は後に述べることになる”わがままな遺伝子(R.ドーキンス)”によると生物がDNAを持つのではなく、生命の本体はDNAでそれが生物の殻をまとっているという、とんでもない真実が語られている。そしてプロトンポンプ。ATP(アデノシン3燐酸)は生体内のエネルギー通貨であり呼吸、発酵により生成されATPがADP(アデノシン2燐酸)と燐分子に分解するとき生命活動に必要なエネルギーを放出する。このATPを生成するのがプロトンポンプであり、全生命に共通のメカニズムとなっている。プロトンポンプは膜に開いた穴に付随するタンパク質で、この穴をプロトン(水素イオン)が通過するとタンパク質の腕が回転し一回転で3個のATPを生成する。プロトンがこのプロトンポンプチャンネルを通過するのは膜の内外の電位差である。膜の外側が正電位で内側が負電位を持つ場合、正の電荷を持つ水素イオンは外から内に流れ込もうとし、プロトンポンプを回す。つまり生体エネルギーは膜(細胞膜)の内外の電位差によって生じるのである。
この電位差によるエネルギー生成は全生命に共通であり生命発生のヒントを与えている。最近生命の発生のステージとして深海底のブラックスモーカー:熱水噴出孔が注目されている。約40億年前の地球には、いたるところに熱水噴出孔があった。そして海水は太陽からの紫外線(オゾン層無し)で分解し軽い水素は宇宙へ拡散し海は酸化していった。一方マントルからの熱水は還元電位を維持しており海との間に電位差を生じる。また、噴出孔付近には硫化鉄の微小な泡が膜構造を形成する。ここにプロトンポンプの原型であるATPアーゼがくっつけばATPの生成が始まるのである。これらの事は”Power,SEX,Suicide:ミトコンドリアが進化を決めた、N.レーン”のひき写しである。詳しくはそちらを参照されたし、であるが原初生命がフルメタルジャケットであったとしたら驚きである。ちなみに、今でも熱水噴出孔のあたりでは白瓜貝や蟹、バクテリア等の生物が繁殖している。太陽光の全く射さない深海底で生命活動を維持できるのは未だに熱水の酸化・還元電位を利用しているからである。

宇宙の始まりと質量・エネルギー保存則

2010年10月13日 | 物理
我々は幸せな時代に生きている。宇宙の構造と成り立ちは人類が文明を持って以来の最大の謎である。その知見がこの直近30年の間に大幅に進んでおり、それ以前の人類の知らなかった宇宙に関する謎が解き明かされつつある。ソクラテスもニュートンも孔子も老子もカントもヘーゲルもこの答えを知らずに悶々として死んだのであるが、幸いにも私はこの件に関してある納得をすることが出来ている。過去7000年の間に生きた全人類の、誰もが知りたいと思いながら知らずに死んでいった真実を、今の時代に生きる我々は知ることが出来る。これは幸せなことである。
宇宙の原初に関して私の基本的な疑問はビッグバンによって無から宇宙が生まれたとしたら質量・エネルギー保存則はどうなるんじゃい!という点であった。無から有が生まれるとしたら保存則は否定される。ちなみに質量とエネルギーは例のE=MC2で変換可能であるので、ここでは同一のものとして問題は無い。
宇宙の始まりをざっとおさらいすると、プランク距離の範囲で沸き立っている粒子対が微小確率でトンネル現象を起こしプランク距離を逸脱しその相転移による過冷却エネルギーの解放でインフレーションが起こり、その後膨張を続けている、というものである。
Wikiを見ても上記の様な説明で終わっているし、最近のニュートン(雑誌)の宇宙特集でもそんなものであった。しかしこれでは納得できない。無から有の宇宙が飛び出してきたのか?保存則は否定されるのか? プランク距離内における粒子対の発生は納得できる。なぜなら対はプランク時間内に再結合してトータル・ゼロに戻るからだ。
インターネットもこの30年間における革命的な発明である。私は上記の疑問に関する答えをインターネットで知ることが出来た。負の値を持つ重力エネルギーがその答えである。
重力エネルギーが負の値を持つことは球殻内での重力ポテンシャルの思考実験で説明できる。球殻内では何処でも無重力であるが球殻自体は収縮しようとする。これは無重力に向かってポテンシャルを減少させゼロに収束する事を示す。つまり最もくっついた状態が最大のエネルギー状態=0でそれ以外は負のポテンシャルエネルギーを持つことになる。
ここまで書けば、答えはお解かりであろう。トンネルを起こした原初の粒子対はプランク長を超えて飛び離れる際に負の重力エネルギーを持つことになり保存則を保持するために正の質量・エネルギーでこれを埋め合わせる事が必要になる。そこで新しい物質が生まれ爆発的に離散することで、より大きな負の重力と正の質量が連鎖的に増大する。これが宇宙の誕生である。
これは結局のところ宇宙の総エネルギー(質量)は、重力エネルギーとの差し引きで、今でもほぼゼロ(プランク質量)であるという事である。私も貴方も実は重力エネルギーの影のような存在なのである。保存則は満たされた、そしてこの事実が不毛な真実かどうかは、見解の分かれるところである。

ブログについて

2010年10月13日 | 日記
娘にブログを始めたことを教えたら、自分の考えていることや感じたことを書いて欲しいと言われた。親ばかでは無いが、わが娘は妙に感性が尖がった部分があり侮れない。ご指導を受けてそんな事を書き綴って見たい。
趣味の一つに読書があるが、だいたい週に5冊ほどハードカバーの本を図書館で借りてくる。それを読みきるかどうかはまちまちで、読んでしまうこともあれば、全く手を付けないこともある。読書は好きである、私が知らない新しい知識、アイデア、概念が吹き出てくるような本と出合った時には読後に深い満足感を感じる。
このブログに色々書いて見たくなった。宇宙の始まりと質量・エネルギー保存則、量子の謎、エンタグルメント、生命の発生、ミトコンドリアと真核生物、非ダーウィン進化論、わがままな遺伝子、鳥と恐竜の肺、裏返しの眼の構造と脳の左右逆転、ニューラルネットワーク、脳の構造と働き、脳の恋愛スイッチ、意識とは何か、脳とカオス、人体の体節構造、水辺における人類の発祥、ミトコンドリア・イブ、文明の発生と気候変動、鉄・病原体・銃、アンティキテラ、出雲と大和、卑弥呼と天照、邪馬台国と宇佐神宮、魏志倭人伝、問題と縄文、天皇家と伽耶王朝、渡来人・台湾漢民族との類似、ソーラーシステムは買いか?、自作井戸堀、CO2温暖化説の欺瞞、太陽黒点と気候・スベンスマルク説、フェルミ・パラドックス...
そう、知識は人生を豊かにするという単純なものでもない。例えば、わがままな遺伝子とフェルミ・パラドックスの指し示す概念は不毛な地平を示しており、知らない方がきっと安心して死ねる。追々その内容も含めて述べていくことにしよう。何れにせよ、私は知らないで死ぬより、知ることを欲す。

海水魚について

2010年10月12日 | 海水魚・水草
趣味で海水魚を飼っています。キャリアは20年以上、でもあまり、まめでは有りません。タンクは90cmで濾過はEHIME2260(密閉式ドラムカン)照明は70Wメタハラ、サンゴは無いので弱照明。飼育のコツはバイオプラスチック還元による硝酸除去と鉄釘による燐酸除去、これで月一の水換えでOK。

山岳会総会2010

2010年10月12日 | 旅行
宮崎県綾町で開催された、山岳会総会の写真をアップロードしてください。パスワードは開催日(月、日)です。

アップロード先 : http://blog.goo.ne.jp/pgpilotx/pch

追伸:三xxさん、携帯失礼しました。このページのURLをSMSメールを送るつもりでした。