徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

ジョージ・バーナード・ショウ

2011年01月30日 | 文明

唐突ですが、J・バーナード・ショウが面白い。


彼の有名な逸話にこんなのがある。

パーティである有名な女優に求婚され、「あなたの知性と私の美貌を兼ね備えた子供が生まれたらどんなに素晴らしいかしら」との言葉に対し、「あんたのお頭と俺の面の子供が生まれたらどうするね」と答えたという。

もっと面白いのがこれ、

ショーは菜食主義者であった。「私は現在85歳だが、これまでと同じように元気に仕事をしている。もうかなり長く生きたので、そろそろ死のうかと思っているのだが、なかなか死ねない。ビーフステーキを食べれば、ひと思いに死ねると思うのだが、私には動物の死体を食べるような趣味はない。私は自分が永遠に生きるのではないかと思うと、空恐ろしい気分になる。これが菜食主義の唯一の欠点である」と言った。

信仰に対するコメント

.「信仰を持つものが無神論者より幸せだという事実は、酔っ払いがしらふの人間より幸せなことに似ている」

その他、私が面白いと思った言葉

  • 「黙らせたからといって、意見を変えさせたわけではない」
  • 「銀行の預金通帳だよ」(「あなたが一番影響を受けた本は何ですか」という質問への回答)
  • 「青春は若いやつらにはもったいない。」
ジョン・ブル的ユーモアの極致とでも言いましょうか、なんとも辛辣な...

 


太陽黒点と気象

2011年01月28日 | 物理

霧島、新燃岳が噴火しています。宮崎在住の方は火山灰で大変だと思います。今後、噴火がこれ以上、拡大しないことを念じています。最近、火山の噴火や地震のニュースが多いと感じませんか?昨年のハイチ地震やアイスランド・エイヤフィヤトラヨークトル氷河での噴火。また今後ですが北朝鮮の白頭山で噴火の兆候があるという話も伝わってきます。

これらは偶然でしょうか? 東工大の丸山茂徳教授は太陽黒点と火山、地震活動が関係していると主張しています。太陽黒点は11年周期で増減を繰り返しており前回2000年のピークからちょうど11年目の今年にピークを迎えるはずなのに全くそうなっていません。黒点の発生が異常に少ないのです。 下記WEBサイトでNASAの黒点予測の推移が判りますが量、時期と共に後退しています。 http://wattsupwiththat.files.wordpress.com/2011/01/ssn_predict_nasa_1024.gif

太陽黒点は太陽の活動を示しており、黒点が多いほど活発となります。逆に現在のように黒点が少ないと太陽の活動は低下し、太陽の発する太陽風も勢いが弱まります。太陽風は地球を含む太陽系をバリヤのように守っていますが、これが弱まると深宇宙からの宇宙線が侵入しやすくなります。丸山教授によると、この宇宙線は大気中の過飽和水蒸気を刺激して雲を作ったり、地殻中のマグマの過飽和ガスを発泡させたりする。マグマがコーラだとすると宇宙線で泡立ち噴出する感じで噴火する。また大陸プレート界面でこれが起こると滑りやすくなり巨大地震が発生する、という事を主張しています。宇宙線と雲との関係についてはデンマークのスベンスマルクという学者が同様の主張をしており、地球寒冷化との関係を指摘しています。

いづれにせよ現在、黒点数の推移は数百年に一度くらいの異常を示しており、今後それが地球上の気象や地殻変動に影響を与える可能性を排除できないと思います。

 

 


脳と意識

2011年01月27日 | 生命

我々は外界を認識し、自意識を持って行動している。これらの全ては脳というスクリーンに投影された写像なのだが、普段はこの事実を忘れて見たものを現実だと思い行動している。

幻肢という症状がある。事故などで手足を失った人が、それが無いにもかかわらず痛んだり、痒みを感じたり、あるいはコーヒーカップを掴んだり出来る。他人が無理にその掴んだコーヒーカップを引っ張ると、引き剥がされるような痛みさえ感じる。これは当人にとっては厄介な問題で事故後何年たっても消えない。

この幻肢を消すことに成功した医者がいる。 V.S.ラマチャンドラン、インド系米国人で最近ニュートン(雑誌)のインタビュー記事でよく目にする。 彼の”Phantoms in the brein;脳の中の幽霊”という本の中でそれが述べられている。かれは簡単な箱と鏡でつくった器具を使い10年間消えなかった患者の幻肢の”切断”に成功した。

脳の中で何が起こっているかというと体の各部位、腕、足、手、唇等は脳の上にマッピングされている。事故で切断された腕や足が脳内マップに残ったままになっていて異常感覚を起こすのが幻肢である。これを消すには視覚によるフィードバックによりマップの再構成を行うことが有効でラマチャンドランはそれに気がついて成功した。

話は変わるが犬に意識はあるだろうか? 最近盲導犬クィールの訓練士である和多田さんの本を読んでいると ”犬には過去も未来も無く、今しかない” ので訓練の際には常にそれを意識しておく必要がある、と書いていた。 受動意識仮説というのがあって、”意識というのは自己の過去の経験を紐つけ(エピソード記憶)するために形成された”というもので、その意味では犬には意識は無いのだろう。なぜ意識が受動かという事に関して、リベットの実験というのがあり、人がある行動、例えばボタンを押そうとする場合、押そうと思うより前に指に準備電位が発生するという事実が実験により判っている。

この実験の結論は”人間の行動は無意識になされており,意識はそれを追認しているだけ。” と言う事になる。進化の観点から考えると犬やその他の哺乳類に意識がなくて人類にだけそれが有るとすると、後付で発生したと考えるのが自然である。 要は意識というのは過去の自己のエピソード記憶を形成するためのモニター機能であって、魂などとは全く関係ない代物だという説である。


病気はなぜ、あるのか

2011年01月21日 | 進化

風邪をひくと熱が出る。私たちはそれを抑えようとしてアスピリンを飲む。或いは、お腹をこわして下痢が始まったら正露丸でも飲んで下痢を止めようとする。 しかし、ちょっとまった!

なぜ風邪をひくと熱がでるのか?細菌やウイルスに感染して熱を出すのは人間だけではない。ウサギやネズミ、トカゲでさえ発熱する。もし通常より二度発熱したネズミを暑い部屋に置くと、自身の冷却メカニズムを使って二度高い状態を維持しようとする。マラリアに罹った梅毒患者の梅毒がマラリヤの高熱の為に治癒することをW.ヤウレッグは20世紀初頭に発見し1927年にノーベル医学賞を受賞した。また、風邪をひいてアスピリンを飲み体温を下げたグループは偽薬を飲んだグループより抗体反応が低く風邪が長引くというデータもある。下痢も同様で下痢を起こす赤痢菌を25名のボランティアに与えた実験で、下痢止めを処方したものは、そうでないものに比べ熱と中毒症状が二倍も長く続いた。

慢性の結核患者は鉄分が不足していることが知られている。しかし、これを補おうとして鉄剤を処方してはいけない。血中の鉄濃度が上昇すると結核菌はそれを取り込み感染は悪化する。痛風は血中尿酸濃度が上昇し関節で再結晶が起こり痛む。哺乳類中、人類だけがこんなに尿酸濃度が高い。じつは、尿酸塩は強力な酸化防止剤で体内の酸素ラジカルを中和する機能がある。これにより人間の長寿命と癌の発生率を抑えている可能性がある。

癌、恐ろしい病気である。しかし、生命の成り立ちを考えると、癌にならないことこそ不思議なのである。R.ドーキンスの”利己的な遺伝子”で紹介したとおり、遺伝子増殖が生命のメインテーマである。しかし体細胞は体機能を維持するために自制的に増殖を止める必要がある。これは一種の自己犠牲である。体の生殖細胞を除く、全ての細胞がこの自己犠牲を強いられている状態で、反乱が起こらない事が不思議なほどだ。 体細胞の反乱=癌である。

タイトルの"病気はなぜ、あるのか R.Mネシー、J.C.ウィリアムズ” にはこの手の話がびっしり書かれている。 ここでの主張は、病気(精神病を含む)はその症状、原因には必ず進化論的な背景があり、それを考えることで真の解決に至る、というものだ。その重要な考えの一つに、”遺伝的な要因のある病気の場合、それを起こす遺伝子はなぜ存在し続けているか?”という点がある。鎌状赤血球の話は有名で悪性貧血を起こす可能性のある遺伝子だがマラリヤの耐性を著しく向上する。この延長に統合失調症やアトピー遺伝子がある。この二つが存在しつつけるメリットが必ず有るはずだ。(まだ人類は知らないが...)

このように医学と進化生物学がクロスオーバーしたダーウィン医学が生まれ、従来の病気の見方を大きく変えようとしている。


茶葉効果

2011年01月18日 | 生活

1月12日放送のNHK、ためしてガッテンをご覧になりましたか? 静岡の掛川市が全国で癌死亡率が最低で長寿命、他のお茶の産地(静岡、鹿児島等)も同様に平均寿命が長いというデータを示してお茶の効果を強調していた。また二重盲検による検定でもお茶のコレステロール低下およびダイエット効果が確認されていました。

こういう番組を見ると自分で試して見たくなる性分なので早速、家にあったお茶を番組で紹介していた方法(すり鉢で粉砕)でお茶を粉ごと飲んでみました。

その結果、驚くような効果がありました。お茶を粉ごと飲んだ翌日からちょっと緑色の立派な雲古がどすんと... 量、硬さ、太さ、何れにおいても大変立派な雲古がお出ましになりました。おまけに、全然臭くない。以来、それが続いています。

プレバイオティクスが近年注目を集めていますが、お茶葉の効果は抜群です。 ただ淹れて飲むのでは無く、お茶葉を食べるのが利いていると思います。ぜひ、お試しあれ。

腸内細菌は健康、免疫系に非常に関係しています。私は台湾、中国、ネパール、インド、フィリピン、インドネシア、タイとアジア各国を旅していますが、お腹を壊した記憶はあまりありません(幸いにも、今の所かもしれませんが...)。ものの本(腸内革命)によると、ホルマリン耐性菌群というのが腸内にいて、これがコレラ、チフスなどの毒性細菌の繁殖を効果的に防ぐそうで現地でこのような消化器系疾患(下痢)を起こさない最も効果的な方法は、健康な現地人の雲古をホルマリン処理して飲むことだ、とこの本では主張しています。私は、現地の屋台などに入り込んでむしゃむしゃやるのが好きなので、腸内フローラがうまく形成されているのかもしれません。人間、清潔だけでは駄目ですね。


1万 ヒット

2011年01月15日 | 日記
ブログ開始から3ヶ月、アクセスが1万ヒットを超えました。 読者の皆さま、ありがとう御座います。 ヒット数は多い日で250前後、少ない日は60程度です。新しい内容を追加するとヒット数が増えます。 これは皆さんRSSでチェックしているという事なのでしょうか?

腰痛、肩こり、偏頭痛

2011年01月13日 | 生活

ギックリ腰は痛い。槍の一突き、といわれる激痛は下手に動いてまた痛みが来る恐怖で姿勢が変えられなくなる。布団の中で身動きせず、じっとしているしかない。しかし、同じ姿勢では手などが痺れてくるので動くとまたギャッという痛みが襲う。私の場合、数回なったことがあるが2-3日この状態が続いていた。

ギックリ腰以外にも肩こり、女性の偏頭痛、男性の群発性頭痛、等々の痛い症状がある。これらの症状の原因は血管の収縮だとか椎間板ヘルニアだとか色々と言われているが本当のところは医者も良くわかっていなかった。ただ、はっきりしているのは、これらの症状が現れるのは20-40代であり、50代以降の中高年にはこの症状が出無くなる事だ。普通に考えれば体機能が衰え血管も脆くなるであろう年代に、肩こりなどが増えても不思議では無いのに実際はそうなっていない。

米国の医師が下記の本を書き、米国の多くの腰痛持ちが、これを読んだだけで直ってしまったという話がある。

”サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療”

彼の主張は、”これらの痛みは心の不安や怒りを覆い隠すために大脳が作り出した”、というものだ。20-40代に多発するのは心的ストレスが尤も多い年代だからという事である。自分自身を振り返れば、確かに腰痛で動けなくなった時は仕事やプライベートで色々と心労があった時期と重なる。腰が痛くて動けないんだから仕事には行けない訳で、逆説的ではあるが体は休めるのである。ついでに言うと、ギックリ腰が治る時には何かストレスから開放された爽快感を感じる。

フロイトはヒステリー症状を潜在意識の発露だと看破したがギックリ腰、肩こり、偏頭痛等も、その類というわけである。これらの症状を治すのは、その裏にある怒りと不安に意識を向けることにある。それらに意識を向かなくするため、一生懸命痛みを作り出している脳はそれに気づかれると痛みを出すことを諦める。

これらでお悩みの方がいるなら、だまされたと思ってこの本を一読されることをお勧めします。

 

 


二つの洪水

2011年01月08日 | 文明

農耕は”肥沃な三日月地帯”から始まったとされる。これはエジプト・ナイル流域からメソポタミア・チグリス、ユーフラテス川の先、イラン高原までの地域である。小麦、大麦、エンドウ、レンズマメ等の栽培が約1万1千年前に、ここから始まった。 この農耕の開始に北米にあった氷河湖の崩壊が関係していると言われている。

最後の氷河期が1万5千年前に終わり、地球の気温は急激に上昇した。北米大陸を覆っていたローレンタイド氷床はこの気温上昇により溶け出し、五大湖の北西、現在のウィニペグ湖のあたりにアガシー湖という五大湖全てを合わせたより大きな氷河湖が出現した。最初はスペリオル湖との間を氷河堆積物(モレーン)で仕切られていたが融解が進むにつれ水位が上昇し、ついには土手が決壊しアガシー湖の冷たい淡水はスペリオル湖、セントローレンス川を経由して一気に大西洋に流れ込んだ。この多量の冷たい淡水は大西洋の表層を覆い温暖化しつつあった地球を、その後1000年間、再寒冷化することになった。この出来事をヤンガー・ドライアス・イベントと呼ぶ。

一旦温暖化が始まり、以前の狩猟採集生活から豊かなピスタチオやドングリに頼った定住採集生活に移っていた三日月地帯の人々は急激な旱魃に襲われた。そして、これをきっかけに植物(一粒小麦)の栽培を始めたらしい。その後、ヤンガー・ドライアス・イベントが終わり気温が再上昇し始めると共に農耕が各地に広まった。 人類文明の始まりである。

氷河期には陸地に氷床が発達し海水面が低下する。現在、黒海があるエリアは氷河期には地中海とは切り離され、海水面より150m下にエウクセイノス湖という淡水の湖を形成していた。この豊かな水のある平原に人々は定住し、農耕と放牧を行っていた。しかし気温上昇がもたらす氷床の融解とそれに伴う海水面の上昇はついにマルマラ海とエウクセイノス平原を仕切る障壁を超えた。今から7600年前の事だ。この事実がわかったのは20年ほど前で、黒海の深海コアに含まれる花粉や、淡水貝から海水貝への急激な変化からこれが判明した。

このエウクセイノス平原に住んでいた人々を襲った洪水は、一日に1.6kmの速さで進行し農地も住居も家畜も人々も飲み込んだ。 人類はこの記憶を留めている。 ノアの箱舟が流れ着いた伝説のあるアララト山は、黒海の南東に位置する。

参照図書; 古代文明と気候大変動 、B・フェイガン


神武東征

2011年01月06日 | 歴史

記紀に記述のある神武東征は実際にあったのであろうか。古事記、日本書紀というのは支配階級の歴史捏造だとして戦後の一時期全く無視された時期がある。しかし最近見直しが起こっている。たとえば梅原猛は著書”葬られた王朝”のなかでレヴィストロースの言を引いて、神話には包含する真実がある、と立場を変えている。もっともその内容に紀元2600年などという歴史事実にそぐわない部分もある事も事実だ。

しかしここに面白い研究がある。古事記というのは稗田阿礼の口伝を大安麻呂が撰録したものとされているが、文字のない民族には語り部が居て正確に民族の神話を語り継いでおり稗田阿礼もその一人だと思える。その場合、天照大御神に始まる皇室の継承は正確に伝わっているのではないか。一方、各代天皇の在位年は権力者の見栄で古くするための捏造が入り神武天皇が137歳まで生きたなどという事になっている。そこで歴史上存在が確認されている天皇の平均在位年を割り出し、それに古事記の継承在位をかけて天照の年代推定をしたのが下記のグラフである。結果は魏志倭人伝に記載のある卑弥呼が239年に朝貢した時期と、天照大御神の年代はぴったり一致する。

そうなると天照から6代後の神武は3世紀の終わりから4世紀にかけての人物ということになる。この時期に何が起こったかかというと、それ以前、九州を中心とする銅矛、銅剣の文化圏と近畿を中心とする銅鐸の文化圏に分かれていたのが銅矛、銅剣のキャリアが畿内に侵入し古墳時代へと突入したのである。この事実は神武東征の伝説と一致するといって良いのでは無かろうか。

ちなみに、皇室の三種の神器は玉、鏡および剣であり、決して銅鐸では無い。

出典:http://yamatai.cside.com/tousennsetu/himiko.htm


ピラミッドの謎

2011年01月04日 | 文明
古代文明の代表であるエジプトのピラミッドも謎だらけである。 吉村作治氏が言っていたが、エジプト学者は誰も、あれが王の墓とは思っていないとの事。 何のために作られたか、がそもそもの謎なのである。その吉村氏が監修しているオリオン・ミステリーという本がある。ピラミッド関連の書籍にはかなりのトンデモ本があるので注意が必要だが、これはまじめな本である。著者はR・ボーヴァル、E・ギルバート。

まず上の左図を見ていただきたいが、これはギザの3大ピラミッドの航空写真である。2点すぐに気がつく事がある。まず三つのピラミッドは直線上にレイアウトされて無く特に右上のピラミッドは若干上方にずれている。二点目は右上のピラミッドが下の二つのピラミッドより小さいことだ。このレイアウトに何か意味があるのでは無いかというのが本の主旨である。右の図は天空のオリオン星座の帯の三ッ星の写真である。如何であろうか? この本の著者はこの二つに相似関係を見出した。直線からずれた位置関係、大きさの類似。私もこの主張に深く同意する。
もう一つの事実が天の川とオリオンの位置関係と、ナイル川とギザの3ピラミッドの位置関係だ。(下図)これも類似している。
また、ピラミッドの内部にはシャフト(通風孔?)と呼ばれる20cm角の直線状の穴が3本穿たれている。これがそれぞれオリオン、シリウス、竜座アルファの方向に向いていた。向いていたという点に意味がある。地球は歳差運動といって回転している独楽がゆらゆらと首を振るのと同じ運動をしており、地軸は3万年周期で回転している。この歳差運動の影響で、上記の三つの星がシャフトから見えたのは紀元前2500年で再び見えるのはそれから半周期後の1万5千年後ということになる。つまりシャフトを含むピラミッド構造がある種のタイマーの役割を持っているとも言える。推測ではあるが古代エジプト人は星辰信仰に基きピラミッドを建造したのでは無いかというのがこの本の主張である。 あなたは、どう思いますか?


アンティキテラ

2011年01月04日 | 文明

 

1901年、ギリシャのアンティキテラ島の沖に沈んでいた沈船から引き上げられた青銅の塊(左写真)は長い間その目的が判らなかった。 発見から55年後イギリスの物理学者プライスはアテネでこれと対面し、始めてこれが精密な歯車による、ある種の計算機であることに気がついた。 しかし、この機械の真の目的が明らかになるまでには、また長い年月がかかった。 これが明らかになったのはつい最近、2005年に強力なマイクロフォーカスX線撮影により細部の撮影が可能になって以降のことである。

この機械は30以上(72個という説もある)の歯車を持ち月、太陽、火星、水星の位置を示すと共に月食、日食を予測、計算するアナログコンピュータであったのだ。製作されたのは紀元前一世紀。これと同様な機械は18世紀の時計の出現を待たなくてはならない。

古代人の天文学、暦に関する知識、興味には異常なものがある。最初は農耕を司る王の役割として、種まき、収穫の時期を決めるためのカレンダーから出発したのであろうが、その後の執着振りは度を越えている。マヤ文明に至っては小数点3桁の精度で暦を作っている。

現在我々の使っているグレゴリオ暦の精度は365.2425日/年で実際の公転周期365.2422に対して0.0003日、3300年に一日の誤差を持っているがマヤ暦は365.2420日/年で誤差0.0002日、5000年に1日の差である。 ちなみにグレゴリオ暦では変則的な閏日で誤差を調整するがマヤでは1年が260日の宗教年との連動で示す。

59宗教年 x 260日 = 42太陽年 x 365.242

http://www.geocities.jp/why260days/

文化、文明とは余剰生産が生み出す、とはよく言ったもので、このような精緻、精密な観測に基く天文研究を王権に庇護された神官たちは延々と続けたのだろう。この執着は何処から来るのだろうか?日本でも陰陽師がその役割を担っていたようだが、例えば日食を予測するという事は天変地異を予測する事に等しく、ひいては未来を予測する能力と見られていたのかも知れない。占星術というのは未来予測の願望の現われとすると精密な天文予測は精密な未来予測と同義だったのだろう。もし未来が予測できるとするなら、彼等の執着も理解できるような気もする。


謹賀新年

2011年01月01日 | 生命
     
明けまして、おめでとうございます
本年が皆様にとって良い年でありますよう、お祈り申し上げます。

地球は美しい星です。 まるで宇宙に浮かぶ青い宝石です。 そして我々人類を生み出した奇跡の星でもあります。 この宇宙には我々以外にも知的生命が存在するのでしょうか?それとも、我々はひとりぼっちなのでしょうか? これを推定するドレイクの方程式というのがあります。

N = {R}_{*} times {f}_{p} times {n}_{e} times {f}_{l} times {f}_{i} times {f}_{c} times L

ここで、

N :我々の銀河系に存在する通信可能な地球外文明の数
R* :我々の銀河系で恒星が形成される速さ
fp :惑星系を有する恒星の割合
ne :1 つの恒星系で生命の存在が可能となる範囲にある惑星の平均数
fl :上記の惑星で生命が実際に発生する割合
fi :発生した生命が知的生命体にまで進化する割合
fc :その知的生命体が星間通信を行う割合
L :星間通信を行うような文明の推定存続期間

1961年当時ドレイク等が使ったパラメータではN=10、つまりこの銀河系には10の知的文明がある可能性を推定していました。この推定に基きSETI(地球外知的生命探査)が大規模に開始されました。 しかしその後の天文学の成果から恒星の赤色矮星の占める比率の多さや、ガス惑星(木星や土星等)に比べ固体惑星が稀である事が判ってきてN数の推定値は大幅に小さくなりました。また長年のSETI活動からも何らの証拠は検出されていません。こうなると銀河系内での人類以外の知的生命体の存在はかなり疑わしくなります。

実空間で光速を超える事は出来ませんが時空は曲がることが実証されており曲がった時空同士をつなぐワームホールも一部の物理学者は真剣に検討しています。これから1000年後、一万年後を想像したとき人類がワームホールを経由して宇宙を自由に行き来している可能性はあると思います。そうなると人類は環境の整った固体惑星を探すでしょう。逆に考えると、もし過去に知的生命が存在したとすると地球を見逃すはずは無いと思いませんか。しかし地球上で過去に他の知的生命体が来訪した痕跡は見つかっていません。これをフェルミ・パラドックスと呼びます。 最近、2012年に巨大宇宙船が来訪するという報道はありますがガセネタでしょう。http://english.pravda.ru/science/mysteries/22-12-2010/116314-giant_spaceships-0/

以上の事を考え併せると、人類は宇宙で唯一の知的生命かもしれない、我々は、ひとりぼっちなのかもしれない... これは、私にとってかなショックな事柄です。小さい頃から鉄腕アトムに憧れ、SFを読んで大きくなった私としては宇宙人の居ない世界など想像したくもない事です。

しかし、この地球の我々だけが己を生み出した宇宙を理解できる唯一の存在だとしたらそこに深い意味を感じます。 人類がもし滅亡したらこの宇宙を理解できる存在がいなくなる、それは許されないと...