徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

新しいがん治療薬と、がんになりにくい体質

2014年11月26日 | 病気

小野薬品の株価が上がっている。がんの新薬を発売したのだ。http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78790300T21C14A0X11000/

この薬、従来の抗がん剤とは全く違う働きをする。元々人の身体には免疫機構があり異物を排除する働きが備わっている。しかし、癌はこの免疫の攻撃を受けずに成長・転移し全身を蝕む。なぜ、がんが免疫の対象にならないかと言うとPD-1という生体高分子が働く事で免疫T細胞の免疫機能を抑制するからだ。

このPD-1免疫抑制因子は2009年京大で発見された。 http://news.mynavi.jp/news/2013/09/19/026/

 

がん細胞はこのPD-1分子を使って免疫を逃れているわけだ。

小野薬品の新しい薬はこのPD-1に結合し機能させなくすることで、がんに対する免疫寛容を抑制しがんを本来からだが持っている免疫機能で消滅させることが出来る。 

このPD-1抑制の効果は歴然でがん患者の10年後生存率が3割から8割に改善している。

 

しかし、このPD-1抑制は良いことばかりではなく副作用もある。PD-1の研究は元々自己免疫症の研究から始まった。自己免疫症というのは自分の免疫機構が自分自身を攻撃する病気の総称でリューマチ、エリテマトーデスなどの膠原病や潰瘍性大腸炎などがその代表例だ。このような自己免疫症にかかりやすい人はPD-1分子が少ないため自己免疫寛容度が低く免疫が自分自身を攻撃する。小野薬品の新薬を飲むとこれと同じ状況になる。免疫はがんを攻撃すると同時に自分自身も攻撃するようになる。ただ、異物であるがんと自分自身では免疫対象となる度合いが違うので効果が勝ることになる。

逆に言うと、自己免疫症の人はがんに罹りにくいという事だ。PD-1分子が少ない自己免疫症体質の人は免疫が自分自身を攻撃しやすいと同時にがん細胞を免疫機構が早期に除去してくれるためがんに罹りにくい。

そこで、ふと自分自身の事を思い出した。私自身足のひざに乾癬が出来て15年以上になる。乾癬とは皮膚に現れる自己免疫症の一種で、なかなか治らない。ステロイド剤で症状は治まっているが根治はしないで困っている。困っているといっても別に命に別状があるわけでもなく単に見てくれが悪いだけだが... 

と言う事は、私は 自己免疫体質=がんに罹りにくい と言う事がいえそうだ。 禍福は糾える縄の如し、あるいは災い転じて福となす と、言う事かな 


湖南三山 長寿寺の紅葉

2014年11月24日 | 旅行

天気が良いので紅葉を見に、湖南の長寿寺に行ってきた。

紅葉は今が見頃で見事に色づいている。

この寺は紫香楽宮の鬼門を封じる為、和銅年間(708-715)に良弁が開山した古刹だ。普段は余り訪れる人も無いが、紅葉の時期は賑わっている。

 

   千早ぶる 神代もきかず 龍田川
             からくれなゐに 水くくるとは


 


安倍総理の解散・総選挙

2014年11月19日 | 政治

安倍首相が衆議院の解散を発表した。消費税10%先送りの信を問うのだそうだ。御自身の経済政策の失敗を選挙で誤魔化すつもりらしい。 

野党第一党の民主党があの体たらくなので、まあ自公が過半数割れする事は無い争点なき無風選挙だろうとタカを括っていた。ところが女房殿とこの件を話していてオヤッと思った。女房殿はこの選挙には必ず投票に行くらしい。いつもなら、こちらが引っ張っていかない限り投票なんて行かないくせにだ。

何故?と問うと、安倍はダメらしい。例の集団的自衛権の事をしっかり覚えていて、可愛い息子を戦場に送るような決定をした安倍を、首相にしておくわけにはいかないらしい。

安倍さんは女の執念深さを軽く考えているのではなかろうか。有権者の半数は女性で、そのかなりの部分は母親だ。母親達は息子を戦場に送ること、戦争で息子を失うことを本能的に恐れる。それが投票行動に繋がった時何かが起る、女は怖いよ。

ふと、そういうことを感じた。


桂林の旅

2014年11月02日 | 旅行

朝辞白帝彩雲間
千里江陵一日還
両岸猿声啼不住
軽舟已過万重山


中国の桂林に家内と行ってきました。 ハイライトは桂林から陽朔まで漓江下りの4時間半。川下り当日の早朝は小雨模様でしたが、その雨も上がり霞んだ岩峰の連なりが続く風景は、まさに水墨画の世界です。桂林と聞くとやや陳腐な感じもしますが、実際に訪れると本当に素晴らしい、ワアンダフル。

桂林を含む中国南方カルストはデボン紀・石炭紀この辺りが浅海(テーチス海)だった頃堆積した、サンゴや貝などの石灰質を、その後の隆起と雨による侵食が作り上げた奇観です。

川下りの船は実にインターナショナル。フランス人、ベルギー人、インド人、ウクライナ人と日本人及び中国人スタッフが乗っていました。

観光の外国人とは関係ない河の暮らしもあります。

桂林市内にも岩山がボコボコあり実に面白い地形です。

下船地の陽朔は小さな町ですが、なかなかおしゃれな雰囲気です。

鵜飼のおじいさん。本当は写真を撮ると5元請求されるのですが船室からこっそり撮ってゴメンなさい。

川エビを揚げてるオバサン。このエビ、塩を振って食べるとビールのつまみに最高、ただし油に注意、中国ですから下水油と言う事も有ります。

中国の犬はなかなか立派で堂々としている。吠えないし尻尾も振らない。ちょっと狼ぽい感じがする。ただ、広東人はこれを好んで喰らう らしい。

中国にはこんな奴もいる。のんびり笹の葉っぱを食べているように見えるが、良くよくこいつの目つきをご覧下さい。実に小ずるそうな細っこい眼をして一体何を考えていることやら

中国の民芸品の老人は哲学者である。

桂林名物の豆板醤と生姜飴。豆板醤は辛いが旨いので大量に買い込んだぞ。

今回は4泊5日で29800円という激安ツアーで桂林に行ってきたのですが、僕等以外の日本人観光客は一人も見かけなかった。80年代、90年代には桂林だけでなく世界中の観光地が日本人で溢れかえっていて、石を投げれば日本人に当たる状況だったのが嘘のようです。

日本語しか出来ない中国人ガイドは商売上がったりで、これからどうやって喰っていこうか思案する事しきり。この桂林ツアーも風前の灯で、今年はこれで打ち止め、来年以降はどうなるか判りません、との事だそうだ。日本人観光客が多かった頃には成田や関空から直行便が何本も飛んでいたのが、今では上海、広州、桂林と3回も乗り継いで行く必要があります。こんな値段で桂林に行けるのもこれが最期かも知れませんね。