徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

レガシィBP リモコンキー故障と復帰

2016年03月28日 | 

なんだか理由は判らないが突然レガシィのリモコン・キーが効かなくなった。

ロック・アンロックキーを押してもウンともスンとも言わない。電池切れかなとも思ったがスペアでも同じ状態なので二つとも同時に電池切れは無いだろうから却下。メカニカルキー穴に差し込むとロックは解除されるがロックが出来ない。内側から一度ロックしたあとはキーロックも出来るようになった。

しかし、これでは不便でしょうがない。仕方が無いから今度ディーラーに持ち込むかと思いながら一応キーバッテリーを交換してみようかと思い電池を外してみた。電池はCR1620だと確認した後元に戻したら... なんとリモコンキー機能が直ってしまった。

なんだか良くわからないがキーが発振状態にでもなってたのだろうか? それがバッテリーをいったん外すことでリセットされたかな。 まあ、何事も無く、めでたしめでたしでした。

 


福島原発4号機 爆発の謎

2016年03月14日 | 福島原発

あの大震災から5年経った。NHKで津波の映像とともに福島原発事故の特集をやっているのを見てふと当時のことを思い出した。福島4号機爆発の件だ。

4号機は震災当時稼動して無く、燃料は全て引き抜かれた空の状態だった。しかし、3月15日に爆発し火災を起こした。この爆発の原因に関しては未だに決着がついてない。

東電の見解は隣の3号機から水素が流入して爆発したというものだが3号機は前日の14日に既に爆発を起こしており建屋が吹き飛んでいる以上水素が充満するはずも無く、しかも空気より軽い水素が地下の連結管を通じて4号機に流れたなどという説明には到底納得がいかない。

原子力規制委員会の報告 https://www.nsr.go.jp/data/000048755.pdf でも東電の見解には真っ向から反論しており、委員会の見解は東大原研が出した保管プールの放射線による遊離水素による爆発説を支持している。

実はこの部分は僕自身も2011年3月26日時点で保管プールからの水素だと確信していた。

>世界中を仰天させた1,3,4号炉の水素爆発ですが、これは原子炉建屋で保管している使用済み核燃料プールから発生した水素が爆発したものです。(これはマスコミの意見とは違いがあります。)

http://blog.goo.ne.jp/pgpilotx/e/1f1d95439b501888157a84dd08c87e34 

しかし、東電は未だに頑なに保管プール説を否定しようと躍起になっている。 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/outline/2_9-j.html

なぜか? 私が思うに東電は責任問題に波及するのを恐れているのだろう。この事故は不可抗力だった、としたいのだ。

しかし、保管プールの問題であれば技術的に簡単に解決できたはずだ。建屋の天井に穴を空ければ済む話だ。現に5,6号機は4号機と同様に大量の保管燃料があったにもかかわらず事故直後に天井を開放し事なきを得ている。4号機はこれをしなかったから爆発した。明らかな対応ミスだ。

第一、この原発事故自体が全くの初歩的な原因で起こっている。地震後の40分間は原子炉は順調に冷却されていた。しかし、津波で非常用ディーゼル発電機が停止した直後から全てが狂ってしまった。このディーゼル停止が全ての原因だ。

こんな事はちょっと考えれば対策は出来たはずだ。原発裏手の津波のとどかない高台にD発電機を設置すれば済んだ話だ。そうしていれば全て順調に終わっていた。

海溝型地震は一定の周期で必ず発生する。これは予測可能な事象だ。そしてその対策は1億円もかからないD発電機の移設。この2点を怠った東電は明らかにミスを犯しており刑事・民事両面で厳しく裁かれる必要がある。

福島原発事故は天災ではなく、明らかな人災だ。


人工知能が囲碁で勝利

2016年03月13日 | AI

Google傘下の人工知能開発企業DeepMindが作りだした、人工知能を搭載した最強の囲碁ソフトAlphaGo(アルファ碁)と、世界最高レベルの韓国プロ棋士イ・セドルが対戦する「Google DeepMind Challenge Match」の第3戦が終わり、アルファ碁が勝利した。これで5戦中3勝となり、アルファ碁の勝ち越しが確定した。

http://www.mdn.co.jp/di/newstopics/44436/

このニュースは個人的に興味が有る。私自身90年代に人工知能に関わっていたからだ。当時液晶パネルの画質検査に人工知能を適用しようと試行錯誤していた。パネル不良には線や点欠陥などのソリッドな不良のほかにムラと呼ばれる薄ぼんやりとした不良がある。これはどのパネルにも厳密に言えば必ずあるのだがそれを全て不良にしていたのでは採算が取れない。人が不良と感じる限度にあわせて不良品を弾かなくては成らないのだ。これが結構難しい。人がどう感じるかなんてなかなか数値化は出来ない。そこで人工知能を使って検査員が不良としたパネルを学習させる事で検査員と同じ判定が出来るように機械に覚えさせようとしたわけだ。

当時適用した人工知能は多層ニューラルネットワークを逆誤差伝播(バック・プロパゲーション)で学習させるものだった。ところがこれが相当の曲者でなかなか最適解に行き着けない。七転八倒してなんとか良・不良とグレー判定という3段階に分類する事でなんとか実用化にこぎつけたものだ。

今回、碁のチャンピオンを破ったDeepMindはネットワークが単純多層ではなくグラフ構造になっていることと、なにより学習方法が逆誤差伝播ではなくスパース・コーディングという手法を適用している。

以下、Wiki参照

ディープラーニングは、ニューラルネットワークの多層化、特に3層以上のもの[4]に対し、1990年代に進められた脳、特に視覚野の研究[疑問点 ]や、「たった一つの学習理論(英語One Learning Theory)」、ブルーノ・オルスホーゼンによるスパース・コーディング理論を基にしたアルゴリズムが実装されたものを指す[5]

90年代は僕自身がこのテーマで苦しんでいた時期だが科学の先端ではこんなブレークスルーが起こっていたのだ。僕自身ニューラルネットワークの可能性には20代の頃から注目していて実用化は夢だったが、ここに来て囲碁チャンピオンに圧勝となると夢が現実のものとなったように感じる。

インターネットは我々の生活を劇的に変えたが、この人工知能はインターネット以上に世界を変えるぞ 若い人には言いたい 今、目の前のチャンスは人工知能にある!

 追記: 

この記事を書いたあと朝食を食べながらヒラメイタ!別に若い人だけじゃないぞ 僕自身もこれで一儲けしてやろうwww 為替取引(FX)への適用だ。入力データーはネットで1秒ごとに入ってくる。出力はFX売買だ。その間をディープラーニングで繋げば1億、2億稼ぐのはわけは無い どうせ時間は腐るほどある、 いっちょやったるべ


生物はなぜ誕生したのか 

2016年03月04日 | 生命

”生物はなぜ誕生したのか: 生命の起源と進化の最新科学 原題 A new history of life を読んだ。 2016年1月14日出版のアッチッチの新刊だ。著者はピーター・ウォード/ジョセフ・カーシュヴィンク。

面白い本には中々めぐり会えないが、これは近年まれに見る面白い本です。生命は35億年前のどこかで発生し、長い先カンブリア紀の後に爆発的な分化を起こして古生代、中生代、新生代と進化して我々人類を生み出した、という長い長い物語。その長い進化の物語の最新の知見と学説を織り込んだのがこの本です。

生命進化の最大の謎は、もちろん如何にして生命は発生したのか?ということです。これに関しては未だに結論は出ていない。ただ、生命が発生したと思われる35億年前の地球は、荒れ狂う嵐と太陽からの強烈な紫外線で、以前に考えられていたような穏やかな浅海での生命発生など考えられない状態であったことは明らかになっている。第一、この時期は地球は海に覆われていて大陸が無くぽつぽつと火山島が存在するような状況で海辺と言うものがほとんど無かった。

では何処で生命は発生したのか?現在主流の説は深海底の熱水噴出孔・ブラックスモーカーが生命の揺りかごではないかというものです。というのも、20世紀の終わり頃に発見されたブラックスモーカー周辺では太陽光が射さないにもかかわらず多様な生命が生活していて、その生命基盤を支えているのが硫化水素を還元してエネルギーを得ている古細菌だという事が発見されたからです。

ただし、生命の発生にはその素材となるヌクレオチドの集積とそれをカプセルに封じ込める脂質二重膜のカプセルが同時に必要だと思われる。じつはこの細胞の原型となるカプセルは簡単にできる。油を水面に垂らして激しくかき混ぜれば乳化して水を閉じ込めた小胞が大量に出来る。ただしこの為には水面での油の拡散が必要だ。ブラックスモーカー説ではこの部分が弱い。

ブラックスモーカー説とは別の説もある。成層圏での生命発生の可能性と火星で発生した生命が地球に飛来したと言う惑星パンスペルミア説だ。特に後者は著者であるウォードが提唱しているもので、とんでも無いがなかなか説得力がある。火星は地球の10分の一の質量しかなく重力が弱い。そして最近の火星探査で水の存在が確実視されている。弱い太陽紫外線と適度な水の存在の基で発生した生命が隕石衝突などで簡単に舞い上がり地球に飛来したという説だ。

生命が発生した後に酸素大気への転換と二度のスノーボールアース(全球凍結)というイベントが生命進化に深く関わっている。この酸素大気が生命の体制を決定する。著者はペルム紀末の大絶滅は酸素濃度低下と深海からの硫化水素流出ではないかと述べている。ペルム紀に30%近くあった酸素濃度が10%程度まで低下したのだ。主な原因はシベリア洪水溶岩の流出だ。酸素濃度10%とは今の地球では高度5000m程度に匹敵する。高度5000mで自由に行動できる動物は鳥くらいしかいない。ヒマラヤ鶴は5000mの峠を悠々と飛んで超える。

ペルム紀の後に来るのが恐竜の時代である中生代三畳紀だ。恐竜と鳥類はじつは同じ生物で恐竜は鳥と同じ呼吸方法を取っていたので酸素濃度が低下したペルム紀末を生き延びた。鳥の肺は我々と違い一方方向に空気を流す。これにより往復呼吸での呼気再吸入を無くし、かつ気流に対する血液対向流でガス交換効率を高めることに成功した。まあ、レシプロエンジンとジェットエンジンくらいの違いがある。その恐竜も白亜紀末に例のチチュクルブ隕石で絶滅し現在の哺乳類の時代・新生代が始まる。

あと、興味深い問題が地軸移動だ。磁気極が移動する事実は良く知られているが地球の自転軸そのものも移動するのだ。これは大陸質量による回転モーメントの移動による。回転体に質量を付加するとその付加質量を最大回転半径に持ってくるように回転軸が移動する。地球に大陸が出来ると単純な物理でその大陸を赤道に持ってくるのだ。現在の大陸分布も北半球と南半球で均等に分布し南極大陸が南極に正確に位置していることは偶然ではない。この自転軸移動が生命進化と関わっている。

まあ、ここでは書ききれないほどの興味深い内容が盛られた本だ。生命進化に興味ある方にはぜひ一読をお勧めする。