徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

最近買った優れもの

2015年07月31日 | 生活

暑い! 今年はエルニーニョで冷夏だといった予報士を吊るしてやりたい。救いは毎日のように夕立が来る事だな、おかげで草木は精々してる。暑いときにはビールに限る、という事で冷凍庫でジョッキをキンキンに冷やして飲むのも良いけど、今日はこれの紹介

ステンレス二重真空タンブラーですな。前から興味は有ったのですがこんなものに千円以上出すのは不合理だ、と思っていたらホームセンターで500円くらいで特売してたのでつい買ってしまった。

ところが、これが思わぬ優れものなのです。日暮れてくる頃水割りを飲むのが楽しみですがガラスのコップだと結露でテーブルやコースターがびしょびしょになるし、氷も直ぐに溶けてしまう。

しかし、このコップだと結露が全く無い!手に持っても冷たさは感じられないし氷が溶けない。飲んだ後ほっとくと、なんと氷は翌朝まで残っている。この蒸し暑い室内で一晩氷が溶けずに残ってるって、ちょっと信じられない光景でした。

そして、朝はコーヒーと決まってるがこれもまたこのコップに注ぐと手に持っても全然熱くない。完全に断熱してます。

どうしてこんなに断熱性が良いかというと、その構造と材質に理由があるんですね。

これはタイガー魔法瓶のHP http://www.tiger.jp/b2b/about_dannetsu.html から拝借してきた図ですがステンレス魔法瓶は二重成形でギャップを真空引きしていて熱の伝導、対流、輻射を抑えている。ここで材質のステンレスと内瓶に貼られた銅箔がミソ 金属の熱伝導率には結構大きな幅があります。

ステンレスは金属の中では抜群に熱伝導率が低いですね。ちなみにチタンもステンレスと同じくらいの熱伝導率です。それでもガラスに比べれば16倍も高いのですがステンレスは強度があり薄く成形できるので断面積を考慮すれば遜色は無いと思います。蛇足ですがダイヤモンドは通常物質の中では抜群の熱伝導率を示します。これがダイヤの専門家が触ってヒヤッと感じるのが本物だと見極める理由です。あと、ヨーロッパ人は銀の食器をありがたがるのですが銀はステンレスの20倍ほど良く熱を通すので気をつけないと唇を火傷しますよ、ホント。

対流伝導に関しては真空にしておけばゼロなのですがメーカーによっては二重成形しただけで真空引きをしてないものも有るようなので要注意です。そのような製品は氷を入れると露骨に結露するようです。

輻射伝導に関しては内側の銅箔に秘密があります。反射率に関してはドルーデの式というのがあり自由電子密度が高い、つまり電気導電性の良い物質ほどよく反射するという関係があります。銀や銅はその代表的物質なのです。特に貴金属系は低周波帯域の反射率が良いので赤外線を良く反射します。ところが大気中では銀や銅は酸化して黒変してしまいます。しかし、真空中の魔法瓶の中ではその心配はありません。ガラスの魔法瓶は銀皮膜を蒸着させますがステンレスでは銅箔を巻きつけるようです。それで時々振るとシャカシャカ音がする製品が有るようです。

ということで、このコップ朝な夕なに愛用してますよ。


ギリシャ問題を考える

2015年07月05日 | 経済

今日は7月5日、ギリシャの国民投票の日だ。実際の投票結果は日本時間で明日以降にならないとわからない。予想では賛成反対が半々で拮抗してるようだ。

EU債権団の提案を受け入れたとしても今までと同じ事が続くだけだし、否定すれば経済は崩壊する。ギリシャ国民にとって賛成反対どちらを選択したところで問題の解決にはならない。即死を選ぶか緩慢な死を選ぶかだけの違いに過ぎない。

なぜ、ギリシャがこのような事態に陥ったのか? 数字を見るとギリシャの国家予算の80%が賃金と年金で占められており、残り20%が本来国がなすべき事業の予算になっている。 http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0OZ0J220150619?rpc=223&pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

20%の部分に予算カットの余地はほとんど残ってない。ギリシャが債務を減らそうとするなら年金に手をつけるしかないのは明らかだ。では、ギリシャの年金生活者がドイツの納税者達が指摘するような優雅な生活を送っているかと言うと否で、実際カツカツの生活でこれ以上カットされれば生活が立ち行かなくなるのが現状だ。国民投票で反対をしているのはこの層だ。

問題の根本は何だろう、ギリシャ人の怠慢か? 

僕はそうは思わない。問題の根本は長寿命化にあると見る。第二次大戦以降とくに抗生剤の普及で人類の寿命は一気に30年から40年も延びた。戦前の日本人男性の平均寿命は50歳以下だったのが今や80歳を超えている。言うまでも無く生産に寄与しない老人の数が加速的に増えている。これを社会が支えきれるか?

脆弱なギリシャ経済は世界の先端事例として、高齢化により崩壊する社会を示している。 そして、日本は世界一の長寿国であり他人事ではない。

これに解決方法があるのか? 我々が今まで健全に保ってきた価値観の範疇で高齢化を支えるロジックは無いのでは無いかと暗澹たる気持ちになる。これから50年後、日本は南海地震で経済的に壊滅的なダメージを蒙る事は確実だ。そのとき高齢化の問題は大きく変質するのでは無かろうか。

そう、楢山節考の世界 不気味な予感がする。