不平等は暴力によって解消される、という記事を読んで考えさせられた。
「歴史上のどの時点においても、暴力が富の再配分を保証するのに必要だったということは、普遍的な事実です」と語るのはスタンフォード大学で人文学と古典・歴史の教授を務めるWalter Scheidel氏です。Scheidel氏は「The Great Leveler」の著者であり、本書の中で、石器時代から現在までの歴史の中で、多くの不平等が暴力によって解消されてきたという事実を明らかにしています。
http://gigazine.net/news/20170127-violence-inequality/
レーニンは暴力による革命こそが労働者を開放する方法だと説きロシア革命を導いたが、実は格差・不平等を是正する普遍的な唯一の方法が暴力だというのがここでの主張です。
つまり共産主義とか資本主義とかの枠を超えて、ヒトは石器時代からずっと不平等があれば暴力を行使してそれを是正してきたのであって、決してマルクス・レーニンがそれを発明した訳ではないということ。第二次世界大戦という究極の暴力で均された世界が70年たって格差・不平等がどうしようもないくらいに広がった現代。ルールに基づいた理性的なアプローチではこの解消は不可能だ、と歴史は示しているということ。これは極めてシンプルな真実であって、そのルールでの勝者を引きずり下ろすにはルールを変えるしかない、暴力によって...
そこで連想されるのがアメリカのトランプ新大統領のことです。就任早々、無茶な大統領令を連発して既存のレールを大きく逸脱しようとしている。何を馬鹿なことを、と思って見ていたのですが、実はこの暴力的なふるまいこそ格差是正の表れの一つでは無かろうかとふと思ったのです。
かって鉄鋼業や自動車産業で働いていた白人労働者たちは、その職場を追われ一部のセレブたちを横目で見ながら不満を募らせてきた。この不満を解消するには暴力しかない!それを体現しているのがトランプではないか。トランプは暴力的であるが故に存在価値があるということ。紳士的なオバマでは決して格差是正は出来ないだろう。
TPPの件にしても自由貿易の立場、と声高に言ったところでその恩恵を被るのは一部の金持ちだけであってプアホワイトには関係ない話。トランプが暴力的にふるまうことでガス抜きが出来ればある程度は収まるだろうが、そこで既存のエスタブリッシュメントが変わらなければ本当の流血のガラガラポンが始まる予感がする。
これはアメリカだけの話ではなく、今韓国で起こっていることも同根だし南北格差是正という意味での難民問題やヨーロッパでの極右の台頭なども同じ構図だろう。
さて、日本はどうなるかな、若い奴らはまるで去勢されたように見えるが暴力に打って出る元気が果たしてあるだろうか?
この本はとても面白い、
何が面白いって、こんなにも身近な植物に毒があるとは知らなかった事と、著者がいちいちそれを自分で舐めて気分が悪くなるのを試してることw
彼岸花やキンポウゲに毒があるって幼いころ母親に教わった記憶があるが本当に毒なんだな。あと良く道路脇に植えられている夾竹桃も猛毒で植えると土壌まで毒で汚染されるなんて知らなかった。世界最強の毒植物はタイ山岳部に生えているゲルセミウム・エレガンスだ。青酸カリの致死量が4.4mg、あのトリカブトのアコニチンで0.116mgに対してG・エレガンスの毒素であるゲルセミシンはなんと0.05mgで人を殺してしまう。
あと、アヘンやコカなどの麻薬系の話も面白い。アヘンは試したとは書いてないがコカの葉は噛んだ記述がある。この著者はトリカブトも舐めてみて、”腐った油を飲んだみたいに胸がむかつき、飲んでも飲んでも生唾がこみあげてくる。”なんて書いてるな。神農という神様はあらゆる草花を自分で噛んで試した漢方薬の神様だけど、こういう人がいるんだね。