徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

麹造り 二回目

2019年10月30日 | 趣味

麹造りの二回目です。今回は米にこだわってみました。前回は普段の食事用に買ってあったコシヒカリを使ったのですが蒸した後、麹菌を振りかける段階でコメの粘りで塊が出来てバラバラに捌けなくて苦労しました。長い間手でほぐしていると品温が下がってしまい調子が悪いので、ほどほどのところで菌を撒いたわけですがこの塊が最後まで残ってしまいました。

それでは麹造りに適したコメは、という事でいろいろ調べると基本的に食べて不味い古米が適してるとのこと(^ω^)/ バサバサしてる米は捌きが良いし、古米は適当に乾燥してクラックが入ってるので麹菌が内部まで菌糸を伸ばすようです。コシヒカリの新米なんてとんでもないという事ですね。粘りが少ない適合米としては日本晴、アキタコマチ、ササニシキなどです。酒米として有名なのが山田錦という米ですがこれは素人では手に入りません。コメの品種はなんとかヒカリとか、なんとかニシキという名前が系統を示しています。つまり、山田錦とササニシキは親類筋な訳で酒造適合米の筋です。逆に、なんとかヒカリは酒作りには向いていません。

それで、今回はアキタコマチを使ったのですがコシヒカリと違って蒸した後、簡単に米粒がバラバラになって非常に扱いやすい。麹菌のバラマキも前回茶漉しで失敗したので今回は百均で買ってきたステンレスの胡椒入れ?で振りかけたらこれも調子よくて上手く行きました。また、今回は品温を温度ロガーで記録しました。

麹菌の散布は45℃程度で行い32℃設定の恒温箱にセットしました。品温はその後35℃以上を維持して12時間経過後の切り返し後急激に昇温して43℃程度までなったので再度切り返して麹米の厚さを3cm程度に薄く広げ温度を下げました。その後も品温は少しづつ上昇して42℃を超えたので手入れをして一晩経過。朝に手入れをした後また温度が45℃近く急上昇したので再度冷却し約43時間で出麹としました。

下記の写真は39時間の時点で手入れをした時のものです。

菌糸が発達して雷オコシのように板状になっていました。香りも焼き栗の香りでしょうか、けっこう香りが出ていました。うまく麹が出来たようです。ただ、今回は前回使った恒温箱ではなく散々燻製を作って内部が燻製のヤニだらけの箱を使ったため結露したヤニ雫が麹に落ちてしまいました。これで甘酒(どぶxx)なんて作るとスモーキーフレーバーになりそう(^ω^)/

 

 

 

 


麹造り

2019年10月23日 | 趣味

麹造りを始めました。麹は蒸米に麹菌を振りかけて32℃/90%湿度の環境に48時間置くことで、コウジカビが蒸米に菌糸を張ってアミラーゼを産生します。培養のキモは温度管理で前半24時間は培養箱の温度設定を32℃にしておけば殆ど手間いらずなのですが24時間を過ぎると麹自体が発熱しほっとくと45℃を超えて自分で焼け死んでしまいます。こうならないように麹の温度を見ながら放熱して上限42℃になるよう管理します。

とにかく48時間は温度管理をきちんとしないといけないので作成チャートを作ってみました。

最初に朝7時からコメを研いで浸漬を開始します。いろんな本やWEB情報では浸漬時間を6時間以上とか、ひどいのは24時間とか書いてありますが、きちんとした研究データを見ると2時間以降は米の含水量はほとんど変わりません。まあ4時間もやれば十分だと思います。その後、二時間水切り。水切りは米の間にたまっている水を抜く作業であって乾燥工程ではない(乾燥は表面だけで内側のコメは乾燥しない)。で、コツとしては水切りしてるザルの下に当たるように布を敷くこと。こうすると布が米の吸着水をどんどん吸い出してくれます。

その後圧力鍋でコメを蒸します。うちの場合は圧力鍋に1kgのコメを入れて250ccの水で加熱します。強火で加熱すると沸騰後約3分で水が無くなり空焚き状態になるので火を止め余熱で蒸し上げます。こうすると底面付近のコメの水分も飛んで硬めだけど完全にアルファ化した蒸米になります。蒸しあげた米を手で触れるくらいまで冷やして麹菌を振りかけてよく混ぜます。この時茶漉しに入れて振りかけたのですがドサッとまとめて菌が落ちて失敗してしまいました。結局よくかき混ぜて拡散できたのですが次回からは振り方を変える必要がありそうです。

麹菌を撒いた麹米を保温箱に入れます。設定温度は32℃でヒーターの上に保湿のためお湯の入った鍋を置きました。

保温24時間が過ぎた頃より麹米の温度が上がってきて30時間過ぎには40℃を超えました。

その後ひと晩41℃くらいを維持して翌朝に出来上がり。

麹菌がくっついて板状になっていて、ほんのり麹の香りがします。最初にしては上出来かな。温調保温箱があれば比較的簡単にできますね(^ω^)/


どぶろく

2019年10月19日 | 趣味

最近面白い本に出合った、著者:永田十蔵氏は同郷の福岡の人で麹屋(今は廃業)のご長男。

日本には悪名高い酒税法なる法律があって、先進国で唯一自家製酒を禁じている。最近は若干法律の緩和がありアルコール1%未満の果実酒や、どぶろく製造特区なども認められつつあるが、いまだに法律上は勝手に酒を造る密造は100万円以下の罰金か10年以下の禁固刑となっている。これは日露戦争の時に戦費を確保するために飲兵衛から金を徴収することで始まった法律で、当時は国家税収の三分の一を占めていたが、今では全税収の1%以下の比率になっているので消費税10%と引き換えに自家製酒を解禁しろって、誰か参議院に立候補しろよ(^ω^)/

ということで、本ブログで大っぴらに密造酒を作ってる、なんてことは書け無いわけだし、わたしゃそんな事は決して致しませんよ。とは言うものの、どぶろく造りってちゃんとした知識があれば簡単にうまい酒が出来る らしい...

どぶろく造りに必要な材料は米と水と酵母と麹。米と水は誰でもわかると思うけどさて、酵母と麹って何でしょう?酒には醸造酒と蒸留酒があるがワインやビールなどの醸造酒のアルコール度数はせいぜい10%くらいなのに対して、日本酒は蒸留酒並みの20%のアルコール度数を達成してる。この秘密が酵母と麹による並行複発酵と呼ばれる東アジア特有の醸造方法にある。

酒=エチルアルコールな訳ですが、すべての酒のアルコールは酵母が作る。酵母が糖をアルコールと水と炭酸ガスに分解する。世界中にいろんな酒があるがこの部分は全て同じです。違うのは糖化の過程。ワインは最初からぶとう果汁の糖分を発酵するから糖化過程は無い。ビールは麦芽のアミラーゼで糖化する。人類最初の酒は口噛みの酒といわれているが口で噛んで唾液のアミラーゼで糖化を進める。さて、日本酒はというと麹ですね。麹は米などに麹菌を付けて培養したもので産生物としてアミラーゼを含んでいる。ちなみにアミラーゼというのは酵素で澱粉を液化するαアミラーゼ、糖に分解するグリコアミラーゼ等があり麹はその両方を含んでいる。この麹さえあればどぶろくは簡単にできる。

まず米を蒸す。電気釜で炊かずに蒸すのは糖化速度を抑えてアルコール発酵を持続するためで、蒸すのと炊くのとでは出来上がりが全然違う。ただし、蒸すのに40分もかかるし蒸器もいるので僕の場合は圧力釜で蒸す。これだと加熱時間3分+余熱で完全に蒸しあがる。その蒸米(1.5kg)とミネラルウォーター(4L)とイースト(3g)と麹(500g)を滅菌したガラス瓶に入れるだけ。あとは2-3週間ほっておけば酵母と糖化酵素が働いて豊潤・端麗などぶろくが出来上がる らしい(´・ω・`)  この”ほっておく”というのが大事なところで、決してかき混ぜすぎてはいけないのです。先に書いた並行複発酵というのは糖化と発酵を同時並行的におこなう醸造法で糖化が進みすぎると糖濃度が上昇して高糖圧迫という状態になり発酵が止まってしまう。ゆっくり糖化を進め酵母に十分な時間を与えて発酵させるんですね。

よくどぶろく造りで失敗した、なんて話があるが安定した酒作りのキモは初期のアルコール濃度にある。アルコール消毒するように細菌はアルコールでリン脂質の細胞壁が解けてしまい死滅する。どぶろくも仕込んで素早くアルコール濃度が上がれば雑菌は繁殖する余地がない。このためには優良な酵母(イースト)を適量スターターとして投入することです。酒作りに凝りすぎて天然酵母を期待する、なんてことをすると失敗する。ただし、清酒酵母は素人には手に入らないので当面はパン用のイーストを使っている。

今後のテーマは酒蔵から吟醸酒の生酒粕を入手して吟醸酵母の純粋培養をする事と麹の自家製造です。麹は買うと1kg;1000円以上するが自分で麹菌を撒いて作れば米代で出来る。ちなみに、麹の自家製造は完全に合法ですぞ。幸いにも温調付き燻製箱があるので、あれを流用すれば麹培養に使えそう。

 

 

 


神戸の教師いじめ

2019年10月09日 | 日記

神戸の小学校で、お局女教師が子分と一緒に新任教師をいじめたとしてマスコミが大騒ぎしてる。まあ、困ったことだが個人的な感想としては、何でこの20代の若者はやられっぱなしだったんだ? との疑問がある。嫌なら止めろと言い、それで止めないなら実力行使あるのみ、20代の若者が40代女教師をノスぐらい簡単だろう、と思うのは僕だけでしょうか?

以上は半分冗談ではあるが、これは日本の社会の閉塞的状況を示す一例だと思っている。よくよく冷静に見ていると今はマスコミが寄ってたかって、この虐めた4人の教師を嵩にかかって糾弾してる。赤の他人のくせにである... 自分が攻撃を受けない状況で弱者を多勢でやっつける構図。

僕はハッキリ言ってこのような日本人の習性は嫌いなんですね。昨年、自治会で溜まりにたまった自治会費一千数百万円を会員に還元しようと働いた際に大いに障壁となったのが、似たような事なかれ主義というかボスの差配というか実にめんどくさい連中。

話は飛びますが、最近の私の朝の日課 5時起床、ブラックコーヒーを淹れて飲み、5Kmジョギング、木刀素振り100回、ダンベル100回 言いたいのは木刀の素振り100回を追加したこと。剣道は少しばかり心得があるので、もし包丁を振り回す基地外が来ても一撃でノスための鍛錬です。 ”やられたら、やり返す” 結局、いじめをなくすには、これしかないと信じています。

 蛇足;木刀は強力。軽いので出は速いしリーチがあって破壊力がある。


まだ科学で解けない13の謎

2019年10月07日 | 物理

本を読んだ ”まだ科学で解けない13の謎 Things that don't make sense. by Michael Brooks ” その謎を列挙すると、暗黒物質・エネルギー、パイオニア・アノマリー、物理定数の不定、常温核融合、生命、火星生命、SETI,巨大ウィルス、死、性、意志、プラセボ、ホメオパシー、以上の13

胡散臭いタイトルだが図書館で見つけて立ち読みをしてて、つい引き込まれ、自宅に借り出して一気に読んでしまった。最初のテーマが暗黒物質、これは現代科学の最大の謎の一つで銀河の回転運動とそれを引き付けている重力が、見えている構成物質では到底説明できなく、暗黒物質なるものを想定する必要があるという問題だ。人類がこの問題に気付いて既に30年経つが未だ皆目見当がついていない。ところが、次のパイオニア・アノマリーの問題と絡めて意外なところに回答があるかもしれないという話。

パイオニア・アノマリー(変則事象)とは1970年代に打ち上げられ今、太陽系外・恒星間飛行を続けているパイオニア10,11号の太陽系外軌道が計算値から少しづつズレて来ている事実をさす。Wikiでこれを調べるとこの原因は搭載されている原子力電池の発熱が原因だと書いてあるが、この問題の発見者であるJ・アンダーソンはそれには異を唱え続けている。

暗黒物質とパイオニア・アノマリーのどこに共通点があるかというと、重力定数Gが果たして不変なのかという基本的な疑問の提起だ。Gは理論値ではなく計測によって求められた定数だが、これが地球近辺とそれから離れた太陽系外空間とで違うとしたらパイオニア・アノマリーは起こりうるしその拡張で暗黒物質などを想定することなく銀河系の回転運動も説明がつく。

実は物理定数の定常性に関しては別のアノマリー事象があり次の章で言及している。物質を構成している原子構造を決定する微細構造定数αが宇宙の初期に発せられた120億光年前のクェーサーの光から推定される値と現在の値との間に差があるという報告がある。これはアフリカ・オクロの天然原子炉の原子崩壊データからも確認されている。つまり物理定数が変わり得るとすると我々の科学的認識は根底からひっくり返ることになる。

また、この物理定数だが、この宇宙には23の重要で基本的な定数がある。光速度やパイ、プランク定数などだが、これらの定数は宇宙の初期状態で値が変わる。この定数が現在の値とちょっとでも違うと、この宇宙は爆発を続けて拡散してしまうか一点に縮んでしまう。あるいは水素以外の原子は存在せずそれ以外の物質のない宇宙になる。不思議なことに、我々の宇宙は実に絶妙なバランスでゆっくりと膨張を続けていて、我々の体を構成する炭素をはじめとする元素をスーパー・ノバの爆発で作り出している。なぜか? ここにある奇妙な主張が加わる。人間原理というやつだ。

我々が存在して、この宇宙を認識しているから定数はそうなのだ、と。実は宇宙は無数にあり、それぞれの宇宙で違った定数を持つ。その中で、たまたま人間という知的生命が生まれた宇宙がこの宇宙であったという説明(´・ω・`)

その他、生命とか死、性、意志など興味あるテーマが続く実に面白い本です。

追記; この著者は量子力学で博士号を取っている。私個人として科学の謎を言うなら一番最初に来るのは量子の謎だな。二重スリットの干渉縞とかシュレジンガーの猫とか量子もつれとか多世界解釈とか、謎というより理解不能の事実ともいうべき事柄。崖の淵から暗い深淵を覗き込むような... きっとこの著者は専門であるがゆえに答えの出せない問題を出すのをためらったんだろうなと思う。