ホームページをご覧の皆様、ひと月ぶりにお目にかかります、高校教諭佐藤です。
仕事振りはまだまだですが、4月当初の「次は何をしたらいいの!?」という状態もなくなり、無理なくできることから職員の皆さんのお手伝いをさせてもらってます。
私の普段の居場所は事務所受付側の一番奥なのですが、実はここ、劇場入口~楽屋への人の動きが一番良く見える場所でもあります。
日本舞踊の発表会であれば和装のご婦人方、バレエの発表会では若きバレリーナたち、といった具合に出演者・スタッフの方々が賑やかに行き交います。(チアリーダーがいっぱい、という日もあったっけ)
5月は「桂ざこば独演会」の時に、噺家さんの普段着姿を見て「うわぁ、今風や~」と妙に感心したり(いつも着物のわけがない…)、「あらしのよるに」の時には、里帰り公演を果たされた冠野智美さんと演劇学校生当時を知る職員の方々との暖かい交流が見られて、こちらまで暖かい気持ちになりました。
さて、その事務所前、今どんなことが起こっているかというと…
「毎日引越し」!…いや、本当は毎日ってわけではないんですけど、ベンチ、電信柱(別役実作品にはつきもの、ですね)などにまじって、冷蔵庫などの家具類がピッコロ劇団の劇団員さんたちの手によって運ばれてきては、また運び出されていく、という光景がくり返されています。
これ、13日に初日を迎えますピッコロ劇団公演「一軒の家、一本の樹、一人の息子」の舞台稽古の準備と片付けの様子です。
ピッコロ劇団は劇場向いの別館内に専用稽古場を持っているのですが、劇場は普段一般のお客様の創造活動にお貸ししています(上記日本舞踊・バレエ・演劇など)。
そのため、ピッコロ劇団は、一般のお客様のご利用の合い間を縫うようにして、「引越し」をして稽古を重ねているのです。
「そんな大変なことせんでも、自分とこのホームなんやから、置きっぱなしにしとけばええんちゃうの?」「代わりのもので済ませば?」「本番直前まで稽古場でええやん」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、上演の行われる場での稽古を大事にして、そこを作品世界の空気でいっぱいにするために面倒でもこうした努力が積み重ねられているのですね。
また、家財道具を抱えて路頭に迷う主人公の「男1」の気持ちを皆で追体験しているのかもしれません…
さぁ、間もなく初日です。その“空気”に身を浸しに、ぜひ劇場へお運びください。