8月30日から、ピッコロ劇団第47回『間違いの喜劇~現夢也双子戯劇(うつつはゆめ ふたごのたわむれ)~』の稽古が始まりました。
プロの劇団の稽古を見学させていただくことは初めてで、どんなことをするのだろうとワクワクしながら稽古開始を待ちました。
今日は初日ということもあり、本読みの稽古(役者が声に出して台本を読む稽古)でした。
今回は、歌舞伎の台詞めいた七五調の台詞のため、アクセントや発音などで難しい所があり、部分的に上演監修の喜志哲雄先生に確認を取りながら進めていきます。喜志先生が原作を一から翻案され、選び抜かれた台詞の数々に、役者のみなさんはじっくりと身体に落としながら読まれているように感じました。
稽古の中で出たキーワードの一つに「大人が楽しめる、大人の喜劇」というものがあり、これは今回の公演のキーワードなのではないかな?と感じました。双子とその従者がコロコロと入れ替わり、妻やその妹たちなど周囲の人たちが翻弄される。しかも、役者はその役を必死に演じていて、その必死さに、観客は思わず笑ってしまうという所が「大人が楽しめる、大人の喜劇」につながっていくのかな?と感じました。
演出家の孫高宏さんが、役者にむけて語っていた言葉の中で、「何を受けて、どんな息をするか」ということがとても心に響きました。
私自身、大学で演劇のゼミで、「何を受けて、どんな息をするのか」ということについて、「その役柄の息づかいが上手く表現出来ていない」と指摘されたことがあります。その時は、「その役のことを頭で考えてやってはいけない」ということまではわかりましたが、具体的にどうすればいいかについてはわかりませんでした。しかし、今回の稽古を見ていて気づいたことがありました。
姉妹役のお春さん(杏華さん)とお夏さん(樫村千晶さん)の二人のやり取りの台詞がとても自然に聞こえたのです。阿吽の呼吸で、ずっと昔から姉妹同士であるように思え、それによって自然と物語に引き込まれるように感じました。その時は、思わず二人の息が“見える”ような錯覚をしてしまうほどでした。二人のことを見て、役者は、自分一人で舞台に立っているのではなく、相手との関係の中で存在し、台詞を言っているのだということに気づきました。
例えば、怒っているときは、浅い息で捲し立てるように言ったり、荒い息づかいになったり、台詞を言い終わった後で疲れて脱力してしまったりします。怒るといっても、全身を使って怒る場合もあれば、静かに諭すように怒る場合もあり、それによっても違ってきます。そのように、人はその時の感情や、相手との関係で息づかいが変化しています。役を演じるとは、その役の息づかいに自分の息づかいを近づけることなのだと感じました。
色々な瞬間があり、まだまだ稽古は始まったばかりですが、これからどんな稽古になるのかとても楽しみです!
インターンシップ 張間綾(大手前大学総合文化学部)