去る6月13日(土)・14日(日)に俳優・ナレーターであり、ピッコロ劇団の客演もされ、ピッコロシアターとご縁の深い伊藤惣一先生に『朗読』をご講義いただきました。この講義は当校で約30年続く伝統の講義です。
1日目は俳優だけでなくアナウンサーなど文章を声に出して読む職業の人が、滑舌の訓練で使用することでおなじみの『ういろう売り』をご指導下さいました。
冒頭に先生の朗々としたお手本の披露があり、学校生たちは先生を目指して研鑽を重ねていました。
2日目は、劇作家別役実氏の短編『淋しいおさかな』をテキストにした授業。学校教育上の音読とは違う<朗読>の面白さを教えて下さいました。また、『台詞ではない情景描写や登場人物の様子を描いた「地の文」はどこに気を付けて読むのか』や、『登場人物はどんな感情でその台詞を話しているか考えて読む』など聞き手に想起させるように読むための方法論を、先生の長年の経験をもとに、学校生一人一人に伝えてくださっていました。
授業後も先生の周りに学校生が集まり、盛んに質問が飛び、先生も丁寧に答えておられました。普段はなかなか触れることの少ない<朗読>の世界に、学校生たちも大変刺激を受けたようでした。
演劇学校担当 土倉