茶々日和~まったりしましょ~

愛犬茶々(Mダックス・メス)とのまったりした暮らしと、趣味の観劇記です。よろしくお願いします。

海辺のカフカ

2012-05-07 09:31:01 | 舞台・コンサート
村上春樹は、どちらかというと苦手です。
「海辺のカフカ」も、ざっと目を通したことがあるくらいで、まともに向き合ったことはありません。
あっきー友達から誘われなかったら、多分、気になる舞台ではあるけれど行かなかったと思います。
だから、誘ってもらえて良かったと思っています。
蜷川版「海辺のカフカ」は、複雑にからみあうパラレルワールドを、透明ケースの中に箱庭みたいに収められたセットを動かすことで表現しています。
セットの動きが複雑で、もたついている感じはいなめませんが、物語の重層性と、透明で透き通った感じを醸し出していて、なかなか見事だと思いました。
原作ではぼかしていた部分にも解釈が加えられ、複雑な物語がすっきり整理されていたように感じます。
(ちゃんと読まなかったから私の理解だけぼけているのかもしれませんが)
ただ、猫殺しの場面の残虐性は、とても不愉快でした。
直截的で、長く執拗で、ナカタさんでなくてもキレるでしよう。
本ならば、不愉快な部分は飛ばしてしまえばいいのですが、舞台では逃げられません。
アイヒマンの罪悪感の欠如は想像力の欠如、と語るカフカ少年と、この猫殺しの場面は舞台上で同時進行で語られます。
残虐性に耐えられない時は、視線をカフカ少年に、という配慮でしょうか。
実際の柳楽優弥くんからは、ポスターのような尖った怜悧さはあまり感じませんでした。
むしろ、普通の男の子に見えます。
謎がすべて解決されたわけではありませんが、刺激的な舞台でした。
客席に若い男の人が多かったのは、村上春樹の読者が観に来たからでしょうか。
ミュージカルの客層とはぜんぜん違って、それもおもしろかったです。
(写真が横向きだったので、変更しました)
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