唐茄子はカボチャ

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菅新首相「期待」59%、民主は回復

2010年06月06日 | ほか
菅新首相「期待」59%、民主は回復 朝日新聞世論調査(朝日新聞) - goo ニュース

菅首相に何を期待しているのかまったくわかりません。
参議院選挙の作戦にまんまと引っかかってますね。
とりあえず参議院選挙で勝っておけば、後は、何をやってもかまわないという感じじゃないですかね。また鳩山のように人気が落ちたら、また次の手を打てばいいそうやって、どんどん、日本の政治の質を悪くする。
国民の政治感覚が、まだ未成熟なのかなあ・・・

殺人狂時代

2010年06月06日 | 好きな映画・良かった映画
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この犯人の冷静さが怖いです。ぞっとします。
人を殺すということがビジネス。と言っても殺し屋じゃないです。殺しのアマチュアなところが怖い。リストラされた銀行員。愛する妻と子どもがいる。だけど、そんな人が、平気で人を殺すようになった。そこに至る過程はわかりませんが、そこに人間の闇があるわけです。
でも、この人の場合、感情で殺してしまったわけではないんですね。あくまで冷静なんです。

逮捕され、裁判から死刑執行まで、チャップリンの素晴らしい演技がみられます。
逮捕のシーンが面白いです。まるで他人事みたいな感じが面白い。面白いと同時に、その冷静さがちょっと恐いのです。
裁判で、ここに殺人鬼がいますと指さされて、またここでも他人事で、自分を見ようと振り返る陪審員に合わせて後ろを振りむきます。ここの落ち着きぶりが、また怖い。

検察は、人並みの頭脳を持ち、普通に生きられたはずと言います。そういう人が、路頭に迷う社会だったという裏返しに聞こえました。

判決の時のスピーチ。

検察は私を全否定されたが、頭脳があることは認めてくださった。
お礼を申し上げます。
35年間、私は、正直にその頭脳を使った。
だが、その頭脳もいらないと言われた。
だからこの仕事を始めた。
大量殺人というが、世界中で行われている。
破壊兵器を製造するのは、大量殺人のためです。
罪のない女性や子供を虐殺するではないか。
しかも科学的に行っている。
大量殺人において私はアマチュアです。
だが冷静さは失いません。
すぐに頭を失うのです。
しかしながら、生命を終えるにあたって、申し上げたい。
また会いましょう。
すぐに。
すぐにです。

このスピーチが、独裁者の名スピーチと重なります。
独裁者では、独裁者への怒りや、平和への思い、民主主義と自由の思いを感情をこめて世界に訴えたわけですが…この殺人者の感情のない冷静なスピーチは、独裁者の時に熱く語ったものと対比して、そして勝ち取った社会は人間にとって、本当に自由なんだろうか、平和なんだろうか。平等なんだろうかと、訴えかけているようにも感じます。この世に未練のない、たんたんとしたそのセリフがとても重いものに感じるのです。

ひとりの殺人は悪で、戦争での殺人は正義になるという、この矛盾。
物事が成功するかどうかは、組織力だとも言っています。

この冷静で冷めた殺人者。これは、人間だれもが陥るかもしれない、人間の闇のような気がしました。

花屋さんの女の人がなんかいいです。

あと、出所したての女の人もいいです。

この人は軍需産業のえらい人と結婚して、お金持ちになりますが、これも、彼との対比で面白いです。
殺人に手を貸している人のお金で生きているわけですからね。
生きるために同じことをしているともいえるわけです。
この女の人との出会いのところ。
実験で人を殺そうとしてその人を家に誘いますが、そこで、彼女の話を聞いて、殺すのをやめます。彼は、彼女がかわいそうになったとかでやめたんじゃないですよね。あれは明らかに、自分と同じだと思ったから、やめたんですね。あのへんの気持ちの動きが面白かったです。
過ぎに会った時にはすごく冷たく対応するし。2人の関係が面白かったです。
彼女は、傍聴席から、彼の話を聞いて、何を思ったのでしょうか。
彼の家族はどうなったのでしょうか。

あと、結婚式で逃げられちゃったあの女の人はその後、どうしたのでしょうか。
人間って、心は当然読めないけれど、同時に、勝手に人の心を解釈する生き物のです。金払って、定期的に花が届いて、それで心を動かしてしまうというのは、人間の心、愛というものが、どれだけ貧弱な土台に立っているかの表れのような気もします。
人は勝手に相手の心を解釈して、信頼しちゃうんだからね、
あの女の人はいろんな意味でかわいそうでしたね。あやしいと思って、あんなに拒んでいたのに、結局だまされて、でも結果的にだまされ切らなかったという点では良かったのか。いやいや、せっかく信頼しかけた気持ちを裏切られたというのは深い傷ですよ。