唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

原発のウソ  / 小出 裕章

2011年07月14日 | 
原発のウソ (扶桑社新書)
小出 裕章
扶桑社


原発は恐ろしい…その恐ろしさがよくわかる本です。
原発そのものが恐ろしいだけでなく、それを推進する人たちのウソ・・・安全神話という思い込みというよりは、安全神話自体が作為的にウソでつくりあげられ、そのウソを覆い隠すためにまたウソをつくという、ウソの悪循環、原発は海温め装置という言葉がありましたが、ウソ製造機でもありました。電気を流すという、1%の真実のために9%ウソの仕組みをつくっている。そのウソを信じ込まないと、原発なんてどう考えても危険で金がかかって環境にも全くやさしくないものを推進することなんてできないんですね。

そういった警鐘はいろんな形で出されていたにもかかわらず、自分はそれを受け止めるアンテナを張っていなかったために、知らずにこの大事故に直面してしまったわけです。

直面というと、大袈裟な感じもちょっとしますが、冷静に考えると、大げさでなく、福島第1原発の事故は、終息したわけではなく、いまだに被害が広がる恐れを持ちつつ・・・政府や東電は情報を小出しにしていることで専門家の分析、議論を進める障害になっていて、それが解決を遅らせることにもなりかねない。いまだに安全神話にしがみつきながらことを納めようとしていることで、さらに傷口を広げているというのが実態なのではないでしょうか。

実際に命をかけてこの大事態を収束させるために命をかけて現地に赴いている人もいるけれど…チェルノブイリの話を聞いたら、いまだにチェルノブイリが収束していない事実も知り、それでもこの状態までこぎつけたのは、ソ連特有の人間をただのコマのように扱う人海戦術があったればこそのような気がして…どうじに、今の福島の実態も、命がけで現地に人を次々と送り込まなければ、どうにもならない状態。現状維持がとても難しいのかもしれないと思いました。

安全神話のウソから脱却して、事実をきちんと表に出していまの事態を国民がきちんと認識できるようにすることが大事だと思います。
知らないまま死ぬよりも、ある程度の覚悟も真実を知らなければ覚悟しようがないし…

ということで、これから原発に頼って生きていくかどうかの選択がとわれていますが、どっちにしても、原発問題は事故の問題にかぎらず、向き合っていかなければならないことを考えさせられました。

原発って難しそうで向き合いづらいけど、この本はとても読みやすかったです。

ホーホケキョ となりの山田くん

2011年07月14日 | アニメ
ホーホケキョ となりの山田くん [DVD]
クリエーター情報なし
ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント


最初見たときはあまり面白いと思わなくて・・・次に観たら、案外面白くて…でも、こんかいみたら、また最初の印象に近い感じがしました。

家族の中の生活。平凡で何にもなさそうな生活の中に、ドラマがあって、そういったドラマの中で家族のきずなが深まっていく。それぞれにとっての当たり前の家族が出来上がるわけです。でも、その家族像がなぜか崩れている感じがするのも社会の崩れなのでしょうか。

一人暮らしをして20年、新しい家族を手に入れることもできずにここまで来てしまいました。
だから、この何でもない、家族の姿がとても輝いて見えます。

心に染みたシーンは旦那が酔って帰ってきて、妻がテレビドラマを見てて、旦那は愚痴っぽく色々言いながら、妻はそれを聞き流して、お互い別のことをしながら、でも同じ場所にいる。言葉を交わすでもなくただ2人がそこにいる。そして夜が更けていく…なんか美しい‥‥

アンダンテ ~稲の旋律~

2011年07月14日 | 好きな映画・良かった映画
アンダンテ~稲の旋律~ - goo 映画

映画『アンダンテ ~稲の旋律~』 オリジナルサウンドトラック <ピアノ曲集>
クリエーター情報なし
サウンドジュエルレコーズ


稲の旋律
クリエーター情報なし
新日本出版社


品川区内で上映会があって、翌日がとても大事な会議があって、「そんなの行ってる場合か!」と言われながらも、むしろ言われてしまったことで余計に行かなきゃいけないと反発し・・・(笑)行きたいという思いは、行かなければならないという思いになって、強行して行ってきました。いやあ・・・おれって頑固ですね。

それで、そんなふつふつとした怒りと忙しい中でてきてしまった罪悪感もちょっとだけ感じながら、映画を見はじめました。

映画の主人公「藪崎千華」は、母親の強い希望で幼い頃から音楽の道を歩むが、音楽社会の競争は厳しく次第に自信を失くしてゆく。やがて自分自身をも見失い登校拒否となり、大学中退を余儀なくされる。大学中退後、アルバイト生活に入るが、職場での人間関係がうまく作れず、仕事を転々とする生活を繰り返し続ける。そしてとうとう、一日中家に閉じこもるようになり、日毎の両親とのいざこざも絶えなくなってしまう。そんな自分を思いつめた千華は、千葉県の水田へ、「誰か私を助けてください。」と書いた紙切れをペットボトルに詰め、「心のSOS」として置いてくる。暫くして、この水田の持ち主でありペットボトルを拾った広瀬晋平から手紙が届く。その手紙の内容は真剣に千華のSOSに応えようとしていた。千華は、自分はどのような人間か、どうして他人と会うのが怖いのか、長い長い手紙を晋平に送った。こうして始まった千華と晋平の交流は、千華のひきこもり生活を徐々に変化させていくのだが・・・!(公式HPより)

最初の主人公の心の荒れた感じは、そのまま自分の苛立ちと重なってなんか、落ち着きがない状態が続いていました。
何でそんな動揺してるのにクルマに乗っちゃうんだよ!がまんできないじょうたいでいるのになっぜそこだけすなおにしたがっちゃうんだよ!ああ・・映画のためとはいえ
自分を追い込むのはやめてくれ!父親も、そんな長年娘と付き合ってきて、そういう状態に追い込んでおいて、そこを何にも理解せず、映画のためとはいえ、平気で追い詰めるセリフを吐き散らす。わざと娘を追い詰めてるとしか思えない。長年の積み重ねを感じさせない何かとってつけたような主人公を追い詰めるセリフ、母親も、自分のできなかったことを娘に全面的に100%押し付ける人がいるのかとあきれるぐらいに主人公を追い詰めて…

ペットボトルのSOSにはちょっと違和感を感じるところもあります。電車から見た風景、稲が風に揺れて奏でるメロディを聴いているうちに、カノンが頭の中をながれた。透き通るような風の流れでできる稲の波のシーンはとてもきれいでした。でも、そのすごい景色とSOSというぎとぎとしたというか、殺伐とした文字が合わないし、そのきれいなところにペットボトルを投げてしまうというところもちょっと疑問があるところです。そのきっかけがなきゃお話は始まらないわけだけども・・・

すこし、おもひでぽろぽろと重なりました。
あの時疑問に思った人間に嫁いでいくのか、土地に嫁いでいくのか、今回は、違う意味で同じものを感じました。
素敵な男性が自分を取り戻させてくれたのか、それともその土地、農業の営みが取り戻させてくれたのか。
いや、両方なんですけどね。
その男性が好きな人は自分じゃないと悟った時に一度そこを逃げ出します。でも、そこで手に入れたすべての者をこんな形で捨ててしまっていいのだろうか。恋愛感情で結びつくのは大事だけど、人生って恋愛だけじゃないですもんね。恋愛だけで立ち直るていどの苦しみではないし、それまでに得たものは失恋によってすべてお失うほどの軽薄なものではなかったということですね。

さいごの稲穂の中でのカノンが心に響く・・・という終わり方ですが、男はひどい奴です。そこでプロポーズかよ!って感じです。主人公の気持ちも知っていながら、あれじゃ、主人公を利用したともとられかねない。
お母さんも結局ピアノを弾く主人公を愛しているとも思われかねない終わり方のような気がしますが…
そんなことはたまたま偶然です。それまでの流れを見ていれば、それはないこともわかりますが…

そして、いきなりなんかきれいなドレスを着て主人公が歌いだした!
とても素敵な透き通る声です。
それではじめて、この女優さんは歌を歌う人なんだとわかったわけです。

今回、文章の中で突っ込みをいろいろ入れてしまいましたが、そんな細かいところはどうでもよくて、とてもいい映画でした。
会場を出るころには、あれだけざわざわしていた自分の心が、アンダンテになっていました。
いい映画を見た後の変な虚脱感を心地よく感じながら、そのあと夜中までそんなことをしている場合ではなかったのかもしれないとは全く思わず、むしろ、これを見たことを力に、明日の大事な会議の準備に入りました。

農業万歳!

あ・・・もう一つだけ。
農業の問題を飲み会の場で難しそうに話すシーンはいらなかったと思います。あれは無駄なシーンだったんじゃないかな。

なでしこ、決勝は米国と…スウェーデンに快勝

2011年07月14日 | スポーツ
なでしこ、決勝は米国と…スウェーデンに快勝(読売新聞) - goo ニュース

すげー!ここまで来ちゃった!
すごすぎて言葉にならない…

ワールドカップ前になんかドキュメント番組で、アメリカに遠征に行ったとき、連敗してましたよね。いい戦いをしながら最後は力で押し負けられちゃうみたいな。でも、こういう形で勢いをつけていれば、ひょっとするとひょっとするかもしれません。逆に疲れ果てて…なんて結果もあるのが決勝戦ですが…

どっちになったとしても、すごいことには変わりはないけれど、せっかくここまで来たら、最後まで突き進んでほしいものです。アメリカもそう思ってるんだろうけど。