![]() | さや侍 [DVD] |
クリエーター情報なし | |
よしもとアール・アンド・シー |
親子の話は泣けます。命がかかわってくればなおさらです。
そういった、人間の感情の仕組みを利用して機械的に操作されちゃったような気分です。
ただ、そういう状況に持っていくには大事な点があります。子どもをかわいいと思わせられるか。
子どもがかわいいし、演技も上手だったから、うまく操作されてしまいました。
時代的なリアルな部分にありえない設定を持ってきて、その設定を利用して、コントのようなことを映画でやる。
時代劇自体が現代人にとってはあり得ない世界なのかもしれないけれど、そんなのありえねえよとなってしまったら笑えなくなりそう。
一日であんな装置をつくっちゃったりできる時点でありえないんだけど、それを割り切らせてくれる力があります。
もともとの設定がありえない感じの設定なので、そこで観る側の能を何でも許してしまう状態にしちゃうんでしょうね。
一つ一つのネタがばらばらだとあまり面白くないものでも、それが重なっていったり、繰り返したりしていく中で、笑っちゃったりします。
やっぱりそこは笑いのプロということなのでしょうか。
そして最後にはそのあり得ない笑える話を一変させてしまいますが、あそこは予想できました。というよりは、そういう作りをしていただけですが。
最後に行くまでの過程で、さや侍以外が緩み切っていましたからね。
緊張と緩和。緩みきったところで、最後の緊張。効果的ですね。
お墓での最後のところの仕掛けもけっこうよかったです。
親子が手をつないだ時の子どもの喜び方。すごくかわいかったです。後ろを振り向くところがとてもよかった。
普通の物語にしてくれたおかげで観やすかったです。
お坊さんの歌は、たけしの座頭市のくだらないタップダンスを思い出しましたが、それを意識したのかは知りませんが、あれはもしかしたら、監督の照れかもしれませんね。