しこたまらいふ

大谷翔平と大滝詠一の生まれた岩手県奥州市で、スローライフを実践中♪ 田舎暮しや食べ物の話題。

無財の七施(むざいのななせ)

2009-12-22 | 今日のひとこと
【雑宝蔵経】
 先日テレビを見ていたら、うつ病から回復した人のことを取り上げていました。
その人が回復するきっかけは、込み合った電車で、おばあちゃんに席を譲ったことだそうです。おばあちゃんは、にっこり微笑んで、その人が電車を降りるまで「ありがとう」といってくれたそうです。

 自分でも人の役に立つことができるんだと気づいたときから回復が一層すすんできた、という話でした。

これを聞いたときに思い出したのが、題の「無財の七施」です。

 この言葉は、お金のない老女が、お釈迦様になにも差し上げるものがないと困っていたところ、お釈迦様は、お金がなくても七つの布施をすることができると説いたところから来ています。

その七つの布施とは、
眼施(がんせ) やさしいまなざしで人を見る
和顔施(わがんせ) やさしく微笑みかける
言辞施(ごんじせ) やさしい言葉をかける
身施(しんせ) 自らすすんで人のために働く
心施(しんせ)  人のために心をくばり、共に悲しんだり苦しんだりする
床座施(しょうざせ)  席を譲ったり、自分の競争相手にも親切にする
房舎施(ぼうしゃせ)  人に雨風をしのぐ場所を与える
です。

 うつ病で苦しんでいた人は床座施を行い、おばあちゃんは、それに眼施と和顔施、言辞施で答えたわけです。まさに、「情けは人のためならず回りまわって己が身のため」ですね。

 世の中世知辛くなってくると、ついつい言葉遣いも荒くなり、厳しい対応をとってしまいます。でも、そうであればあるほどやさしい言葉や眼差しが必要となってきます。こころのどこかに「無財の七施」を持ち続けていることって大事ですよね。

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