私が住んでるところはかつて森だった。
小学生のころ、私はその森にクワガタ採りに出かけた。
太田君という同級生と二人で森に入った。
太田君は虫採りの初心者である。
私が半ば無理やり誘ったような記憶がある。
太田君はおずおずと私のあとについてきた。
森の奥はうっそうとして薄暗かった。
私はずんずんと森の奥へ進んでいった。
私は森のちょっと開けたとこで立ち止まり、
後にいる太田君を振り返った。
太田君のシャツのエリに大きな毛虫がいた。
毛虫はモコモコと太田君の首の近くを動いていた。
太田君、首に毛虫がいる!
と、私がささやくと、
いままでおとなしかった太田君が
いきなりギャーーーと叫んだ。
森中に響くような声でギャーーーと叫んで
私に突進してきた。
私もギャーーーと叫んで逃げた。
太田君は毛虫をつけたまま、どこまでも私を追いかけてきた。
私は死に物狂いで逃げまわった。
毛虫も恐かったが太田君がもっと恐かった。
太田君が化物になったように思った。
私と太田君はギャーギャー叫びながら延々森の中をかけめぐった。
その後のことは覚えていない。
ただ、それ以後、私は太田君を虫採りに誘うことはなかった。
小学生のころ、私はその森にクワガタ採りに出かけた。
太田君という同級生と二人で森に入った。
太田君は虫採りの初心者である。
私が半ば無理やり誘ったような記憶がある。
太田君はおずおずと私のあとについてきた。
森の奥はうっそうとして薄暗かった。
私はずんずんと森の奥へ進んでいった。
私は森のちょっと開けたとこで立ち止まり、
後にいる太田君を振り返った。
太田君のシャツのエリに大きな毛虫がいた。
毛虫はモコモコと太田君の首の近くを動いていた。
太田君、首に毛虫がいる!
と、私がささやくと、
いままでおとなしかった太田君が
いきなりギャーーーと叫んだ。
森中に響くような声でギャーーーと叫んで
私に突進してきた。
私もギャーーーと叫んで逃げた。
太田君は毛虫をつけたまま、どこまでも私を追いかけてきた。
私は死に物狂いで逃げまわった。
毛虫も恐かったが太田君がもっと恐かった。
太田君が化物になったように思った。
私と太田君はギャーギャー叫びながら延々森の中をかけめぐった。
その後のことは覚えていない。
ただ、それ以後、私は太田君を虫採りに誘うことはなかった。