何から逃げているのかわからない。
ただ、のっぴきならない状態にあるようだ。
私は車を山頂付近で乗り捨てると、
そこから山中を走りながら逃走していく。
我ながらものすごいスピードだ。
坂道を息ひとつ切らさず登っていく。
山の尾根附近を走っているとき、
土手の上から黒人が見下ろしていた。
密林の原住民のいでたちだった。
彼はわけのわからない言葉を発すると、
突然、私めがけて飛び掛ってきた。
なんとかかわすと私は全速力で逃げた。
彼はどこまでも追いかけてきた。
どちらも驚異的なスピードだ。
私も早いが彼も早い。
一進一退のデットヒートが続く。
左側は高い絶壁の崖だ。
と!
そこに大きな実を付けた巨大な木が生えていた。
木は崖底から崖上まで伸びていた。
ゆうに30mはあろう。
実は薄いオレンジ色で、木の枝全体にたわわに実っていた。
一個の大きさが1mくらいあった。
私は立ち止まってしげしげと実を眺めた。
じつに美味しそうな実だった。
追っていた黒人も立ち止まっていた。
彼に何の実かと聞くとマンゴーだと答えた。
私は身を乗り出して両手で巨大マンゴーを抱きかかえようとした。
危うく崖から落ちそうになった。
危ないから取るなと黒人がいった。
私は仕方なく道際の誰かに切り刻まれた後のマンゴーの
欠片をもぎ取った。
それでもパパイヤメロンくらいの大きさはあった。
私はそのマンゴーを小脇に抱えると、また走り出した。
今度は逆方向に車を目指して帰りだした。
もう黒人は追ってこなかった。
車にたどり着くと、マンゴーをガブリとかじった。
すっぱーーーい。
ただ、のっぴきならない状態にあるようだ。
私は車を山頂付近で乗り捨てると、
そこから山中を走りながら逃走していく。
我ながらものすごいスピードだ。
坂道を息ひとつ切らさず登っていく。
山の尾根附近を走っているとき、
土手の上から黒人が見下ろしていた。
密林の原住民のいでたちだった。
彼はわけのわからない言葉を発すると、
突然、私めがけて飛び掛ってきた。
なんとかかわすと私は全速力で逃げた。
彼はどこまでも追いかけてきた。
どちらも驚異的なスピードだ。
私も早いが彼も早い。
一進一退のデットヒートが続く。
左側は高い絶壁の崖だ。
と!
そこに大きな実を付けた巨大な木が生えていた。
木は崖底から崖上まで伸びていた。
ゆうに30mはあろう。
実は薄いオレンジ色で、木の枝全体にたわわに実っていた。
一個の大きさが1mくらいあった。
私は立ち止まってしげしげと実を眺めた。
じつに美味しそうな実だった。
追っていた黒人も立ち止まっていた。
彼に何の実かと聞くとマンゴーだと答えた。
私は身を乗り出して両手で巨大マンゴーを抱きかかえようとした。
危うく崖から落ちそうになった。
危ないから取るなと黒人がいった。
私は仕方なく道際の誰かに切り刻まれた後のマンゴーの
欠片をもぎ取った。
それでもパパイヤメロンくらいの大きさはあった。
私はそのマンゴーを小脇に抱えると、また走り出した。
今度は逆方向に車を目指して帰りだした。
もう黒人は追ってこなかった。
車にたどり着くと、マンゴーをガブリとかじった。
すっぱーーーい。