2013年の『このミステリィーがすごい!』大賞受賞作。
これを、『このミス・・・』年間ランキングの一位と勘違いしていた。
『このミス・・・』大賞とはこのミス主催のアマチュアコンテストのことであった。
実際、作者は建設会社に勤める一サラリーマンである。
それを考えると、いやそれを考えなくとも前半の出来栄えは驚嘆すべきものだった。
世界を見回してもこれほどまでに怪異性に満ちたパンデミック物はそうないであろう。
加えて緻密かつ圧倒的迫力で書きあげた筆力。
これは、とんでもない新人が現れたぞ。
と、思いかけたら、核心の種明かしでズッコケてしまった。
いくらなんでもそりゃないよ~
以降、それに連動して人物描写も文章もがさつになっていく。
とくに紅一点の昆虫学者の描写がひどい。
一流学者でありながら知性とは程遠いガキのような振る舞い。
ハイテンションで読み進めていたのがいっぺんで冷めてしまった。
そして最後は東宝怪獣映画並みに稚拙な物語に変わり果ててしまう。
やはり素人は素人なんだなと思った。
★★★★ → ★★