評判の全8巻をまとめ買いする。
キッチリと箱詰めにされて送られてくる。
箱を開き、一番上の本を取り出して読む。
一目、絵が幼い。
何ページか読んでみる。
「山荘」を「山そう」と書いているあたり子ども向けなのだろうか。
始まりはいたって他愛もない。
ところが20ページあたりから急に難解になる。
本格ミテスリー小説なみに手が込んでいることが読み取れる。
こらハードだ。
のっけからこんなんでみんな話についていけるのだろうか。
ハードル高いぞ。
読み進めるほどになにがなにやら分からなくなっていく。
綿密なカラクリがあることはなんとなく分かるが筋書きが読めない。
私がボケ始めたのか世間が賢いのかどんどん引き離されていく。
本の中ほどまで読んでようやく疑念が生じる。
ここまで難解なはずがない。
読んでいる本をパタッと閉じて表紙のタイトルを見る。
「8」
最終巻を読んでいた。