Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮、シュニトケ「ナガサキ」@プロムス2009

2009-08-25 01:30:00 | コンサート

ゲルギエフの指揮、ロンドン交響楽団の演奏でシュニトケ『ナガサキ』を聴いた。

UK初演、私も初めて聴いた。寝るかな?と思ったがまるで大河ドラマのテーマ曲のようで、少しも眠くはならなかった。

コーラスが入る。日本の詩人の詩をロシア語訳したそうなのだが、したがって「ナガサキ」だけが聞き取れて、私にはちょっと「ナガサキ変奏曲」。

思い出したのは『ナガサキ』という題名もあってか、プッチーニの『蝶々夫人』であった。どんなに偉大な作曲家が作曲しても、中華風と和風の混在というべきか、とにかく「なぜこうなってしまうのだろう?」と思わずにはいられない。既に私のほうが「日本の音階」を体の中から失っているからそういう風に思えるのか?

また、日本人にとって、長崎は「異国情緒」の街。そこが、「日本の音階」によって表現される奇妙さ。長崎がどんなに異国風であっても、異国の人にとっては「日本情緒」たっぷりに見える、という点は当たり前だが面白い。

今日の演奏会はゲルギエフの指揮を楽しみにしていったのだが、意外と普通だった。指揮棒を使わないで、指を海月の襞のようにひらひらさせるので、打点がわかるのか心配になるが、さすがLSOの首席指揮者だけあってパーカッションと彼の体の動きはぴったり一致していた。その点は美しくて感心した。