ついに来てしまった(この台詞多し)ロサンゼルス。空港に降り立つと、お天気は快晴、20度と言われる気温にも拘らず、湿度が低いためか、Londonと同じ真冬のコート姿でも汗をかくことがない。
ダウンタウンの外れにあたるのだろうか、リトル東京などの地区との境、殺伐とした(東京、ロンドン、パリと比べるから?)地域にウォルト・ディズニーホールはある。
音響が素晴らしいと評判のホールである。内装は確かに木を基調にした流線型が美しい。またパイプオルガンとそのパイプをデザインしたオブジェも素敵だ。
しかし、残念ながら今日の席は非常に条件が悪い。2階席なのだが、3階席の下にあたり、後ろも壁。これは音響的には相当「いけていない」席に違いない。チューニングの音はホール全体に響いているのが分かるが、それでもこの席からは「残響2秒」には聴こえない。一方、客席からの雑音までホール中に広がる。さらに、隣の席の人の時計の秒針の音が、夜眠れないときに聴こえる時計の秒針なみに響く(涙)。
さて、演奏が始まる。ヴェルディの「レクイエム」。これは歌手が命であるが、もちろんLAでの演奏会で、ゴージャスな歌手を期待すること自体が間違っている、と最初から諦めモードであったが、それでも、やっぱりちょっとがっかり。ソプラノは、何というか、節回しが田舎っぽい。またバスは風邪を引いているとみた-鼻から口にかけて真っ赤だし、音量を上げると雑音が混じる-残念。個人的にはメゾソプラノが声量は余りないものの、声質という意味で、ビロードのようで気に入った。
ドゥダメルの指揮は、まさに聴く、ではなく「観るクラシック」。Dies Irae、91小節目からのAllegro Sostenutoは圧巻。舞台上のトランペットと、3階席に配置したトランペットの掛け合いを指揮するドゥダメルの美しいこと。耽美的という言葉が帝王カラヤンに当てはまるならば、「躍動美」こそ、若騎士ドゥダメルにはうってつけ。これはDVDにする価値あり、と思いますが、いかがでしょう、LAフィル広報部?
演奏の終了時、皆お行儀良くドゥダメルが指揮棒を降ろすまで(かなり時間をとった)待っていた。アメリカ人も学習するらしい。しかし、その後、皆スタンディングオベーション。あー、この演奏でそれはないでしょう、と思うが、前がまったく見えないので結局立った。このレベルで演奏家(特にあの歌手軍!)にご褒美をあげてはいけない!犬のしつけと一緒だ、と思うのだけれど。。。?