アムランのアンコールはハイドンとアルカン。
ハイドンの途中で奇妙な雑音(携帯の着信音とは違うものの、「ギー」という何らかの人工的な音)-ここまで、ウィグモアホールの聴衆は他とはちょっと違う、と思っていたけれど、結局こういうことが起こる-。丁度テーマの切れ目、皆が伸ばされた音に耳を澄ませている最中。先日のヴェルレクもだけれど、なぜこういう瞬間に!?
アムランも含め皆で「ふふふっ」と笑い、彼はその後また何事もなかったかのように弾き続けた。
ところがテーマの再現部がやってきた時、アムランはわざとその前と同じだけの時間(=雑音を聴き、笑った分の)を取り、再び皆の笑いを誘ったのだった。しかし、ここは笑う場面なのか?たとえハプニングとはいえ、Aがt=yならばA'もt=yという曲の構築をアムランは意識していたのではないか。
恐ろしい演奏家に会ったような気がする。