アンドレアス・ヘフリガーで、モーツァルトPfソナタK. 330、リスト=ワーグナー「イゾルデの愛の死」、モーツァルトPfソナタK. 331、休憩を挟んで、シューベルトPfソナタD960。
ヘフリガー、名前は聞いたことがあったけれど、生を聴くのはこれが初めて(だと思う)。最初から、聴きなじんだK330とは違うリズム感に、ちょっとびっくりする。また、最初は調子が乗らないのか、ミスタッチも度々。これだったら、時差ぼけ解消に演奏会などに来ないで、家で翌日からのイェーテボリ行きの準備をするべきだった。。。
と思っていたが、リストになって、ちょっと持ち直す。この曲をピアノで聴くのは初めて。これは相当難しそう。それにしてもピアノって凄い。オーケストラがやることを1人でやってしまうのだから、と改めて思う。
K331も、なんだか不思議なリズム感である。普通の人(これまで聴いてきた人々とそれに影響されている自分)とちょっと違う。6/8拍子だから2拍子のようにリズムを取るのは正しいのだろうけれど、それにしても最初の音が心持ち短いようだ。垢抜けたリズム感、というべきだろうか?
休憩後のシューベルト。これは、ピアノの音がとても美しかった。スタインウェイの高音の、きらきらとした音、ここの楽器は中音まで、一貫してきらきらとした音がする。ハンブルグ製のスタインウェイは、音が少し篭り気味かな、と思うことがあるけれど、もしかしたら楽器ではなく、ホールかもしれない。ここも、ロイヤルフェスティバルホールも、「きらきら」系。ウィグモアホールは篭り系。
演奏も、手持ちのCDの中ではブレンデルの演奏に似ているような気がする。奇をてらわない、美しい演奏。フルコンだと、低音がとても綺麗に響く。最初の低音のトリルには、この長い弦が響かせる深い音が必要だ。
アンコールの前に、演奏会のプログラムについて-調性で組むとき、テーマで組むとき、響きで組むとき、等々があるというような説明をした。今回は響きだそうだ。そのアンコールはモーツァルトの幻想曲ニ短調。確かに、響きが似ている気がする。響きの類似、というのは聴いている者にも分かりやすい。
結構、薀蓄派なのだろうか、ヘフリガーは。