Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

He is changing - ドゥダメル第二夜@イェーテボリ、スウェーデン

2010-05-28 20:00:00 | Gustavo Dudamel

2夜連続でドゥダメル指揮、イェーテボリ交響楽団、同合唱団でモーツァルトのミサ・ハ短調を聴いた。

今日は、ソプラノのIda Falk Winlandが良かった。出てきたときから、なんだか自信に満ちた顔をしていた。昨日と変わらない張りのある声に加え、今日はきっちり最高音も出ていた。対してMiah Perssonは少し疲れていたようにも思われたが、Et incarnatus est は素敵だった(この曲は本当に好きだ)。歌手というのはデリケートな職業だとつくづく思う。毎日をBest conditionにするのは至難の業だろう。

あることが気になって、帰りがけにGustavoの楽屋に立ち寄ってみたところ「He is changing」といわれ、会うことが出来なかった。今までは、どんなに大きなコンサートの後でも、ファンが待っていたら時間を割いてくれていたのだけれど。。。?

He is changing-「変わること」は難しいと実感することが多いが、「変わらないこと」も同様に難しいのだろう。

Gustavo自身はこれからもいろいろな意味で変わってゆくのだろうが、彼の創り出す音楽を素晴らしいと思える間は、こうして演奏会に足を運ぶことだろう-とは言うものの、少し複雑な気持ちで演奏会場を後にした第二夜であった。


どこでもフランス@イェーテボリ、スウェーデン

2010-05-28 15:05:00 | カフェ

今回宿泊した、Elite Plaza Hotel-朝食付きなのだが、今朝は寝坊して食べられず。というのも、なぜかiPodの時計が夏時間になっておらず、のんびりとシャワーを浴び、身支度を整えて、ふとコンピュータの時計を確認したら-10時過ぎ!朝食は10時まで-とりあえず階下へ行ってみるけれど-レストランは既に入り口に鍵が掛かっている。

このホテル、今回が2度目の宿泊だが、前回は出発時間が早く、今日は寝坊、明朝も出発時間が早く、結局一度も朝食を試すことが出来ないらしい。

流石にカフェインが必要!と、スタバを探しに出かける。小さな街だから、それほど歩かずともすぐ見つかるだろう、と思ったのが甘かった。目に付くのはマクドナルドばかり。仕方がないのでBlackBerryでぐぐってみると-どうやら、この街にスタバはないらしい。それどころか、スタバのスウェーデン第一号店は2009年に漸くストックホルムの空港に出来上がったばかりとか。ショック。

イェーテボリの朝10~12時は、目ぼしいお店はどこも営業していないようだ。あー、このままではカフェイン不足で倒れる、とその時、通りを少し入ったところで、女性2人がお茶をしているところが窓越しに見える。

これだ!

行ってみると、”Le Pain Francais”。店内の雰囲気も悪くない。とりあえずカフェオレを-喉が渇いていたので大きなサイズで注文。

折角なので、何か食べてみよう、とショーソンオーポンム(品名もフランス語で出ていたので苦労せず済んだ-スウェーデン語は全く分からない私)を注文。

Img00028201005281103

相当大きかったが、甘さ抑え目、紅玉系の林檎の酸味で、あっさりお腹に収まってしまった。パイ生地も鼻腔に抜ける香りが悪くなく、また食してみたい-今度食べるときには蜂蜜を掛けよう。

カフェが見つかると、何かと便利だ。これで来シーズンGustavoを聴きに来るのに不自由が一つ減った。

何処へ行っても日本食を食べたい人が居るように、私の場合、何処へ行ってもフランスの香りが欠かせない。


ドゥダメル-モーツァルトC-minorミサ@イェーテボリ、スウェーデン

2010-05-28 01:30:00 | Gustavo Dudamel

ドゥダメルがモーツァルトC-minorミサ曲を振るというので、三度目のイェーテボリ参りをした。

この曲はモーツァルトが父親にコンスタンツェとの結婚の承諾を得るため、彼女のソプラノの技量を見せようと作曲された、といわれているが、コンスタンツェの技量ではこの曲は歌えなかったらしい。いや、歌えたら、相当上手いということになるだろう。魔笛の「夜の女王」もそうだけれど、モーツァルトの歌曲って、ソプラノ難しくないですか?

ま、結婚相手なんて歌の技量で決めるものじゃない、ってモーツアルトは父親を説得すべきだろう、とは思うけれど、そのおかげでこの曲が残ったから良しとすべきか(どうせなら完成させて欲しかったけれど-何度聴いても、曲が終わっていない感じがして気持ち悪いのだ)。

聴く曲は歌えるほど聴くが、聴かない曲は全く聴かない私。モーツアルトの歌付きの曲では、レクイエムを聴くことが圧倒的に多く、このC-minorを聴くことは殆どない。そんなまっさらな状態だからか、バッハやヘンデルの曲が自然に頭に浮かんでくる。天才モーツァルトも先人に学んだ、という証拠なのだろう。

さて、ソリストは下記の通り。この曲、ソプラノ2人の活躍の場は多いが、テノールやバス、特にバスは殆ど出番がない。

Miah Persson, sopran

Ida Falk Winland, sopran

Toby Spence, tenor

Markus Schwartz, bas

ソプラノMiah Perssonはなかなかの技巧派とみた。声を転がしたりするのも上手いし、巻き舌も綺麗。Ida Falk Windlandは、声に少しメゾソプラノのような迫力がある。残念ながら最高音がいまひとつ出切らなかったのと、声を転がすのが得意ではないようではあったが。

テノールのToby Spenceは、とても神経質なのか、自分の出番が来るまで、不安げに聴衆を眺めたり(不安なのなら、そんなに一人一人を見つめなくても良いのに。。。)、Gustavoに問いかけるような視線を投げたり、落ち着かなかった。しかし、まあまあ上手く歌った(特にSanctusの部分は良かった)。Markus Schwartzは、あまりに出番が少なすぎて。。。でも、バスとは思えない声質だった(彼はバリトンなのかと思った)。

全体的に、なかなか良い出来だったとは思うけれど、聴衆も含め、早く「地域のコーラスグループ(&オーケストラ)」から脱却して欲しい-コーラスの演奏が終わったところで拍手した人!!ま、ロンドンくんだり(のんぼり?)から、この演奏を聴きに来ている方が余程物好きなのだろうが。

前から3列目は、「聴く」には前過ぎるかもしれないけれど、歌手のエネルギーが伝わってくるし、Gustavoの動きをきちんと目に収めることができて楽しかった。コーラスに指示をしていたときの手の震えが今も目に焼きついている。

明日の演奏も楽しみである(ちなみに前から2列目-そこしか残っていなかったので)。