Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

命を削るかのようなシューベルト-イアン・ボストリッジ@ウィグモアホール、ロンドン

2010-05-29 21:30:00 | コンサート

コペンハーゲンから戻り、休む暇もなく(って遊んでいるだけだけれど)ウィグモアホールへ向かった。

今日はイアン・ボストリッジ&アントニオ・パパーノでAll Schubert program。

Widerschein, Der Einterabend, Die Sterne, Schewanengesangで、昨年EMIから出されたCDと同じ。

歌曲は正直、時々眠くなることもあるから、少々強行旅行のすぐ後、とても心配だった。しかし、CDよりさらに感情移入したようなボストリッジに、眠くなるどころではなかった。

朗々と歌う歌唱法は、本来のドイツリートとは違うのかもしれないけれど、純粋に美しいものを聴いている感じがして好きだ(ドイツ語が分からないので、彼の発音が上手いのか下手なのか評価できず)。また、特にAufenthalt、Der Atlasといった曲は、激しい歌いっぷりに、彼は殆どその命を削って歌っているのではないかと、心配にすらなった。

パパーノの伴奏-CDより弾けていないように思うのは、気のせいだろうか。Abschiedのスタッカートとか、もう少し軽快に弾いて欲しいのだけれど。パパーノは指揮者としては凄いと思うが、ボストリッジのピアノパートナーとしてはドレイクのほうが好きかも。ドレイクはボストリッチを支えるお兄さん、という感じだが、パパーノは背が低いこともあって、最後ボストリッジに殆ど抱えられ、会場の笑いを誘っていた。

月曜日も同じプログラムだけれど聴きに行ってしまう私。でも、これ以上ボストリッジの命削りに加担してはいけないような気も。。。


気候が文化を創る?-コペンハーゲン国立美術館@コペンハーゲン、デンマーク

2010-05-29 18:00:00 | ヨーロッパ

イェーテボリからの帰途のコペンハーゲン、国立美術館に立ち寄った。

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とても立派な建物。庭も綺麗。ライラックなのだろうか、薄紫~紫色の花が美しい。

常設展は無料。良心的だ。デンマークの画家を中心とした部屋の絵画は、はっきり言って-暗い。死をテーマとした絵画が本当に多い。デンマークの画家の部屋には、ノルウェーの有名な画家、ムンクの作品も飾られていた-ムンクも負けずに暗いが。

やはりこの気候が、こうした暗い絵やテーマを選ばせるのだろうか。スペインやイタリア、南仏では、こんな色やテーマは想像もできないだろう。だいたい、こんな色は生活の中に存在しないように思う。

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その他の画家では、マチスの作品が比較的多くあった。また、ピカソ、ブラックの作品など。ブラックのメロンの静物画が良かった。油絵のようだが、ちょっとパステル&水彩画のようでもあった。

作品数は多くないが、普段あまり見ることのないデンマークの画家の作品が多く、デンマーク理解の一助になるのではないかと思われる。

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さて、美術館の後は歩いて市街地へ(とても近い)。これでもか!といわんばかりにペストリーを購入した。代々木八幡の「イェンセン」には敵わないけれど、ロンドンのデニッシュよりは美味しいので、ここ暫くの食料になってくれることだろう。