Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

アウリン四重奏団-今夜は努力賞@ウィグモアホール、ロンドン

2010-04-05 00:30:00 | コンサート

アウリン四重奏団、今夜はOp.18-6、Op.130とOp.133(大フーガ)。

Op.130が始まった時の音を聴いて、これは期待できるかも?と感じた。しかし、やはりこの曲は難しいのだろう。全体としていっぱいいっぱいという印象。弾けていないわけではないけれど、ごちゃごちゃした感じが残ったまま。チェロは音が外れて-と思ったら、C線が狂ったらしい。オケなら他人が弾いている間に直すなり、楽章が終わるまで弾いている振りをするなり(私だけ?)対応できるが、1パート1人、しかもベースとして曲を支えるパートが無いのはつらい。ごめんね、ずれた音がするたびに見てしまって。

ごちゃごちゃ感は、大フーガにも引き継がれてしまった。終了時、会場からはおじさんたちの熱いコールが飛び出したが、個人的には今日のコールには同意しかねる。

どちらかといえば、アンコールに演奏されたハイドンの「日の出」からアダージョがカルテットとしての一体感もあり、演奏として美しかったと思う。ベートーベンにもこのくらいの余裕をもった演奏が必要ではないか。

結成から20年以上を過ぎて、皆少し技術的には衰えが出始めているのではないか、と思ってしまうが。。。明日のOp.135に期待しよう。


アウリン四重奏団、ベートーベン@ウィグモアホール、ロンドン

2010-04-04 01:30:00 | コンサート

イースター四連休、ブダペストへ行こうかNYへ行こうか悩んでいた矢先にクレジットカードの不正使用が発覚(私の気持ちを汲んだのか、カードだけ幽体離脱してNYに飛んでいたらしい)。気持ちも殺がれて、ロンドン居残り決定。というわけで、ウィグモアホールでのアウリン四重奏団3夜連続演奏会に出かけることにした。

ブログ上でいたって評判の良いアウリン四重奏団。少々期待が勝ちすぎたか-最初はファーストヴァイオリンの音が浮いているように思われた。しかし、そのうち、演奏も落ち着いてきたのか、ブログ上で評判の良い「まるで1つの楽器から聴こえてくるような和音」を確認する部分が増えてきた。

ファーストヴァイオリンのMatthias Lingenfelderのフォームは少々不思議である。どうも左腕が腕の付け根からリストに至るまで全体的に固定されている風で、何か障害があるのか?とすら思ってしまうのだが、きちんと演奏は出来ているようだ。これもスタイル、なのだろうか。椅子も、通常はチェロがピアノ用の高さ調節可能な椅子を使うと思うのだが、Matthiasがピアノの演奏会用椅子を用い、他のメンバーは普通のスチール椅子(それでも高さは調節可能)で、それもこんな思考を誘発した。

1月の演奏会に続いてのベートーベン四重奏曲の演奏(1月は帰省中で聴いていない)で、今日はOp.59-1とOp.132。132の第3楽章はまるで黄昏を思わせるようであった。思わず、死にたくない、まだ聴きたい音楽が沢山ある!!などと思ってしまったが、ご存知の通り、実はこの曲はベートーベンが病から復活したころに作曲され、彼自身によって「神への聖なる感謝の歌」と題された楽章である。それが分かっていて「死」や「黄昏」を思うのだから、相当いい加減な私の脳みそだ。

さて、あと2夜、どこかで「確かに現代最高の四重奏団だ」という演奏を聴かせてくれるだろうか?