厚生労働省は2024年10月からコロナワクチン定期接種として5種類のJN1変異種対応の新型コロナウイルスワクチンを、65歳以上などを対象に接種を進めています。ホームページには掲示用のパンフレットも掲載されていて、「ワクチンの効果」と題する項目には、オミクロンXBB1.5対応ワクチンの効果として、新型コロナ感染症による入院を40-70%抑制する効果があった様な歯切れの悪い記載があります。
そこでワクチン有効性についてわざわざ例示されているJAMAに掲載された論文を読み解いてみました。
JAMAはアメリカ内科学会の学会誌で非常に権威のある雑誌であり、記載された内容は信用に値します。この論文の著者が主張したいのはどうもワクチンの有効性ではないと考えます。以下に読み解いた内容を示します。
目的はXBBワクチンの有用性だが・・
著者は新型コロナ感染症に対して、変異を繰り返して流行が何度も起こる現実は、「以前のワクチン接種が全く無効だから新たにワクチンを接種しましょう」と言いたかった様ですが、結論を得るまでに行った解析からは違う結論が出てしまいます。
ワクチン接種者のコロナ以外の入院率が増加
左の図データをわかりやすく表に読み込むと右の様になる。
対象となったのは18,199名の急性呼吸器症状で救急外来を受診した患者で、2,977名が入院加療を要しました。これらのうちコロナ検査陽性だったのは2,854名で、15,345名がコロナ以外の呼吸器感染症と診断され、入院はそれぞれ391名がコロナ、2,586名がコロナ以外の誤嚥性肺炎とかマイコプラズマ、インフルエンザとかによる入院と考えます。
この時点でコロナに対するワクチンの有効性が391名の中での比較で元々の18,000名の母集団に比べて「え?」というレベルの対象数の小ささであることが解ります。
表に示す様に、XBBワクチンを投与した患者の入院比率は13.7%でワクチン未接種者の15%よりも低いことは事実です。しかしXBBワクチン以外の古いワクチンを接種した(XBBは打っていない)人達のコロナによる入院比率はワクチン未接種者よりも多く、むしろ悪影響しか出ていないことが解ります。これは抗体依存性感染増強を証明したデータと言えます。
問題は対象患者が圧倒的に多い「コロナ以外の呼吸器疾患の入院比率」で、ワクチン接種者は軒並みワクチン未接種者よりも高率に入院しています。統計的有意差では、コロナ以外の入院についてのワクチン接種の有害性を確実に証明した論文と言えます。
ワクチン接種は確実に免疫を低下させていると結論づけられます。
コロナのために救急受診した率もワクチン接種者の方が少ないという結論も間違いではないが
ちなみに救急受診もワクチンで抑制されたとする根拠は同じ図の数値から得られる上記の表なのですが、XBBがとても有効といいながら前の株であるBA4.5を接種した人のコロナ陽性数がやけに少ない。こうなると住民全体の母集団における接種、未接種から計算する必要があり、論文が成り立たなくなります。だからあっさり未接種者よりも接種者のコロナ陽性率が低いと言うに留めているようです。逆に言うとBA接種者はコロナ以外の呼吸器疾患による救急受診が増加していることになる。
この論文の著者が本当に言いたかったのはむしろ接種者の易感染性ではないでしょうか。JAMAと言えどもワクチンが有害と結論づけた論文は掲載が困難な現状です。解析しやすい元データを載せて「こっそり事実を記載して解る人に気づいてもらう」のが現在世界中の科学者達が行い得る抵抗です。もしかしたらこの論文を引用した厚労省のお役人たちも「論文を読んでワクチンの現実に気づいてくれ!」という思いだったかも知れません。
追記
パンフレットにはJAMA以外にも長崎大学のXBB予防接種の効果分析、オランダの分析、CDCの分析が載っているのですが、JAMAほどの正確性がありません。単純にコロナ陽性者の中でXBBを投与したかどうかを比較しているだけで、一切ワクチンを打っていない人との比較が不十分です。分かりにくくなるので敢えて載せませんでしたが、長崎大の分析では、入院に関してはワクチン接種の方が効果があることになっていますが、投与しても時間が経つと未接種のほうがマシという結果でした。(下図)
発症予防について、あらゆる年齢で接種後時間が経つと効果がなくなり、未接種者と同様の状況、65歳以上についてはむしろ接種していない方が良いという事?(論文内に説明はない)
入院予防については接種者に効果ありでデータとして面目を保つ。但し武漢型とかは全く効果なし。
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