八王子 印鑑 楽善堂
創業1899年:明治32年。東京:八王子 文字工房楽善堂では良いものを長く、一生お使いいただくのにピッタリの感触をご確認いただきたく、実際に印鑑材料をさわってみて、指との相性を見ていただく事をおすすめしております。
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────
こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
印鑑の文字の彫り方で、朱文(しゅぶん)、白文(はくぶん)という分け方があります。
朱文を陽刻(ようこく)、白文を陰刻(いんこく)とも言います。文字を残す彫り方が朱文、文字を削り取ってしまう彫り方が白文です。ほとんどの実用印(実印、銀行印、仕事印などビジネスで使用する印鑑)は朱文で彫ります。お客様からお仕事をいただく時、実用印の場合、どちらの彫り方かはお聞きしません。
朱文、白文の違いをお聞きしなければならない場合が、落款印(らっかんいん)の場合です。先日お受けした仕事も「あとでご連絡しますね」とおっしゃるお客様で保留になりました。
おそらく、お稽古ごとの師匠に聞くか、お仲間に聞いてからにしたかったのでしょう。落款印は書道や、日本画など、作品が仕上がった時に押します。落成款識(らくせいかんし)が元の意味です。雅号などをお持ちの場合、雅号を朱文、本名を白文で彫ったりします。一つの落款印しか押さない場合は、どちらでも使う方のお好みです。
同じ文字でも白文は朱文よりも線質を太くほります。そうでないと、貧弱な作風の白文になってしまいます。
▲朱文と白文の落款印。左と中央が白文。右は朱文(通常の印鑑の彫り方)です。
文字は左「自祐」(右から左へ読みます)。中央は縦書きで「章江」。右は「静子」です。
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