印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

印鑑の文字(3) 篆書(てんしょ)の章法

2008年09月02日 | 印鑑の文字

──── 八王子で印鑑を作り続けて100年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

9月になって夏がぶり返してきました。長雨の後は夏日差しです。でも、ふと気が付くと風だけはどこやら秋めいた感がありますね。

印鑑に一番多く使われている篆書(てんしょ)。この篆書を彫るにあたっての作法に「篆刻三法」があります。字法、章法、刀法の三法です。

前回に書いた字法は、どの篆書の文字を選ぶかを考えることでした。
章法とは、印鑑の文字の面積割合を工夫することです。
例えば「工藤」さんという印鑑の仕事をもらった時に「工」も「藤」も同じ面積に入れてしまうと、「工」が、随分大きく見えてしまいます。

字法で「工」の字で画数の多い字を選んだとしても、やはり「工」は3割から4割の面積、
残りは「藤」に場所を譲ってあげます。これを章法といいます。

見本に「旭工業」という文字の篆書を出してみます。「工」の面積が狭く、「業」の面積が広いのが、よくお分かりいただけるかと思います。「旭」はその間の面積です。

字法、章法など工夫を重ねることで、洗練された美しい印が仕上がります。

▲篆書で「旭工業」と書いてある。


楽善堂のホームページ
http://rakuzendo.com

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