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「相続土地国庫帰属制度」について

2023年09月25日 | 不動産コンサルティング
 2023年4月末からスタートした「相続土地国庫帰属制度」。相続した土地を管理できない人は、負担金を支払って、土地の所有権を国に移転するという制度です。この制度のパンフレットの中に「国庫に帰属できない土地」がいくつか挙げられていますが、その一つに、「除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地」というものがあります。建築物を安全に支えるために杭工事や地盤改良工事が行われますが、この工事では、必ず地中に「有体物」が残されます。杭工事や地盤改良工事の仕様は、建てる建築物の規模や地盤の軟弱さ、地層構成等で決まりますが、建てる建築物の自重を支えることができない軟弱な地盤であれば、何らかの有体物が残されるので、このような土地を相続した人が、国庫帰属制度を利用しようとするなら、有体物を撤去しなければならないことになります。 このように、杭の撤去は、再利用が可能な場合や、処分費用が発生しないばかりか、スクラップとして売れる場合もあるので、建築物を建てる場合は、杭の撤去のことまでよく考えておく必要があると言えるでしょう。先祖代々の土地で、転売の可能性が全くないが、建築物を数十年に一度更新する可能性があるという人の場合、再利用しやすい杭体を選定しておくことをお勧めします。一方、転売を想定している人は、転売時に、杭の撤去費用の割引を求められる可能性があるので、建設時点で撤去費用や杭の処分費用を考慮して、投資計画を立てることをお勧めします。

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