弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【商標】チバニアン

2017年06月08日 08時54分13秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
関東地方、昨日梅雨入りしたそうですね。
それにそぐわしい空模様の湘南地方です。

そんな中お出かけ予定です。。。。


さて、今日はこんな記事。

産経新聞配信記事より引用)
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チバニアン申請 「興味高まる」「心から期待」

国立極地研究所などのチームは7日、「千葉時代」を国際学会に申請した。
「チバニアン(千葉時代)が認定されれば、世界中から多くの人が訪れる」。
正式な申請に先立ち同日に文部科学省で開かれた会見で、チームの一員で千葉大の亀尾浩司准教授はこう述べ、期待を膨らませた。
地質時代に認められれば知名度アップのみならず、観光や地域教育面でも効用が見込め、森田健作知事らが喜びのコメントを出すなど歓迎ムードが広がった。

亀尾准教授は会見でさらに、「優れた研究の材料が身近にあると今後の教育に役立ち、地元で地学への興味が高まるのでは」と、地学教育への好影響に期待感を表明した。
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(引用終わり)

…すみません、そんなに騒がれていたんですか?


そんでまあ、こういった話題だと必ずといって良いほど出てくるお話として、
“無関係な第三者”の出願。

産経ニュースより引用)
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早くも「チバニアン」を商標登録…国立極地研が異議申し立て 印刷物の除外求める

日本の研究チームが地質年代の名称として国際機関に提案する「チバニアン」が商標登録され、
国立極地研究所などが特許庁に異議を申し立てたことが7日、分かった。チームが会見で明らかにした。
特許情報のデータベースによると権利者は千葉県市川市の人物で、貴金属やキーホルダー、印刷物、
おもちゃなどを対象に3月に登録された。チームとは無関係の人物という。
同研究所などは、このうち印刷物について登録から除外するよう今月1日付で申し立てた。

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(引用終わり)

問題となっている商標登録がこちら(記事上も権利者名明記してないのでカット)


公報発行日が4/4なので、ぎりぎりですな。
異議理由を何で申し立てたか…
先行登録があるわけではなく、普通名称化していたわけでもない。
7号、15号、19号あたりなのでしょうが、、、15号、19号はまず無理だろうし、
7号(公序良俗違反)に頼ることになる、のかな?

個人的には、この異議を認めちゃうようだと制度の運用としては歪みが大きすぎるのでは?と思ってしまう。
「啓蒙(けいもう)のための本やパンフレットなどで問題になり得ると考えた」
のならば、じゃあ先に出願しとけばよいのに、と思ってしまう。
あるいは登録される前に情報提供をすることもできる。
個人の方の出願=bad faithによる出願、と即断するのはさすがに色眼鏡で見過ぎ。

どうひいき目に見ても、自発的に商標での保護を考えたのではなく、後から知って驚いた、というパターン。
こういうの、“後の祭り”というんだよなー。

コメント
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