弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【商標】特許庁、ついに「冒認出願」対策を打ち出す

2017年06月21日 08時45分08秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
梅雨の雨、雨、雨 な湘南地方です。

さて、たまには知財記事書かないとコンセプトブレまくりなので、
今日はこんなネタ

(日経新聞より引用)
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無関係の商標出願に対策 特許庁、却下待たず次の審査

タレントのピコ太郎さんの「PPAP」など、当事者とは関係のない第三者による商標出願が相次いでいるのを受け、特許庁が対策を打ち出す。現行制度では先願者の申請が却下されるのを待つ必要があるが、今後は却下を待たずに審査を始める。問題のある出願で実際に商標を活用する企業などが不利にならないようにする狙い。

21日に公表し、同日から運用を始める。これまでの運用では、申請却下を待つため、登録まで最大で通常の審査期間の2倍となる1年弱かかっていた。民間からの改善要望を受け、特許庁は今後は同じ商標で先に出願者がいても却下を待たずに審査を始め、先願者の出願が却下された段階で登録する。

(以下略)
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特許庁もやっとこさ運用を変えますか。
この件については本ブログでも過去に取り上げた(例えばこちら)。
私の意見が採用された …そんなわけないか(笑)

年間の出願の1割が“無銭飲食”なら、そりゃ対策組んでしかるべきで。
なんならその分の行政コストを「特定の一人とその関連企業」に請求すればいいんじゃないかと思う。
約2万5千件の処理(実体審査に至らずとも受理業務はされる)だって公費を浪費しているわけで。
過誤で不納付の出願人は救済しても故意に支払わないでシステムにただ乗りするのを看過するのは
行政の公平取扱いの原則に照らしても妥当ではないと思う。

さあ、これで少しは「PPAP出願」は沈静化するのか…
不納付で却下されたとしても行服法に基づく不服申し立て…はしないのだろうな。
出願費用を後追いで納めることも、しないか。ビジネスとして間尺に合わないだろう。
どのみちこの事態は本人も想定していただろうから、既に次の手は考えているのかな、と予想。



コメント
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