弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【商標】流行語大賞で学ぶ商標2017(第1回)

2017年11月13日 08時02分41秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
気持ちの良い冷えた空気の湘南地方です。

さて、今年もこんな季節になりました。
恒例ネタですね。今年で6回目(昨年の記事はこちら)。

今年はもう一つかなぁ…と思いつつ、始めたいと思います。

(1)その分野で通常使われない表現(言語)なら、独占性ありの可能性も(「アウフヘーベン」)
 この言葉を聞くと、学生の頃を思い出します。
 …いや、別にそんな深い学問的な話ではなく、大学入りたての学生が初めて耳にする言葉を
 “お前それ言いたいだけやろ”的に使っていただけの。
 何の講義で出てきた言葉だったっけ…?法学?語学?哲学?

 判りそうで判りにくいアウフヘーベン(aufheben)という言葉。
 単なる「足して2で割る」ではなく。「二者択一」でもなく。
 「第三の答えを見つける」が、敢えて言えば近いのでしょうか?
 少なくとも「止揚」という言葉よりは判りやすいかと。

 しかしまあ、これほど現代日本の政治分野にそぐわない言葉も無いような気がしますけどね。
 それこそ“お前それ言いたいだけやろ”的な…。

 さてさて。商標の話でした。
 そんなもう一つつかみどころのない言葉を登録商標としている会社がありました。



 上記の他にもう1件、24類(織物、生地関連)についても取得しています。
 こういう商標見ると、ネーミングの過程を想像してしまいます。
 素材的に、AにはAの欠点、BにはBの欠点があり、だけど両者を組合せると相互に補い合う特異な製品ができる、といった感じの。
 ※注:完全に筆者の想像です。

 仮にその想像通りの製品だったとしても、その品質との関係において「アウフヘーベン」は極めて抽象的な暗示の範疇なので、
 当然に独占適応性の要件を満たすことになります。そもそも服飾の分野でドイツ語ってあまり使われないですしね。


そんなわけで、明日に続く。





コメント
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