弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事】フランク三浦、その後(「浦」の点は無い)

2018年03月23日 07時33分25秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
花曇り、っていうのでしょうか?今にも降り出しそうな空模様の湘南地方です。



通勤路の桜。五分咲きくらいかな。早いなー。

さて、「そだねー」の商標登録出願が話題になっていますが、そちらは昨日FBで書き込み、色々意見交換したので
興味のある方はそちらをご覧になってください。
…もし本当にお菓子を出すとするなら、カーリングのストーンの形をしたお饅頭か最中、なんだろうな、きっと。

同じ商標ネタだけど、敢えて別のネタ。今日はこちらの記事。

(「日経ビジネスオンライン」より、冒頭部を引用)
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国境を越えて広がる知的財産権に対する意識の高まり。多くのグローバル企業が特許や商標権などの侵害を巡って国際紛争を繰り広げている。そんな中、一部の腕時計ファンから世界的注目を集めた一大国際紛争が昨年決着した。「フランク・ミュラーvsフランク三浦紛争」だ。

時計の企画開発などを手掛けるディンクス(大阪市)の下部良貴社長がフランク三浦の開発を思い立ったのは2011年頃。あくまで「パロディ商品」と位置付け、価格はフランク・ミュラーの100分の1以下に設定。「時計の歴史を200年早めた時計職人ブレゲの再来」と言われるミュラー氏に対し、「グレコローマンスタイル400戦無敗の謎の天才時計技師・フランク三浦氏(4ページに写真)が立ち上げたブランド」などと主張して市場投入に踏み切った。

しかし、「こそばかして、笑い飛ばしてもらうつもりだった」大阪流の笑いは、世界を席巻する超一流ブランドには通用せず、相手側は反発。商標登録を巡る紛争は知的財産高等裁判所にまでもつれ込むトラブルに発展し、大阪の普通の中小企業は「注目の国際紛争の主役」になってしまう。係争勃発から6年。下部社長が今、全てを語り切る(注:こそばす=くすぐる、方言)

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(引用終わり)

詳細はリンク先の記事を読んでいただければと思うのだけど、
目を引いた点は以下の通り。

・商標がすんなり登録されたと思ったら、ある時いきなりFacebookのフランク三浦のページが消された。
・あれよという間に無効審判請求が認容された。
・フランク三浦の売上はディンクスの売上の数パーセントだが、「納得がいかない」ので対抗した。結果、無効審決棄却が確定した。

当事者の生の声は貴重。まあこの社長さん、結構内実をあけすけに語ってくれているというのもあるけど
(“フランク三浦でビルを建てたわけでもないですし。大体価格が数千円でしょう。コストを差し引いたら、僕らのマージンっていくらなんだっていう話ですよ。”とか)。

本文中にもあるけど、「フランク三浦がダメなら「パロディ」とか「サブカル」という分野は全部あかん」となってしまう、という点は、
そうかもしれず、いややり過ぎかもしれず、というのが個人的な見解。
外観上の一致点も少なからずあったものだし、需要者がネタにして許容されるのと、価格帯こそ違えコンペティターがネタにして許容されるのとは、境界線がちょっと違うように思う。

ところでこの社長さんはPL学園で野球部に所属していた。元ヤクルトスワローズの宮本慎也さんとは旧知の中らしく、インタビューの最後の方はその話。その流れの中で、インタビュアーの締めの言葉が
「やっぱり一流は一流たる理由があるんですね。」
っていうのに他意を感じてしまうのは、ちょっと意地悪だろうか。

さて、金曜日。なんとか頑張ります。
コメント
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