おはようございます!気持ちの良い青空が広がる@湘南地方です。
朝から娘とドライブto江の島、そして久々あさかぜ事務所江の島ブランチでした。
さてさて、掲題の件。
侵害訴訟は侵害訴訟で係属している模様ですが、
これに先立って昨年請求されていた無効審判の審決が出たようです。
請求人は「AFURI株式会社(=ラーメン屋さんの方)」
被請求人は「吉川醸造株式会社」 です。
請求の理由は主に以下の3つ(あと19号と7号があるけどそこがメインの事案ではないので省略)。
(1)被請求人の有する商標「雨降」が、
先行商標「AFURI」と類似する(商標法第4条第1項第11号)
(2)商標「AFURI」は「日本酒」において周知であり、「雨降」はこれと類似する(商標法第4条第1項第10号)
(3)商標「AFURI」はラーメン店として著名であり、商品・サービスの類否を超えて混同を生じるおそれがある(商標法第4条第1項第15号)
で、審判では請求人のいずれの主張も認められず。
(1)→「雨降」と「AFURI」とでは、外観・称呼・観念のいずれでも相紛れるところがなく、非類似
(2)(3)→上記(1)と同じく、そもそも商標は非類似。
また下記のとおり判示し、飲食物の提供についての周知性も否定。
“以上からすると、使用商標を使用している請求人店舗は、東京都、特
に23区内において11店舗が存在し、本件商標の登録査定時までに、請求
人店舗が2回テレビ番組に取り上げられていることから、使用商標は、請求
人の業務に係る「ラ―メンの提供」(請求人役務)について東京23区内を
中心に一定程度の周知性があるものと推認されるとしても、請求人役務の我
が国及び外国における周知性の度合いを客観的に判断するための資料、すな
わち、請求人役務の売上高及び広告宣伝費の数値を裏付ける具体的な証拠、
これらの数字の多寡について、比較すべき客観的な証拠、市場シェア、さら
に、広告宣伝の方法、内容及び回数などの状況を具体的に示す証拠は見いだ
すことはできない。
してみれば、請求人の提出に係る証拠からは、使用商標が、請求人役務に
ついて使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において
、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めること
はできない。”
もちろん特許庁の審判における認定判断は裁判所の認定判断を拘束しない。
とはいえ、
・「雨降」と「AFURI」は非類似(特に観念における以下の判示はポイント)
“さらに、観念については、本件商標は「雨の降ること。雨が降っている間
。雨降り。」の観念を生ずるものであるのに対し、引用商標は観念が生じな
いものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。”
・「AFURI」は、ラーメン店としても(商標法上の)周知には至っていると判断できない
という2点は、個人的には要注目、と思った。
赤字部分は、「『AFURI』は造語であって、当該つづり字からは特定の地名を想起させない」ということ。
裏を返せば、「AFURI」は(地名のように)誰でも使える表示ではない ということが判示されている。
請求人は、この無効審判は棄却されたけれども、侵害訴訟にはプラスになる判断を得られた、と言えるのではないだろうか。
“王手飛車取り”の典型例ですな。
以前のエントリで述べた通り、酒造会社さんとしては「雨降」は使用OKだけど「AFURI」は使用NG、ということになるんじゃないかな、と。
ともあれ引き続き動静を見守ることとします。
朝から娘とドライブto江の島、そして久々あさかぜ事務所江の島ブランチでした。
さてさて、掲題の件。
侵害訴訟は侵害訴訟で係属している模様ですが、
これに先立って昨年請求されていた無効審判の審決が出たようです。
請求人は「AFURI株式会社(=ラーメン屋さんの方)」
被請求人は「吉川醸造株式会社」 です。
請求の理由は主に以下の3つ(あと19号と7号があるけどそこがメインの事案ではないので省略)。
(1)被請求人の有する商標「雨降」が、
先行商標「AFURI」と類似する(商標法第4条第1項第11号)
(2)商標「AFURI」は「日本酒」において周知であり、「雨降」はこれと類似する(商標法第4条第1項第10号)
(3)商標「AFURI」はラーメン店として著名であり、商品・サービスの類否を超えて混同を生じるおそれがある(商標法第4条第1項第15号)
で、審判では請求人のいずれの主張も認められず。
(1)→「雨降」と「AFURI」とでは、外観・称呼・観念のいずれでも相紛れるところがなく、非類似
(2)(3)→上記(1)と同じく、そもそも商標は非類似。
また下記のとおり判示し、飲食物の提供についての周知性も否定。
“以上からすると、使用商標を使用している請求人店舗は、東京都、特
に23区内において11店舗が存在し、本件商標の登録査定時までに、請求
人店舗が2回テレビ番組に取り上げられていることから、使用商標は、請求
人の業務に係る「ラ―メンの提供」(請求人役務)について東京23区内を
中心に一定程度の周知性があるものと推認されるとしても、請求人役務の我
が国及び外国における周知性の度合いを客観的に判断するための資料、すな
わち、請求人役務の売上高及び広告宣伝費の数値を裏付ける具体的な証拠、
これらの数字の多寡について、比較すべき客観的な証拠、市場シェア、さら
に、広告宣伝の方法、内容及び回数などの状況を具体的に示す証拠は見いだ
すことはできない。
してみれば、請求人の提出に係る証拠からは、使用商標が、請求人役務に
ついて使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において
、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めること
はできない。”
もちろん特許庁の審判における認定判断は裁判所の認定判断を拘束しない。
とはいえ、
・「雨降」と「AFURI」は非類似(特に観念における以下の判示はポイント)
“さらに、観念については、本件商標は「雨の降ること。雨が降っている間
。雨降り。」の観念を生ずるものであるのに対し、引用商標は観念が生じな
いものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。”
・「AFURI」は、ラーメン店としても(商標法上の)周知には至っていると判断できない
という2点は、個人的には要注目、と思った。
赤字部分は、「『AFURI』は造語であって、当該つづり字からは特定の地名を想起させない」ということ。
裏を返せば、「AFURI」は(地名のように)誰でも使える表示ではない ということが判示されている。
請求人は、この無効審判は棄却されたけれども、侵害訴訟にはプラスになる判断を得られた、と言えるのではないだろうか。
“王手飛車取り”の典型例ですな。
以前のエントリで述べた通り、酒造会社さんとしては「雨降」は使用OKだけど「AFURI」は使用NG、ということになるんじゃないかな、と。
ともあれ引き続き動静を見守ることとします。