弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

事務所開設12年目!
本ブログがKindle本に!「アマゾン 三色眼鏡」で検索!!

【農水知財】育成者権管理機関

2022年07月13日 08時23分51秒 | 農水知財
おはようございます!
☔雨シトシト な@湘南地方です。
なんか、季節の順番が逆になったみたいな。
先に夏が来てその後に戻り梅雨、っていうの?

低気圧だと調子ももう一つですが、まあ頑張ります。

さて、今日はこんな記事

(JAcomより引用)
==================================
農産物の登録品種など知財の海外流出防止へ「育成者権管理機関」を 農水省有識者検討会 2023年度設置めざす

農産物の登録品種の海外への流出などを防ぐため農林水産省が設置した有識者の検討会は7月8日、流出防止などへ向けて、「専任的に知的財産権の管理、国内外での侵害の監視・対応、海外ライセンスを行うことができる育成者権管理機関を設置すべき」との中間論点整理を公表した。今後、検討を深めて年内をめどに育成者権管理機関のあり方について最終とりまとめを行う。

・・・・
新品種の海外流出が問題となる中、新品種を知的財産として保護する種苗法の改正で、品種開発をした育成者権者が登録品種の海外持ち出し制限や自家増殖の許諾性を活用することで、流出防止に取り組みやすくなったとされる。

しかし、実際には公的機関や個人の育種家、中小の種苗会社では、知財管理の体制や予算は限られ、登録品種の管理を十分に行うことは難しいと検討会は指摘。さらに海外での侵害を監視することは困難で、種苗法が改正されても実際の対策は不十分なのが現状とされている。

こうした現状に対して検討会は、育成者権者の意向をふまえて、育成者権の信託や利用権の設定を受け、専任的に知財を管理する育成者権管理機関を設置すべきと提起した。
(以下略)
==================================
(引用終わり)

記事によれば、フランスなどでは種苗企業が出資して設立したシカソフという団体が国内外の4400品種を管理し、年間98億円から126億円のロイヤリティを得ている、とのこと。
国策として日本の農水知財を守る、という体制の方が、この分野の特性を考えれば適切なのかもしれない。

“しくじり事例”として言及されるシャインマスカット、ちゃんと保護していなかったばかりに年間100億円規模で損失が出ているとも。
まあそれはそうなんだけど。
知財保護って先行投資の側面は強いからなぁ。制度を改正したから即状況が改善する、というわけではなく。
企業体力というか経営基盤がしっかりしていないと、中長期的な施策を打つことが難しいのは民間企業も国も同じ。

機関の運営自体は民間で行うことが適切、とされており、こういうところに新たなビジネスチャンスが生まれる、のか?

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【雑記】機種変更 | トップ | 【雑記】心が落ち込む理由を... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

農水知財」カテゴリの最新記事