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「極超音速」キンジャールはウソ、プーチンは開発者に騙された?──ロシア元対外情報庁長官

2023-09-07 18:26:57 | NATO・EU・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


       キンジャールを装備したミグ31戦闘機(2022年、
      対独戦勝
記念軍事パレードのリハーサルで)

 

<「無敵」のはずのキンジャールがウクライナの防空システムに撃ち落とされて、開発した科学者たちは国家反逆罪容疑で逮捕されたという>

ロシアの極超音速空対地ミサイル「キンジャール」の開発者たちは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を「欺いた」――ウクライナの元対外情報庁長官がこう指摘した。

2010年まで同長官を務めていたミコラ・マロムシュは、ウクライナのメディアに対し、開発者たちはキンジャールを「高性能兵器」と謳っていたが、実際にはそれほどの性能は発揮できなかったと述べた。

キンジャールの性能については、西側のアナリストからも疑問の声が上がっている。

ロシア大統領府は5月に入って、キンジャールの開発に携わった科学者3人が「きわめて重大な罪に問われている」と発表した。だが当時は、それ以上の情報を明らかにしていなかった。

問題の科学者はアナトリー・マスロフ、アレクサンデル・シプリュクとバレリー・ズベギンツェフだ。「航空力学分野における傑出した科学者」3人の逮捕を受け、ロシア科学アカデミー・シベリア支部の理論応用力学研究所の研究者たちは、インターネットに抗議の公開書簡を発表した。

この公開書簡によれば、3人は国家反逆罪の容疑で逮捕されたという。ロシア国営メディアは、シプリュクは2022年8月に逮捕され、マスロフは昨年6月にロシア当局に身柄を拘束されたと報じた。ズベギンツェフについてはこれまで報じられていなかったが、ロイター通信は地元メディアを引用する形で、4月7日に逮捕されたと報じた。

撃墜された「無敵のミサイル」

これとは別に、同じくシベリアにあるノボシビルスク国立大学のロシア人物理学者、ドミトリー・コルケルが2022年夏に国家反逆罪で逮捕されている。末期がんで入院中だったコルケルは、ロシア連邦保安庁(FSB)によって病院から拘置所に移送され、死亡したという。

理論応用力学研究所の職員らは公開書簡の中で、「科学界全体が衝撃を受け、憤りを感じている」と表明した。

プーチンは極超音速ミサイルシステム「キンジャール」は「無敵」のミサイルだと豪語してきた。

NATOの「キルジョイ」というコードネームでも知られる同ミサイルについてロシアは、音速の10倍まで加速可能で射程距離は2000キロ超だとしている。だが西側の専門家からはキンジャールの性能や「極超音速」であることを疑問視する声が上がっていた。


ウクライナ軍は5月16日、夜間に首都キーウを襲った「キンジャール」6発を撃墜したと発表。

これより前には、米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」でキンジャールを迎撃することに成功したとも述べていた(ロシア側は否定)。

 

ロシアの科学者3人は、キンジャールが想定されたダメージをウクライナに与えられなかったために逮捕されたと、元対外情報長官のマロムシュは22日にウクライナのメディア「TSN」に掲載されたインタビューの中で指摘した。

3人は、キンジャールを「ほかに類のない高性能兵器」と「はっきり謳って」いたと説明。「プーチンを欺いたのだ」とつけ加えた。

キンジャールが迎撃されたとすれば、攻撃が「完全な失敗」に終わったことを示していると、マロムシュはウクライナのメディア「TSN」に語った。

「だからキンジャールの開発者たちの運命もまた完全な失敗に終わることになる。彼らはロシアの軍事力の戦略基盤を損なったからだ」


本誌はこの件について、ロシア国防省と理論応用力学研究所にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

逮捕された3人の科学者の同僚たちは公開書簡の中で、「(3人は)いずれも愛国的で良識のある人間であり、捜査当局が疑っているようなことができる人々ではない」と主張し、さらにこう続けた。「我々は、同僚である彼らの今後を案じているだけでなく、自分たちが今後どうやって仕事を続けていけばいいのか分からずにいる」

「空中発射式の弾道ミサイルにすぎない」

プーチンは2018年の年次教書演説で、新型兵器としてキンジャールを発表。2022年8月にはロシアのセルゲイ・ショイグ国防相が、キンジャールはウクライナで「素晴らしい特性」を発揮したと述べていた。

アメリカの軍事専門家デービッド・ハンブリングは以前本誌に、真に極超音速のミサイルであれば、防空システムでの迎撃はきわめて難しいはずだと指摘していた。キンジャールはあらゆる点から考えて、限定的な軌道修正能力しかない「空中発射式の弾道ミサイルにすぎない」と。


 


モディ首相寄稿「GDPから人間中心の世界観に転換を」

2023-09-07 18:09:07 | 哲学・宗教・思想


     インドのモディ首相(同国提供)



「バスダイバ・クトゥンバカム」。この2つの言葉には深い哲学が込められています。それは「世界は一つの家族である」という意味です。この言葉は、国境、言語、イデオロギーを越えて、一つの普遍的な家族として進歩することを奨励する、包括的な展望でもあります。

インドが20カ国・地域(G20)議長国である今、これは人間中心の進歩の呼びかけへと変わってきています。「一つの地球」の住民として、私たちは地球を育むために集います。

「一つの家族」として、私たちは成長の追求において互いに支え合います。そして私たちは、共有する未来、すなわち「一つの未来」に向かって共に歩んでいくのです。「一つの未来」は、私たちが互いに結びつく時代において、否定できない事実です。


パンデミック後の世界秩序は、パンデミック以前の世界とは大きく異なっています。 とりわけ重要な変化が3点あります。

第一に、国内総生産(GDP)中心の世界観から人間中心の世界観への転換が必要であるとの認識が広がっています。

第二に、世界はグローバルサプライチェーン(供給網)における回復力と信頼性の重要性を認識しつつあります。

第三に、国際機関の改革を通じた多国間主義の促進を求める声が広がっています。


インドのG20議長国就任は、こうした変化の中で触媒の役割を果たしてきました。

2022年12月に我々がインドネシアから議長職を引き継いだ際、私はG20によって考え方の転換が促進される必要があると書きました。これは、発展途上国、グローバルサウス、アフリカの疎外された願望を主流化するという文脈で特に必要でした。

125カ国が参加した1月の「グローバルサウスの声サミット」は、G20議長国としての重要な取り組みの一つでした。このサミットは、グローバルサウスからの意見やアイデアを集めるための重要な試みでありました。

インドG20の会期中、関連会合に出席したアフリカ諸国の数は過去最多となっただけではなく、G20議長国として、インドはアフリカ連合をG20の常任メンバーに加えるよう働きかけました。


相互につながる世界とは、様々な領域に広がる私たちの課題も相互につながっているということを示しています。

今年は2030アジェンダの中間年にあたり、多くの人々がSDGs(持続可能な開発目標)の進捗が遅れていることに懸念を抱いています。SDGsの進捗加速に関するアクションプラン2023は、SDGsの実施に向けたG20の今後の方向性を先導することでしょう。


インドでは古来、自然と共生することが当たり前であり、現代においても気候変動対策に貢献してきました。

グローバルサウスの多くの国々は様々な発展段階にあり、気候変動対策は各国の発展を補完するものでなければなりません。

気候変動対策への意欲は資金や技術移転に関する取り組みと一致させなければなりません。

私たちは、何をすべきでないかという制限的な姿勢から、気候変動と戦うために何ができるかに焦点を当てた、より建設的な姿勢に移行する必要があると信じています。

持続可能でレジリエント(強じん)なブルーエコノミーのためのチェンナイG20ハイレベル原則は、海洋の健全性を保つことに焦点を当てています。


グリーン・ハイドロジェン・イノベーション・センターの存在は、インドのG20議長国任期中のクリーンで環境に優しい水素利用を促進する世界的エコシステムの構築を可能にすることでしょう。

2015年、インドは国際太陽光同盟を発足させました。現在は、国際バイオ燃料同盟を通じ、循環型経済の恩恵を世界中に巡らせるべく、世界におけるエネルギー転換の取り組みを支援しています。

気候変動問題をより大衆的な問題にすることこそ、エネルギー転換の取り組みに弾みをつける最適な方法です。私たちは将来的な健康のために毎日、様々な決断を下しています。

それと同じように、地球の将来的な健康に与える影響を考慮し、生活上の決断を行うことができるはずです。インド発祥のヨガが、世界で健康を求める人々の間で広がったように、世界に持続可能な環境整備を目指す、LiFE(Lifestyles for Sustainable Environment)運動を広めています。


気候変動の影響を考慮すると、食料安全保障、栄養安全保障の確保が重要となってきます。インドでシュリー・アンナと呼ばれる雑穀類は、食料安全保障、栄養安全保障の確保への取り組みを支援するだけではなく、気候変動に対応したスマートな農業の促進も可能にします。

国際雑穀年にあたり、インドは様々な雑穀を世界各国の皆様に紹介してきました。食料安全保障と栄養安全保障のためのデカン高原ハイレベル原則も雑穀の世界的な普及を支援しています。

技術は変革をもたらす力がありますが、同時に包括的でなければなりません。過去には、技術進歩によってもたらされた恩恵が社会全体に均衡に行き渡らなかった時代がありました。近年、インドは技術革新が、社会格差を広げるのではなく、狭めることができると証明しています。

例えば、世界には銀行サービスへのアクセスやデジタル身分証明を持たない人々が数十億人もいますが、デジタル公共インフラ(DPI)を活用することでこれらの人々を金融システムに包摂することができます。

デジタル公共インフラを活用しインドが開発したソリューションは、今では世界的にも知られています。G20を通じ、インドは発展途上国の内なる成長力を解放するため、DPIの導入・構築・普及を支援するつもりです。



インドが急成長する巨大経済となったのは、もはや偶然とは片づけられません。シンプルで拡張的かつ持続可能なソリューションは、社会的弱者や社会から排除されていた人々がインドの成長物語を主導する立場になるよう力を与えました。

宇宙産業からスポーツ産業、経済活動から起業活動まで、インド人女性は各方面で指導力を発揮しています。

インド人女性たちは、発展支援の対象から、実際の発展を主導する立場へと変貌を遂げました。G20議長国として、インドは性別によるデジタル格差や就労差別をなくし、より多くの女性にリーダーとなり、意思決定プロセスを担ってもらえるよう取り組んでいます。

インドにとってG20議長国への就任は、単なるハイレベルな外交上の取り組みではありません。民主主義の母として、また多様性の象徴として、私たちはG20という経験を世界と共有すべく門戸を開いています。

今日、大規模事業を成功に導く能力のある国とは、インドを意味しています。

G20議長国という任務も例外ではありません。インドにおいてG20は国民が主導するイベントになっています。インドの60都市で200以上の関連会合が開催され、G20会期末までに125カ国から10万人近い人々が代表団としてインドを訪問すると予想されています。過去のG20議長国で、これほどまで大規模かつ広範な地域で関連イベントを開催した国はありません。

誰かから、インドの人々や民主主義、多様性そして発展について聞くのもいいでしょう。

しかし、実際に体験すると異なる経験を得ることができます。G20関連イベントで訪印された皆様が証人です。

G20議長国としてインドは、参加国間の溝を埋め、障壁を取り除き、調和が不調和を打ち負かし、運命の共有が孤立を薄める世界を育むことのできる、協力体制の種をまくことに努めてまいりました。

また議長国として世界のすべての国の声が反映されるよう、議場を拡大することを誓いました。私はインドが自分たちの立てた誓いに行動と結果をもって応えることができたと確信しています。



 

 

日経記事 2023.09.07より引用

 

 


ジャパン・ハンドラーズ UCバークレー校-3 通産省は日本のシンクタンク

2023-09-07 12:45:25 | ジャパン・ハンドラーズ

チャルマーズ・ジョンソンの『通産省と日本の奇跡』は、戦後日本の奇跡的な経済復興の背景には通産省の産業政策(インダストリアル・ポリシー)があったという、当時としては非常に大胆な分析を行ったレポートでした。

そもそもは、升味準之助教授の、「日本では総理大臣よりも、選挙の結果にびくともしないキャリア官僚の通産事務次官ほうが、実際には首相よりもはるかに重要な役割を果たしている」との言葉から、日本の官僚制度に興味深く思ったのだと言います。

 

ジョンソンは「日本の成功は、アメリカのような『規制志向型国家』とは異なった『発展志向型(デベロップメンタル・ステイト)』という国家体制の性格に起因する」と主張しました。

アメリカでは、企業を規制する法として、シャーマン法などの反トラスト(独占禁止)法があり、企業と国家は、規制を「か(民間)と「かける側」(行政)という形で対立しています。

しかし日本では、国家自体が産業化を指向し、官民の対立がみられないといいます。

ここに、我々自身気が付かない、一神教の善悪二元論での対立思想と、あいまいを許容する多神教の思想があるように思われます。

 

日本は、戦前・戦中は商工省という形で、戦争遂行のための国家主導型の動員型産業政策を行っていました。戦後になると通産省という形に姿を変えはしましたが、実際には戦前・戦中と同じ産業政策をおこなってきたのではないか、というのが彼の考えです。

したがって日本は、アメリカ型の資本主義とは大きく異なった独特の「東アジア型資本主義」の道を歩んでいるのではないか、とジョンソンh結論づけました。

 

ジョンソンが、「リヴィジョニスト」(あるいは日本異質論者)と呼ばれるのは、この「日本は欧米型の近代社会ではない。異質なのだ」という強い主張に由来します。

 

 

(参考資料)

ジャパン・ハンドラーズ カリフォルニア大学バークレー校 ー1
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/8ba198b8747581d85ab8a411d4675545

ジャパン・ハンドラーズ カリフォルニア大学バークレー校ー2 通産省研究https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f87dc7ec794ff3ab63663fbc6c4797ea

 

 

 


米政府、中国の半導体高度化を警戒 新型スマホを検証

2023-09-07 11:08:37 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


  米国による制裁以降、
 ファーウェイは部品の内製化を進めてきた=ロイター

 

【シリコンバレー=渡辺直樹、ワシントン=飛田臨太郎】米政府は中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が発売した新型スマートフォンの検証を始めた。

2019年から強化してきた米国の半導体技術の禁輸で、高速通信規格5Gを搭載した高性能スマホは事実上生産が難しくなっていた。自社開発半導体を搭載し、制裁の影響を軽減している可能性もある。

注目を集めているのがファーウェイが8月に発売した新型スマホ「Mate60Pro」だ。

カナダの調査会社・テックインサイツは、ファーウェイが自社開発し、中国の製造受託会社、中芯国際集成電路製造(SMIC)が製造した「キリン」チップが搭載されていると公表した。

回路線幅は7ナノ(ナノは10億分の1)メートルで、5G通信に対応しているという。量産が始まっている「3ナノ」「4ナノ」に比べると2世代前とまだ差があるものの、SMICは先端半導体生産をリードする台湾積体電路製造(TSMC)、サムスン電子に次ぐ微細化技術を進めている可能性がある。

ただ先端半導体の量産には材料や製造装置まで幅広いサプライチェーン(供給網)を構築する必要がある。米国の技術が多く使われ、禁輸対象となっている高度な製造装置なしには効率的な量産は難しいという見方も強い。

米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は5日、「特定の半導体についてはその特性や構成の正確な情報を得られるまでコメントを控える」とし、「もっと情報を得る必要がある」と説明した。

また、スマートフォンのような消費者向け製品などのデカップリング(分断)ではなく、「国家安全保障上の懸念にのみ焦点を当てた一連の技術制限の方針は維持する」と表明した。

あるファーウェイのサプライヤー幹部は「トップ営業をはじめ、ファーウェイの部品確保の力の入れ方はすごい。

規制は順守するが、顧客である以上、売ってくれというものを断ることはできない」と話す。新製品の投入には、制裁下でも着々と力を蓄えるファーウェイのしたたかさが見え隠れする。

米連邦議会では現状の対中輸出規制が緩いとの不満がくすぶっている。ファーウェイやSMICへの規制の有効性に一段と疑念が強まりそうだ。


米政府は今年初めから、ファーウェイへの半導体などの輸出を全面的に禁じる措置を検討してきた。いまだに実現しておらず、米議会では野党・共和党から米商務省に批判がでている。

SMICも20年12月に米政府が輸出禁止対象の企業・団体に指定する「エンティティー・リスト(禁輸リスト)」に加えた。回路線幅が10ナノ(10億分の1)メートル以下の半導体を製造するのに必要な米国製品の同社への輸出は原則不許可とした。

企業は米商務省から許可を得れば、輸出が認められる。商務省の運用が緩くなっていたとして、米議会からの突き上げを受ける可能性がある。

ファーウェイは米IDCの世界のスマートフォン出荷台数調査で、20年に四半期ベースで首位となったこともある。

米制裁以降、5Gスマホなど高性能機種の生産が難しくなり、一部ブランドを独立させた。23年4〜6月の調査ではサムスン、米アップル、中国の小米(シャオミ)などに押され、6位以下のランキング外となっている。


米国、ウクライナに劣化ウラン弾供与 10億ドル支援表明

2023-09-07 08:27:59 | NATO・EU・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


ブリンケン米国務長官㊧は訪問先のキーウで10億ドル超の追加支援を表明した
(㊨はウクライナのクレバ外相)=ロイター

 

【リビウ(ウクライナ西部)=福冨隼太郎】米国防総省は6日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに劣化ウラン弾などを提供すると発表した

。健康や環境への影響があると指摘される兵器の提供には懸念も広がりそうだ。

ブリンケン米国務長官は同日、訪問先のキーウ(キエフ)で10億ドル(約1470億円)超の支援を表明した。


劣化ウラン弾は戦車の装甲を貫通する高い破壊能力を持つ。国連などは放射性物質が粉じんとなって拡散し、人体に入ると体内被ばくの健康被害を引き起こすなどと指摘する。環境にも影響を与える可能性があるとされている。


英国は主力戦車とともに劣化ウラン弾をウクライナに供与すると表明している。ロシア側は「核を成分とする武器だ」(プーチン大統領)と批判していた。

英国に続いて米国も劣化ウラン弾の供与を決めたことで、ロシアが反発を強めるのは必至だ。


国防総省が今回発表した支援パッケージでは劣化ウラン弾に加え、高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の追加弾薬や対戦車ミサイル「ジャベリン」などを含む。

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、ブリンケン氏に対し「大きな団結を示してくれたことに感謝する。

米国は戦場で支援してくれるリーダーだ」と謝意を示した。ブリンケン氏は「我々はこれからも、ともに歩む決意だ」と語った。

ウクライナは6月からロシアに対する反攻を開始した。

ゼレンスキー氏はブリンケン氏と、ロシアが占領している領土の奪回に向けた戦闘の状況や、今後の作戦の進め方などについても協議したとみられる。

ブリンケン氏は6〜7日の日程でキーウに滞在しており、総額10億ドル超の追加支援の実施をウクライナ側に伝えた。

ウクライナのクレバ外相との会談では、反攻について「順調に進展している。長期的に必要なものを持てるようにしたい」と語った。シュミハリ首相とも会談した。

ゼレンスキー氏は5日にニューヨークで開幕した国連総会に出席する見通し。9〜10日にはインドで20カ国・地域(G20)首脳会議の開催も予定されている。

米国はこうしたイベントの前に新たな支援を表明することで、ウクライナと連携を続ける姿勢を強調する狙いとみられる。

 

 

日経記事 2023.09.07より引用