ミケランジェロ 楽園追放
エデンの園とヘビの誘惑のくだりは、聖書の原文ではほぼ次のように記されています。
「主なる神はエデンに園を設け・・・食べるに良いものをもたらすあらゆる木を地に生えいでさせ、また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。・・・人を連れてきて、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされ、・・・人に命じて言われた。
『園のすべての木から採って食べなさい。 ただし、善悪の知識の木殻は、決して食べてはならない。 食べると必ず死んでしまう。』(中略) 主なる神が造ッタれた野の生き物のうちで、最も賢いのは蛇であった。 蛇は女に言った。
『園のどの木からも食べてはいけない、などと神は言われたのか』
女は蛇に答えた。
『わたしたちは、園の木の果実を食べてよいのです。 でも園の中央に生えている木の果実だけは、食べてはいけない、触れてもいけない,死んではいけないから、と神様はおっしゃいました』
蛇は女に言った。
『決して死ぬことはない。それを食べると、目が開け、神のように善悪を知る者となることを神はごぞんじなのだ』
女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるようにしそのかしていた。 女は実をとって食べ、一緒にいた男にも渡したので、彼も食べた。
二人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、二人はちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした」
男はなぜ死ぬまで働かねばならないか
続いて楽園追放のくだりがあります。
「その日、風の吹くころ、主なる神が園の中を歩く音が聞こえてきた。 アダムと女が、主なる神の顔を避けて、木の間に隠れると、主なる神はアダムを呼ばれた。 『どこにいるのか』
彼は答えた。
『あなたの足音が園の中に聞こえたので,恐ろしくなり、隠れております。 わたしは裸ですから』
神は言われた。
『お前が裸であることを誰が告げたのか。 取って食べるなと命じた木から食べたのか』(中略)
神は女に向かって言われた。
『お前のハラミの苦しみを大きなものにする。お前は苦しんで子を産む。お前は男を求め、彼はお前を支配する』
神はアダムに向かって言われた。
『お前は生涯食べ物を得ようと苦しむ。お前は額に汗を流してパンを得る。 土に帰るときまで。 お前がそこから取られた土に。塵(ちり)に過ぎないお前は塵に帰る』
主なる神は言われた。
『人は我々の一人のように、善悪を知る者となった。 今は、手を伸ばして命の木からも取って食べ、永遠に生きる者となるおそれがある』 主なる神は、彼をエデンの園から追い出し・・・」(後略)
蛇の誘惑から楽園追放に続くあたりは、まるで一編のメルヘンを読んでいるようです。
「人は我々の一人のように・・・というところで、我々とは神々という意味。 遠い昔のユダヤ人は厳密な意味で一神教ではなく、複数の神々の存在を認めていたことが、こんなところにもチラリと現れています。
英語版のゆう訳聖書を読むと、神は「エル」、複数形の「エロヒ-ム」という言葉が出てくる事からも、神が独一人神りだけの、絶的な唯一神教でなかったことが分かります。
かといって、神様がいっぱいいる多神教ではありません。 複数の神々がいて、その中の一人の神様のみ信仰するのを『拝拝一信仰』といいます。
初期のユダヤ教は排一神教であったといえます。
ユダヤ教が本当の意味での『一神教』となったのは、ヘブライ人を率いて、エジプトを脱出し、シナイ山で神・ヤハウェと契約してからだと思われます。
「エジプトで奴隷という、えらい目に会っててしまったので、今度は本当の神様・ヤハウェを信じて、みんなで軍事的にも頑張ろうな」とうところでしょうか。
ユダヤ教とグローバリズム、そして軍需産業https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/4e72aabfe26b5c0785a7772bf8409fb2
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また、一般に禁断の木の実はリンゴとされていますが、聖書中を探してもリンゴの文字はありません。
大体、リンゴは寒いところで取れるので、メソポタミア地方の作物ではありません。アダムとイブが裸であることを知り、「イチジクの葉」で隠したと聖書に書かれており、「イチジク」はメソポタミア地方が産地なので、リンゴではなくイチジクではないでしょうか?
知らんけど。
(関連情報)
旧約聖書 P文書とJ文書https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/391ae9d174b9bf986e966d9c46f32af1
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