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「空飛ぶ基地局」現実味帯びる 山間部や離島も通信圏内 ITジャーナリスト 石川温 モバイルの達人

2024-06-08 16:56:14 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


NTTドコモなどは無人航空機を飛ばして地上と通信する「空飛ぶ基地局」
(HAPS)を2026年に商用化すると発表した

 

スマートフォンの電波を空から降らせる構想が現実味を帯びてきた。

国内通信会社は衛星や無人飛行機を活用して、数年以内に災害時やこれまでエリア化できなかった場所で「空からのエリア化」を実現させていく計画だ。

 

上空20キロを旋回飛行しエリア化

6月3日、NTTドコモは同社やNTTとスカパーJSATの共同出資会社「Space Compass(スペースコンパス)」など4社が、コンソーシアムを通じてエアバスの子会社であるAALTOに最大1億ドル(約150億円)を出資すると発表した。

無人飛行機を飛ばして地上と通信する「HAPS」を使い、2026年にも日本国内で空からのネットワーク構築を行う計画だ。

HAPSとは、太陽光発電機とバッテリー、通信機器を積み、上空20キロの成層圏をグルグルと旋回飛行して地上をエリア化していく技術だ。1機あたり、直径100キロをエリアにしていく。スペースコンパスが国内でHAPS事業を手掛ける。

 

実はHAPSに関しては、ソフトバンクが2017年ごろから検討を進めている。しかし、開発を進めるうちに、成層圏に無人飛行機を飛ばし続けることの技術的な課題が見えてきた。

バッテリーや太陽光発電機、機体の耐久性など一つ一つの課題を潰している状態だ。

 

そんなソフトバンクは日本での事業展開について明言を避け続けている。なぜなら「赤道近くでHAPSを展開するのは可能だが、日本は緯度が高く、太陽光で発電し、飛行し続けるのは難しい」(関係者)というのだ。

まずは、緯度の低いところからサービスを展開し、バッテリーや発電技術の進化を待って、日本での展開につなげたい考えだ。

 

一方、NTTグループは「2026年に商用サービスを開始する」と断言する。

スペースコンパスの堀茂弘Co-CEOは「2022年には日本南部の緯度に相当する米国のアリゾナ州からフロリダ州の間を64日間飛び続けた実績がある」と話す。

 

「北海道まで飛ばすための機体開発ロードマップがあり、裏付けとなる実績もある」と胸を張った。 

さらに「ソフトバンクも熱心に取り組んでいると聞いているが、HAPS市場自体が立ち上がっていない状態。競合というよりはお互いに切磋琢磨(せっさたくま)して市場をしっかりつくっていくことが大事だ」(堀氏)とした。

 

スターリンクとの違い

もう一つ、気になるのが衛星サービスである「スターリンク」との違いだ。

スターリンクはすでに数千機の衛星を飛ばし、世界規模で衛星ブロードバンドサービスを提供。

 

戦禍にあるウクライナでも通信サービスを提供しただけでなく、今年1月に起こった能登半島地震でも、スターリンクの衛星通信サービスによって、携帯電話の通信ネットワークを回復させられたり、避難所のWi-Fiスポットの通信回線として機能した。

スターリンクはこの実績を基に、新たにスマートフォンと直接通信できる衛星ネットワークを準備中だ。

 

KDDIはすでにスターリンクを提供する米スペースXと提携し、2024年中にはスマートフォンと衛星との直接通信サービスを提供する。

スターリンクの衛星は地上550キロを飛び、将来的には数千機の衛星で地球全体をカバーしていく。スターリンクとしては日本ではKDDI、アメリカではTモバイルと提携するなど、各国の通信事業者に向けて衛星サービスを提供することで、事業基盤を築きたい考えだ。

 

同様に楽天モバイルも、アメリカの衛星スタートアップであるASTスペースモバイルと組み、2026年内にはサービス提供の予定だ。ASTは先日、アメリカでAT&Tと正式契約するなど、着々とサービス開始に向けて開発を進めている。

スターリンクはすでに実績がある一方、ASTはスタートアップということで、事業化までに資金を集められるか、今後、きちんとビジネスを回せるのかに注目が集まる。

 

スターリンクが手掛ける衛星通信サービスに対して、HAPSには勝ち目があるのだろうか。堀氏は「よく聞かれる質問だ」としながらも「勝ち負けではない。そもそも違うものだ」と一蹴。

「HAPSはエリアカバーでは衛星に勝てないが、カバーした面積あたりのキャパシティー(通信容量)では、高度400〜2000kmを飛行する低軌道衛星(LEO)よりもスマートフォンの直接通信では優位になる」と力説する。

 

ソフトバンク関係者も「衛星は世界レベルでのエリアカバーとなるため、莫大なコストがかかるが、HAPSはスポット的にエリア化していくため(衛星に比べれば)安価なコストで済む。機動力の高さも魅力だ」と語る。

 

「インフラ維持に活用」

空からの通信サービスで、もうひとつ課題となるのが収益性だ。例えば、いまだにインターネットが普及していないようなジャングルや砂漠であれば、空から電波を飛ばすことでエリア化される。

インターネットが使えるようになることで、地上にいるユーザーが通信料金を支払ってくれることだろう。

 

しかし、すでに日本では携帯電話各社のエリアカバー率(人口)が99.9%以上だ。それこそ富士山の頂上だって、電波が届き、SNSで写真を送れるほど、人が行きそうなところはすでにエリア化されている。

確かに災害時にスマートフォンの通信が断絶した際、空から電波を飛ばすという需要は大きいのは間違いない。しかし、通常時にどれだけ空からの電波が必要とされるのか。空から電波を飛ばしてエリアを広げることは「もうかる」ビジネスになるのか。

 

堀氏は「日本は人口減少社会だ。

一方、NTTはユニバーサルサービスの提供義務があるので、全国に設備を持っている。今までのように地上にあるネットワークを使って整備する方法はやり尽くしてしまっているなか、HAPSや衛星を使い、インフラを維持していくことも検討すべきだ」という。

 

堀氏が指摘するように、NTTは、全国に電話サービスを提供し続ける義務を負っているため、国内の固定電話事業は赤字だ。

現在、ユニバーサルサービスの将来像を模索する議論が進む中、NTTはユニバーサルサービスの提供方法に、固定回線だけではなく、携帯電話などを含めようという主張を繰り返している。その際、携帯電話の通信は衛星やHAPSを介すルートも水面下で検討しているようだ。

 

NTTとしては、山間部や離島に通信ケーブルを敷設し続けるのはコスト的にも無理がある。

それであれば、いっそ、衛星やHAPSを使って、全国に電話や通信サービスを提供する方が手っ取り早いというわけだ。

 

堀氏は「現状は当然すべて計算が成り立って、HAPSのコストがペイすると言える状態ではない。技術としては未熟な状態ではあるが、熟成したからやるというのではなく、多少のチャレンジがあったとしても、今こそ取り組む必要があるのではと考えている」と語る。

まさにNTTグループにとってHAPSは、人口減少社会を見据えたユニバーサルサービスの救世主になるかもしれないのだ。

 

川温(いしかわ・つつむ)
月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜午後8時20分からの番組「スマホNo.1メディア」に出演(radiko、ポッドキャストでも配信)。

NHKのEテレで「趣味どきっ! はじめてのスマホ バッチリ使いこなそう」に講師として出演。近著に「未来IT図解 これからの5Gビジネス」(エムディエヌコーポレーション)がある。
 
ニコニコチャンネルにてメルマガ(https://ch.nicovideo.jp/226)も配信。X(旧ツイッター)アカウントはhttps://twitter.com/iskw226<button class="buttonStyle_bnsd047 medium_m10rg1v3 button_b1kfgrvr" title="この記事を共有する" data-share-button="" data-popover-target="share-button"></button>
 
 
 
モバイルの達人

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「空飛ぶ基地局」現実味帯びる 山間部や離島も通信圏内

廉価版「Google Pixel」の実力は 3キャリアで販売競争

 

 

日経記事2024.06.08より引用

 

 

 


シャープ液晶工場の活用法は?/マイクロンCEOが語る 6月3〜7日の電機振り返り

2024-06-08 15:42:06 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


シャープ本社と堺事業所(堺市)

 

電機業界の1週間は、シャープが堺市にある停止予定のテレビ向けパネル工場の跡地を人工知能(AI)向けデータセンターとして利用するとのニュースから始まりました。

テレビ用液晶パネルから撤退するシャープの次の一手に注目が集まります。電機セクションの1週間の注目ニュースを振り返ります。

 

 

シャープの液晶事業の行方は

業界団体が相次ぎ新トップ

 


JEITAの津賀会長㊧とJEMAの近藤会長

 

電子情報技術産業協会(JEITA)の新会長にパナソニックホールディングス(HD)会長の津賀一宏氏が、日本電機工業会(JEMA)の新会長に富士電機の近藤史郎社長が就任しました。

生成AI(人工知能)や脱炭素などに取り組むと語りました。

 

マイクロンCEOらにインタビュー

 


マイクロンのメロートラCEO

 

マイクロン・テクノロジーのサンジェイ・メロートラ最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材に「人工知能(AI)向けの次世代半導体メモリーで日本は設計開発と製造の面で世界のリーダーになる」と語りました。

米中対立が焦点となる中、半導体供給網で日本を重要拠点にします。

 

その他のニュース

 
 
 
日経記事2024,06,08より引用
 
 
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米高官、ウクライナ「ロシアの攻勢阻止」領内攻撃容認で

2024-06-08 15:33:52 | NATO・EU・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


バイデン氏はゼレンスキー氏と会談し、追加支援の遅れを陳謝した=AP

 

【ワシントン=坂口幸裕】

米政府高官は7日、ロシア軍が攻勢を強めていたウクライナ東部ハリコフ州を巡り「(ウクライナ軍はロシア側の)進軍を阻止している」と明言した。

米欧がウクライナに供与した武器をロシア領で攻撃するのを容認した成果とみられる。

 

カービー米大統領補佐官が記者団に語った。米政府は国境周辺のロシア領からウクライナへの攻撃をしかけるロシア軍の攻撃拠点に限り、米国が供与した武器の使用を認めた。

ロシア軍が5月にハリコフの集落を制圧するなど攻勢を強め、劣勢になったウクライナの要請を受けて方針を転換した。

 

カービー氏はハリコフ周辺からロシア軍を撤退させるには至っていないものの「いくつかの部隊(が前進するの)を停止させた」と述べた。

米CNNテレビのインタビューでは、武器使用を認めるロシア領に関し、現時点でハリコフ北部の国境付近だけだとの認識を示した。

 

バイデン米大統領は7日、訪問先のフランスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。

「ハリコフで踏みとどまる姿はウクライナ人が(領土を)奪還する意志があることを改めて示した」とたたえた。

 

米国のウクライナ追加予算は反対論が根強い野党・共和党の抵抗で4月下旬に成立するまで滞っていた。

バイデン氏は支援の遅れを陳謝し「我々は手を引くつもりはない」と表明した。 「ウクライナは(ロシアが他の欧州諸国に軍事的圧力をかけないための)防波堤だ」と語った。

 

ゼレンスキー氏は米国がロシア領攻撃を限定的に容認したことを念頭に「あなたの決断は非常にいい影響があった」と訴えた。ロシア軍が攻勢に出ていたハリコフ周辺での防衛に一定の効果があったと示唆した。

限定容認とはいえロシア領攻撃を許可したことで、ロシアが過敏に反発しかねない。バイデン氏は6日、米メディアに「モスクワやクレムリン(ロシア大統領府)への攻撃は承認していない」と話すなどロシアを刺激するのを回避しようと努める。

 

バイデン氏は核保有国である米ロの対立に伴う「第3次世界大戦を望んでいない」と繰り返す。

カービー氏は7日、記者団に「米国の大統領、最高司令官としてウクライナには米軍を派遣しないとの見解を明らかにしている」と説明した。

 

「ウクライナ紛争がエスカレートすれば、欧州大陸全体に悲惨な結果をもたらす可能性がある」と強調した。

 
 
 
ウクライナ侵略

2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動きなど、関連する最新ニュースと解説をまとめました。

 

 

日経記事2024.06.08より引用

 

 


マクロン氏「複数国が実施」ウクライナへの訓練要員派遣

2024-06-08 15:24:36 | NATO・EU・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


マクロン仏大統領㊨はウクライナのゼレンスキー大統領と会談した(パリ、7日)=AP

 

【パリ=北松円香】

フランスのマクロン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は7日、パリで会談した。マクロン氏は会談後の共同記者会見で、フランスを含む「複数国による連合」がウクライナへの兵士の訓練要員派遣を実施すると述べた。

訓練要員派遣は「すでに複数国が了承しており、フランス単独の実施にはならない」という。「今後数日のうちに、なるべく多くの国が参加する連合について最終調整する」と説明した。

 

マクロン氏によると、派遣はウクライナからの要請を受けて検討したという。「ウクライナは今後数万人の新兵を訓練する必要がある。条件によっては現地で訓練する方がずっと効率的で、要請は正当なものだ」と重要性を強調した。

同時に「フランスはロシアと戦争をしておらず、対立激化も望まない点は変わらない。前線に兵士を送るわけではなく、対立激化にはつながらない」と主張した。

 

ゼレンスキー氏は「マクロン大統領のイニシアチブを支持する」と述べた。同日に会談した米国のバイデン大統領については「我々によく耳を傾けてくれた」と述べたが、派遣に関する米国の意向は明らかにしなかった。

マクロン氏はロシアが拘束した仏国籍の男性の早期解放を訴えた。ロシアの行動は「プロパガンダ」であり「(侵略の)当初から、ウクライナを支援させないために我々を威嚇してきた」と指摘した。

 

マクロン氏は2月下旬にパリで開催したウクライナ支援会議の後、初めてウクライナへの派兵の可能性について言及した。

当初は米欧各国が相次ぎ否定したが、ウクライナの劣勢を受けて再び議論が活発になっていた。

 

マクロン氏はまた、ウクライナの欧州連合(EU)加盟交渉について「月末までの開始」を支持すると述べた。

この日は仏側が先だって明らかにしていたインフラ再建のための追加支援で両国が正式合意したほか、民生用の原子力利用に関する協力も決まった。

 

 

またゼレンスキー氏の立ち会いのもと、独仏防衛企業KNDSがウクライナ拠点開設を正式に公表した。

KNDSは仏などが供与した自走式りゅう弾砲「カエサル」の現地でのメンテナンスや交換部品生産、155ミリ砲弾の生産でウクライナ企業と合意した。

 

 
 
 
ウクライナ侵略

2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動きなど、関連する最新ニュースと解説をまとめました。

 

 

日経記事2024.06.08より引用


デンマーク首相が襲撃される けがの有無など不明

2024-06-08 15:17:28 | NATO・EU・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


デンマークのフレデリクセン首相=ロイター

 

【ブリュッセル=辻隆史】

デンマークのフレデリクセン首相が7日夜、首都コペンハーゲンの路上で男に襲撃された。けがの有無など事件の詳細は現時点で不明。

デンマーク首相府は「首相は事件にショックを受けている」との声明を発表した。声明によると「首相が殴打された」という。

 

襲撃した男は逮捕された。フレデリクセン氏は首都中心部の路上で、近寄ってきた男に突如襲われた。

欧州連合(EU)加盟国は6〜9日の日程で欧州議会選を実施している。5月にはスロバキアのフィツォ首相が銃撃され、重傷を負った。ドイツでも政治家の暴行事件が頻発するなど、社会の緊張が高まっている。

 

EUのミシェル大統領はX(旧ツイッター)に「強い憤りを覚える。卑劣な暴力行為を強く非難する」と書き込んだ。

 

 
 
日経記事2024.06.08より引用