開発新棟の建設予定地。左奥は任天堂本社(京都市、8月3日)
任天堂が本社の隣に2027年に完成を予定しているゲーム開発向けビルについて、規模の拡大を検討していることが分かった。従来の計画では12階建て、延べ床面積は3万8千平方メートルだったが、長期的な開発人員の増加を見越して計画を拡張する。開発新棟の建屋は13階以上となり、完成は28年以降にずれ込む見通し。
新棟の増床幅は今後詰める。任天堂は22年、本社と14年建設の「本社開発棟」に挟まれた約1万平方メートルの土地を京都市から50億円で取得した。京都市は4月、一部地域でオフィスや研究施設などについて容積率を引き上げる規制緩和を実施し、任天堂の建設予定地も該当地域になった。
任天堂は自社採用の開発者を増やしている。23年度の新卒採用は130人で、3年前の1.5倍の水準。ゲームは技術の高度化や、消費者の要求水準の高まりを背景に開発の規模が拡大している。古川俊太郎社長は「ソフト1本当たりに必要な開発リソースが増えている。ここ数年の採用水準を維持していきたい」と話す。
任天堂は27年3月期までの5年間をめどにゲームの開発体制の拡張に最大1000億円を投資する計画。開発新棟への投資額は未定だが、建設コストの上昇もあり全体の投資額が膨らむ可能性がある。
日経記事 2023.08.09より引用