スターマー英首相は経済成長を妨げる規制に「終止符を打つ」とコメント(5日、ロンドン)=AP
【ロンドン=江渕智弘】
英政府は6日、原子力発電所の建設を促す規制改革を発表した。地域の制限を緩め、データセンターなど電力消費の多い施設の近くに小型原発を建てやすくする。
スターマー首相は「安価なエネルギーと経済成長、雇用拡大のチャンスをあまりにも長い間妨げてきた規制に終止符を打つ」とコメントした。
イングランドとウェールズでは沿岸部を中心に計8カ所が建設可能な地域に指定されている。この制限をなくし、人口密集地や軍施設の周辺以外で建設を認める。
想定するのは主に次世代原発の「小型モジュール炉(SMR)」だ。人工知能(AI)向けのデータセンターなどの近くに建設し、効率的な電力供給をめざす。
英国の電力供給に占める原発比率はおよそ15%。50年までに25%に高める目標だが、1995年を最後に新設された原発はない。
建設中は1カ所しかなく、それも工事が大幅に遅れている。古い原発の寿命を考えると新たな計画が必要になっている。
日経記事2025.2.6より引用